71 夏野菜はビタミンたっぷり…?
■ 現在、試験的に作品タイトルを『冷やし勇者始めました。』→『勇者さん!魔王ですよ!!』に変更してみております。なんか紛らわしくてすみません(^^ゞ
『魔王様、勇者ですよ!』も良いなぁと思いつつ…。
いつも読んでいただき、ありがとうございます!■
①『喜んで……、くれるかな?』
コトコトコト……
??「(茄子、ズッキーニ。トマト。かぼちゃ……)」
??「(夏野菜はビタミンが豊富で、抗酸化成分の宝庫……)」
??「(茄子には、ポリフェノールの一種である「ナスニン」が含まれ、コレステロール値の低下や、動脈硬化の予防効果が期待できる……)」
コトコト
??「(ズッキーニは、しま模様になるように縦に皮をむき、1.5cm厚さの輪切りにする……。パプリカは3cm角に切る……。にんにくは、包丁の腹で軽く押しつぶして……)」
コトコトコト
??「(厚手の鍋に、真鯛、あさり、えび、ミニトマトと、さっき切ったものを入れて……)」
コトコト トポポポポ
??「(白ワインを注ぎ、強火で加熱する……)」
コトコトコト
??「煮立ったらふたをして、中火で6~7分」
コトコト
??「(塩とオリーブオイルで調味してーー)」
??「(ペットのケルベロスちゃんに味見してもらってーー)」
??「(よし! 完成!!)」ニコッ
??「(側近様、喜んでくれるかなぁ……)」
ガシャーン!!!
??→改め、漆黒の動く鎧、こと部下S「バカか私はっ!! あの方が、このような手料理で喜ぶはずがないッ」
S「ーー血だ。もっと血が必要だ。我が剣で、我が命で全身全霊をかけてあの方に尽くす! それが私の本分であるはずだ!!」
S「あ、あの方がこのような料理で……、よろ、よろこぶ、はずなど……」
S「ありはしないのだ!!!」
こうして、ライバルである純白のもやしに嫉妬心を燃やしつつ、部下Sの休日は暮れてゆくのだった……。
〔終〕
②『魔王様のフタ』
勇者「『なにもいらない! あなたさえいれば!!』」
魔王「…あ、そう? マジ? PS4は?」
勇者「あー、それは無いと困る」
部下A「必須ですよね」
魔王「テトラポッドとかは?」
勇者「…それ、日常生活に必要なのか? 海岸とかで、ゴロゴロ置いてある四本脚のあれだろ?」
部下A「テトラポッドで、敵の侵入を防ぐんですよ。もっとトゲトゲにしたやつで」
勇者「そうなの? ところでさ、俺くるとき、なんかトゲトゲのがいっぱいあって、歩くの大変だったんだよね。ガーゴイル君(部下Aのこと)、片付けたら?」
部下A「……ゴブリンの皆が、がんばって運んだのに」
側近「まったく。勇者は、もう少し空気を読むべきですね。我々の苦労も考えなさい」
勇者「空気は、読むんじゃなくて、味わうのがいいな! 食うんだよ、空気を!」
側近「ほう?」
勇者「俺が空気だ! くらいの気合いでね」
魔王「空気って、影薄い人のことじゃね? …ほら、俺みたいな」
部下A「魔王様は空気じゃありませんよ! 存在感ありますよ!」
側近「…まあ、我々、魔物に欠かせない、という意味では、空気みたいなものかもしれませんね」
勇者「なるほど。魔王は空気だったのか。窒素が八割なの?」
魔王「…え?」
部下A「当然ですよ! 腐らないように、内部には窒素ガスが充填されてます! …フタを開ける前に、あんまりシェイクしないほうがいいです。僕、一回やっちゃって、ヒドい目に遭っちゃって…」
勇者「部下A…、フタ開けたの?」
部下A「…え? だって、フタを開けないと、中身が取り出せませんよね?」
側近「中身…?」
魔王「なー、側近。俺様の中身って…、なに?」
側近「いや、そりゃ、軍事機密とか、新製品の情報とか、インテル製のICチップとかコンデンサとか」
勇者「…魔王って、有機物なの? それとも、無機物?」
魔王「どうかなー。俺もよく知らん。」
側近「分別上は、粗大ゴミですね」
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