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「ども、魔王です」「こんにちは、勇者です」  作者: 魔王@酒場
魔王様は玉座にて待つ。宅配便とかを。
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86 ピザまん

①ある朝、目覚めると、足の先が5つに分かれた靴下になっていた


勇者「なぁ、魔王。俺…、足の先が五本指にわかれた靴下になろうと思う。」


魔王「やめとけ? 足の先が五本指にわかれた靴下は、楽な商売じゃないぞ。一度なったが、辞めていく奴も多い。向き不向きがあるんだな、あれは」


勇者「でもさ…、足の先が五本指にわかれた靴下だぜ? やっぱ、人間に生まれたからには、一度くらい足の先が五つにわかれた靴下になってみたい」


魔王「…ま、そこまで言うなら止めんがな」


勇者「よっしゃ。じゃあちょっと、職業を変える神殿に行って足の先が五つにわかれた靴下になってくるわ」


魔王「いってら~」(* ゜∀゜)ノシ


……数日後。


勇者「…ただいま」


魔王「おー、勇者じゃん! 久しぶり、元気してた? 足の先が五つにわかれた靴下にはなれたっぽいじゃん? 今日はお祝いだな!」


勇者「よ、よせよ…、ちょっと足の先が五つにわかれた靴下になったくらいで…//// 恥ずかしい奴…」


魔王「なんでだよ! お前、初足の先が五つにわかれた靴下だろ! そういうのは、きちんと祝わないとな! なに、人生の区切りっつーの? 誰でも足の先が五つにわかれた靴下には憧れるけど、実際なるやつは、そういないからね。な、今日くらい祝わせろよ。」


魔王「そっきーん。酒もってきて~。百年もののワインね。沈没船から引き上げたやつ」


勇者「縁起悪っ!!?」



皆「勇者の足の先が五つにわかれた靴下化を祝って…」「「かんぱーい!!!」」ポンッ


コルクが外されると、ワインに特有の香りがふわりと立ち上った。豊潤な。それでいて、どこか甘く、苦くーーひとを誘惑する香り。


勇者 ほろ酔い加減「あ~、これで俺も足の先が五つにわかれた靴下か…、もう普通の人間じゃないんだな」


魔王「初心忘るべからず、だよ。足の先が五つにわかれた靴下に憧れてた頃の気持ちを、忘れちゃ駄目だぜ?」


勇者「ああ…。分かってる。俺は足の先が五つにわかれた靴下である前に勇者なんだ…。…あ、やべ。魔王倒すの忘れてた」チャキッ 剣を構える


魔王「えー、めんどくせえな。明日でいいよ、そういうのは。なんつーの。勇者と魔王が戦うっつーと、色々、皆のほうの準備もあるしさ。金もかかるし」


勇者「えー、ここで、こう、サクッと…」


魔王「いやっ! たすけて! ひとごろしー!!」脱兎


勇者「に、逃げやがった…。魔王め。次は逃がさん」握りこぶしグッ




②『ピザまん』


勇者「…なぁ魔王。ピザまんのこと、どう思う?」


魔王「ああ…、気が気じゃないよ。いつ変身するかと思うと…」


勇者「だよなー。いつ変身するんだろ。俺は楽しみにしてるんだけどさ」


魔王「…ちっ。気楽だな、正義のヒーローは、よ…」


勇者「そりゃな。俺にしたら、仲間が増えるわけだしね。早く変身して欲しいから、毎日ピザまん食べてるよ」


魔王「ヒーローゆえの悩みで、重圧に押し潰されそうになったりするのかな」


勇者「ピザまんだしね。そこは、圧力には弱いかもね」


魔王「…あれ、案外、楽勝じゃね?」


勇者「てっめえ。ピザまんなめんな! 子供から大人まで大人気なんだぞ!」


魔王「でもさ、ホラ。ぐにって潰れちゃったら、一巻の終わりじゃね?」


勇者「ピザまーん!! 僕らのピザまんを返せー!」


魔王「フハハハハ! 片手で捻り潰してくれたわ! しかもすっかり冷めてしまったようだぞ…。こうなっては、ピザまんも形無しだな!」


勇者「…ひでぇ。悪逆非道の魔王め! ピザまんは、ほかほかのうちに、はむってかぶりつくのがいーんだろーが!」


魔王「うっせえ! 握り潰して制圧し、無残な姿になってから燃えるゴミに出す!」


勇者「食べ物粗末にすんじゃねえ! そんなんだからお前は世界征服できないんだ!」


ピザまん「…あの」


魔王「ぐにっ!」

勇者「ぱくっ!」


勇者「冷めててもうまい!」

魔王「握り潰せて満足だっ!」


こうしてみんなのヒーロー、ピザまんは、握り潰され、冷めてしまいましたが、無事、食物としての責務を全うしたのでした。めでたし、めでたし。

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