97 有料会員に、俺はなる!
①プレミアム会員制
その人は、血相を変えて城に飛び込んできたかとおもうと、あらゆる罠を突破し、魔王城の最深まで、わずか20分で駆け抜けた。
最新記録だ。そして、重厚な玉座に座る、その城のあるじに詰め寄るのだった。
勇者「どこからでも切れるって言ったじゃないか!! 魔王のうそつきっ!」
魔王「あー、これね。プレミアム会員になってもらわないと切れないんだわ。
月額300ゴールドでね、プレミアム会員になると、切れ込みからじゃなくても、どこからでも魔王が切れるよ」
勇者「マジかーー!! なるなる! 有料会員に、俺はなるッ」
魔王「まいど。
それでね、ハッピーエンドを見るためには、スペシャルチケットを購入しないといけないんだけど…」
勇者「マジでかーー!!」
魔王「もしくは、これとこっちとこっちのアプリをダウンロードして、こっちとこっちとこっちのサイトに無料会員登録して、こっちのアンケートに答えると無料になるよ」
勇者「…めんどくせぇ。」
魔王「じゃあ、あれだよ。コンビニでPOSAカード購入してきて」
勇者「しょうがねえなー。世界平和のためだしな。勇者も楽じゃない」オカイアゲアリガトウゴザイマース(*^ー^)ノ♪ ちゃりんちゃりーん
魔王「フハハハハ!!! またのご利用をお待ちしております!!」
☆
②納豆をご飯とかき混ぜる
勇者「納豆をご飯とかき混ぜてねばねばにして食べちゃう奴、あれなんなの?」
魔王「納豆?」
勇者「ただでさえ宇宙の乱雑さ(エントロピー)は増大してんのよ。さらにそれを、何? なんで納豆とご飯混ぜちゃうの? 何がしたいの? 宇宙を崩壊させたいの?」
魔王「…、いや、俺様も、かき混ぜるな、うん」
勇者「…ふん、魔王め。そうやって秩序を破壊し、混沌をもたらそうというわけか…。許せないな」
魔王「カレーもご飯とぐちゃぐちゃにして食べるし」
勇者「魔王! お前がそんなことするから、石油とシェールガスの戦いが終わらねーんだよ! あのな、俺たちは、同じ一つの惑星の上に共に生きる、かけがえのない仲間なんだよ! なぜ、傷つけ合う? 殺し合う?」
魔王「…そりゃあれだろ。色々と気に入らねーんだろ。納豆とご飯かき混ぜる奴は人間じゃねえとか思ってんだろ」
勇者「…そっか。許し合わなきゃな。存在を。
納豆とご飯かき混ぜる奴は許さないけどな」
魔王「…ふん。心の狭い奴め。」
◆
③ブラックかもしれない。
その人は、すさまじい暗黒のオーラを放っていた。絶大なる魔力。そのかず、実に数十億ともいわれる魔物の群れを統率するカリスマ。
一目見たものは、威圧され、圧倒され、畏敬の念を抱くだろうーー
魔王「あ~、牛乳ぎゅーにゅー」とてとて
魔王「ばななばなな~ 俺様のあさごはーん」ウロウロ
部下A「もぅ、魔王様ったら! パンツ一丁で城の中うろうろしないでくださいよ。いつ勇者が来るかわからないんですからね!」
魔王「あぁ、うん。こないだも台所に出たよ、勇者」
部下A「風呂場でも見かけましたよ」
魔王・部下A「冷蔵庫あさってた」「温泉のもと入れてくつろいでました」
魔王「なー、あいつはなー、ほんとどこにでも入り込むな」
部下A「不法侵入とか気にしない人なんですよね」
勇者「賞味期限が明日までのプリンがあったらよくないと思って」
勇者「もったいないだろ、捨てちゃうの。だから、俺がプリンを救う勇者になろうと思って」
部下A「温泉のもとは?」
勇者「くじ引きの景品で当たったんだけど、安宿のユニットバスだと雰囲気でないじゃん。
…で。あ、そーだ。魔王のとこにでかい風呂あるじゃん、ってなって」
僧侶(勇者の仲間)「いいお湯でした」ほかほか
盗賊(勇者の仲間その2)「ここは魔王城。魔王城」
部下A「最近、有名コーヒーチェーン店が出店しましたよ。好みのコーヒーを飲みながら、魔王討伐できますよ!」
盗賊「…敵の、本拠地。悪の牙城。人類の…敵」
部下A「映画館と観覧車もありますよ」
盗賊「人権を…、踏みにじり。国民を拉致したり虐待したり」
部下A「それについては、人間たちの国から警告が来てますね」
魔王「…俺ら、そんなことしてたんだ…?」
側近「魔王様は知らなくていいことです。あなたは、そこでガ○タンクのプラモでも作っていればよいのです。
魔王様。あなたのプラモは実に素晴らしい」
魔王「ほんと? 側近に褒められると悪い気しないね。よっしゃ、ちょっとWebで注文してくる!」(σ≧▽≦)σ
部下A「魔王様…」ほろり
側近「魔王様は、魔王様ですね」
勇者「…あ、忘れてた。俺、魔王倒さないと。具体的には、全裸にして特殊な縛り方して天井から吊るしてローソクであぶりつつムチで叩かないと」
部下A「え…、ちょっとそれ、ひどくないですか?」
勇者「でも王様に頼まれてるからね~。やらないわけにはいかないんだよ」
側近「サラリーマンの辛いところ、ですね」
勇者「だろ? もうね、最近、ウチ、ブラックじゃないかって思ってて」
僧侶「サービス残業が当然みたいな空気ですしね」
盗賊「補習で残されるしな」
僧侶「しかもことあるごとに、お尻さわられるんですよ」
盗賊「朝練にも出ないといけないしさ~」
僧侶・盗賊「「は~~」」
勇者「バシッ バシッ」
魔王「ああんっ! もっと! もっと叩いて!! 勇者になら…踏まれてもいいっ! 大魔王様にも踏まれたことないけど!」
側近「ん?」ピロリロリ ←着信
側近「人間どもの砦が落とせない? …やむをえませんね。もやしの投入を…許可します。」
〔(今回の話が)終。〕
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