とっとこ大魔王
大魔王城の小さな使用人控室
そこでは日頃の鬱憤を晴らすべく只今愚痴大会の真っ最中であった
使用人Aが使用人Bに愚痴を溢す
「そう言えばさ~ちょっと前に入って来た大魔王様の側近の奴ムカつかね?」
「あ~ダーク何チャラってヤツ?」
「そ~ソイツ!
アイツさ~この前仕事中にちょっと話してたらさ~たまたまその場を見て注意してきやがったんだよ!」
「へ~何て?」
「『口を動かす前に手を動かせ!』だと。
俺は仕事の話をしてたっちゅうの!!」
「でもそれはアイツも内容を知らないだろうし『仕事の話をしていました!』って誤解を直ぐに解かなかったから悪いんじゃないの?」
「そんなん直ぐ言ったよ!
そしたらさ『言い訳する事ばかり達者になって・・・これだから大魔王に育てられた使用人は駄目なんだよ!』だとさ。」
「それは酷いな・・・
しかもアイツ陰で大魔王様を『様』無しで呼んでんのかよ・・・。」
「そうなんだよ・・・
それにさ~又聞きで悪いんだけどアイツ大魔王様が魔王時代に勇者と戦った時
『私が居なければ大魔王様はあそこで命を落としていたんだよ』って感じで魔王様の城で言い触らして首になって此処に来たらしいぜ?」
「それなら俺も聞いた!本当の話らしいよ?
俺の連れがさ~今魔王城に勤めてんだけどさ、ソイツが実際に言ってんの聞いたって!」
「ウワッ!マジかよ!サイテーだな~ダーク何とか。
アイツさ、大魔王様に気に入られてる事を良い事に調子に乗ってんだよ!」
「そうそう、大魔王様は人が良過ぎるんだよな~
この前だって温泉のお土産を使用人全員に配ってたろ?」
「そう!女子とは大分格差有ったけど・・・
それでも『何時も俺の我が儘を聞いてくれてありがとうな!』って労いの言葉を添えて貰った時は泣くかと思ったよ
まあ女子は御当地物でもなんでもないブランド品貰ってたけどな。」
「俺も『何時も花壇に水をありがとうな!』って労って貰ったよ!
まあ交代制だからみんな水あげてんだけどな。
大魔王様はホント上司の鑑だよ、それに引き替えダーク何とかは・・・。」
「土産もないし帰るなり早々『此処汚いんだけど?大魔王が居ないからってサボってんなよ?』だとよ。
別に土産が欲しい訳じゃねえけど労う言葉ぐらい欲しかったよな?」
「な~!
俺は大魔王様の為なら命を投げ出す覚悟は出来てるけどダーク何とかが死にそうになってたらガン無視決めますわ!」
「ガン無視は悪いよ!
俺なら鼻で笑って石投げ付ける位しか出来ないよ・・・。」
「石は駄目だって!
もっと殺傷能力が高い物じゃないと生き永らえた時の報復が怖いよ?
せめて一瞬で逝かせる位の大きな岩にしてあげてよ!」
「そうか~苦しませちゃ悪いもんな!
でもジワジワ甚振って死ぬよりも過酷な拷問も悪くないよな?」
「ああ、誰もお前を咎めやしないよ・・・。
感謝されこそすれ怒られる事はない。」
「よし!ダーク何とかの死に様を一緒に世界配信しような!」
「!?・・・そんな事して本当に良いと思っているのか?
あの方は本当は物凄い良い人なのだぞ?
それを解っていないとは貴様・・・恥を知れ!!」
「んん?どした?急に。
さっきまで一緒にダーク何とか貶してたじゃん?」
「ダーク・リヨン様は私が尊敬する方の一人
そのような事を私が口にする筈がない!」
「何言ってんの?あんな奴糞だろ!?
いや、それじゃあ糞に失礼だな!糞に謝んなきゃ!」
使用人Aのアイコンタクトに気付き使用人Bが後ろに漂う殺気を感じ取ったが時既に遅し
「ダ、ダーク・リヨン様!?」
扉から顔だけ出したリヨンが笑顔で
「さて、糞に謝ろうか。
糞に謝らなきゃならないんだろ?
どうした?そんなに涙を流して・・・
泣くのはまだ早いぞ・・・?」
ダーク・リヨン様に連れてかれた彼は二度と俺の前に姿を見せませんでした
風の噂では本当に糞に謝らされた後、一緒に何かの肥料にされたとかされないとか・・・




