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さまよえる蒼い大魔王

コンコン!


「何だ?」


「リヨンです・・大魔王様に折り入ってお話が・・・」


「何だ言ってみよ。」


「その前に部屋から出て来て下さい!」


「それは諸事情が有って出来んのだ!他を当たれ!」


「しかし他の・・・他の個室には紙が無いんですよ~!!」


「それはお前が昨日買い忘れて来たのが悪かろうて・・・

俺は此処で有意義に用を足させて貰う

それに他でして後から俺に届けて貰えば良かろう!」


「しかし大魔王様が紙を届けてくれる保証がないですし・・・」


「そんなん信用ない俺?

そもそもお前が昨日買って来た訳解らんナマモノを食わすから俺がこんなに苦しんでいるのだろが!」


「お言葉ですがあれは店主が勧めてくれた物なので私には非はありません!私も立派な被害者です!」


「ようし・・それは分かった・・・後でその店主を牢へぶち込め!」


「御意。ではそろそろ出て貰えないでしょうか?」


「無理だ!

それに自分の使った直後に誰かに使われるのは何か嫌だ。

さっきの奴超くせ~とか陰で言われるのとか俺耐えられない人だし・・・」


「いや・・私はそんな事言いませんし思いませんから早く・・・HURRY UP!

もう直ぐ出ますよ?此処で出しても良いんですか?」


「変なプレッシャー掛けんなよ~!お前其処で出す位なら他の所へ行けよ!」


「フフフ・・・私が此処から動けるとでも御思いですか?

既に私の尻の筋肉は限界寸前・・・云わば決壊寸前のダムですよ!」


「解り易い例えありがとう・・・

だが、此処で俺が動けば直ぐに今のお前と同じ立場に陥る事は明白なのだよ!

それだけ奴は今・・俺を蝕んでいる・・・許されよ・・・。」


「大魔王様・・・不躾な私を軽蔑されますか?」


「どうした?・・・ま、まさか・・・」


「間もなく私は行きます・・・

地獄から解放された大魔王様がこの世界に戻る頃には此処もまた地獄と化している事でしょう・・・」


「ちょ・・・行くって放置してって事か?

そんなん聞いた事ねぇよ・・・まだ解き放つなよ?

返事しろ!返事をしろリヨン!!」


「・・・・・」


「嘘だろ?嘘だよな?・・・嘘だと言ってくれ!?」


「ゆ~め~じゃないあれもこれも~・・・」


「ふぅ、まだ居たか・・・

何だこの聞き慣れた名曲は?

・・・はっ!まさか!?早まるな!

・・・おおぅ、ラスサビか・・・もう少し続くんだな・・・ってそんな問題じゃない!

出るから!もう間もなく出るから!耐えろ!耐えてくれ!!」


「そして~は~ばたく・・ウルトラソウッ!!」


「ハイ!!・・・ま、間に合わなかったか・・・」


「では、私・・・行きますね・・・」


「リヨン?何処に行くのだ?

俺をこんな所に残して行かないでくれ!?

リヨン!リヨーン!!!」


「・・・・・」


「マジでか・・・」




大魔王様は涙を流しながら綺麗に御片付けをしてくれたそうです・・・

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