88 羊と僕と、俺達と
セニョリータさん(仮名)のお家で、【未(羊)でSS企画】というのをやってまして。こちらはそのために書いたものです。(*`・ω・)ゞ
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①羊と僕と、俺たちと
勇者「羊かー…」
魔王「…、肉、だな」
勇者「あ! やっぱそう思う!? 魔王もそう思うかぁ。肉だよね肉肉! 羊といえば肉! ジンギスカンだよ!」
魔王「なー! だよな! やっぱね、ウールのセーターなんて、あったかいだけで食えないじゃん? そこいくと、ジンギスカンはね、やっぱ、聖人君子だよね。何つーの。自己犠牲精神? 美しいよね、ジンギスカンは」
勇者「そうかね~? 俺はね、ジンギスカンのいいとこは、やっぱ、あのみんなでつつける感じだと思うんだよ! こう、みんなでひとつのジンギスカン鍋を囲んでさ…」
魔王「え~? カシミヤセーターだってミンクのマフラーだってみんなで囲んでモフモフすればいいじゃん? 楽しいって、ゼッタイ」
勇者「山のようにカシミヤとミンクとウールを積んで、みんなでモフモフすんの?」
魔王「うんうん! 俺、主催者やるわ。生きてる羊も手配するし! もちろん毛刈り前のやつな!」
勇者「いいなそれ! よっしゃ! 戦士と魔法使いと僧侶と武闘家と賢者と遊び人に声かけてくるよ!」
魔王「猫ちゃんとワンちゃんも連れてこようぜ! 羊だけじゃ、やっぱさびしいからな」
勇者「ライオンとトドとコモドドラゴンもいたほうがいいかもな…」
魔王「じゃあさ、ウーパールーパーと、シーモンキーもいたほうがいいかもね」
勇者「いいねいいね! よし、メールしとこ。『ジンギスカンをつつきながら、羊をモフモフしたい方は、是非ご参加ください。参加費5000ゴールド』」
魔王「くっくっく…」
勇者「フハハハハハ!!」
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部下A「勇者さんと魔王様、何を相談してるんでしょうね…? 楽しそうです」
側近「さあ…? きっと、どのコンビニのツナマヨおにぎりが一番かなどといった下らない話題に違いありませんよ。」
部下A「ツナマヨを発明した人は天才ですよね! 僕、大好きです!」
側近「フン…。まぁ、もやしを載せれば、食べられないことはありませんがね…」
部下A「側近様は、本当にもやしのことが好きですね!」
側近「そ、そんなに褒められると…照れてしまいますね」////
ちなみに、ジンギスカンとゆーのは、羊肉の焼き肉っぽい食べ物なのだそうです。筆者は、食べたことがありませんっ!
【おまけ】
哀れな羊たちは、完全に包囲されていた。
勇者「…くっ、魔王っ! 一体お前は、どれだけの羊をモフモフすれば気がすむんだッ!?」
魔王「…ふん。甘いな勇者よ。羊など、いくらモフモフしても、し足りぬわ! 最後の一匹に至るまで、モフモフし尽くしてくれるわ!」
勇者「させるかっ! ーー俺は。俺は勇者なんだ。これ以上お前に羊をモフモフさせるわけにはいかない! なぜならーー」
勇者「俺だってモフモフしたいから!」
魔王「モフモフモフモフ!!」
勇者「モフモフモフモフモフ!!!」
魔王「…くっ、やるな勇者よ。我は貴様を少々、見くびっていたようだ…」
勇者「…ふん。お前もな。だが…」
魔王「うむ」
勇者「俺たちのモフモフはまだ始まったばかりだっ!」ババーン!
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②羊と勇者と、邪神様
勇者「羊といえば」
魔王「生け贄だな」
勇者「大陸では、八千年も前から家畜として飼われてきた羊」
魔王「煮てよし焼いてよし」
勇者「羊を放牧して歩いたものが道になったとも云う」
魔王「従順で神聖なるイケニエ。邪神様の祭壇に捧げよう」
勇者「羊はいつも、人類と共にあった」
魔王「火を焚いてー、祭壇に羊さんを載せてー」ワクワク
勇者「初めて、体細胞からのクローンが作られたのも羊であった」
魔王「邪神様キター(゜∀゜ 三 ゜∀゜)ー!!」
勇者「羊はこれからも、我々と共にあり続けるだろう」
魔王「邪神様、邪神様、さぁ、人間どもを滅ぼしましょう!」
邪神「よっしゃ任せろー!」ギュインギュインギュイン
勇者「もー。魔王、聴いてる? こっちはね、羊を放牧するので忙しいの。チーズとかミルクとか作るんだから!」
魔王「フハハハハ!!」
邪神「ヒョホホホホ!!」
僧侶(勇者の仲間)「勇者さん、あのまがまがしい存在が見えないんですか…!」
盗賊「…。来るぞ、僧侶っ!」
邪神「ヒヒヒヒヒ!」
勇者「だからー。みんな聴いてる? 羊はね、温厚で臆病で…」
僧侶「つ、強い…! この魔力…っ」
盗賊「勇者! 羊もういいから! 戦ってー!」
勇者「はて。まり子さんや、メシはまだかいね?」
盗賊「さっき食べただろォがァ!!?」
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