63 魔王は不飽和脂肪酸を摂取するか?
魔王、地下一階、酒場ーー
そこでは今日も、例のやつらが、(ミルクとかのソフトドリンクを)飲んだくれていたーー
巨乳「8%アーップ!!」ドドーン!
黒マント「マジか! 8%か! いいなそりゃ! ウハウハだ!」
巨乳「……俺の乳がね」
黒マント「けっ。胸かよ。ンなもんどーでもいいんだよ。所詮あれだろ? 脂肪だろ。オレイン酸とかリノール酸とかだろ? あのね、俺は『不』飽和脂肪酸とかどうでもいいの。飽和脂肪酸しかキョーミないの」
黒マント「ラウリン酸とかパルミチン酸しかキョーミないんだよね。こことんところ、青魚ばっかり食べてるからね」
巨乳「おお! そりゃいいね! 健康的だね! 俺の乳もどうよ?」ずずいっ
黒マント「安売りすんなバカ! いいか、お前の乳は、とても大切なものだ。量り売りしたり、特売したりしてはいけないものなんだ。ーーったく。そのくらい分かってろよな、この、バカが」
巨乳「……え。そうなの? よくさ、俺ね、知らない人に、乳揉ませろなんて頼まれるから、気安く引き受けてたんだけど……、マズかったのかな?」
黒マント「誰に揉ませたんだこのバカァア!!?」
◇
巨乳 改め勇者「どもー! ゆーしゃです!」
黒マント 改め魔王「魔王だよ!!」
勇者 改め巨乳「しっかし、あれだね。世の中ってのは。色々とさ。移り変わってゆくものだね」
魔王 改め、最近メタボ気味「まあ……、それはしかたないな。人間……、いや、生命ってのはね、『動的平衡』なワケよ。まさに、"流れに浮かぶ泡沫"なんだな」
巨乳「なんだよこのー。なんかちょっとカッコいいこと言いやがって。なんだよ。カッコ良いじゃん」
魔王「ところであれよ。やっぱお前んとこも値上げしたの?」
巨乳「あー。まあね、仕方ないかなって。こっちも商売だしねー」
魔王「何値上げしたの?」
巨乳「あのね、中身をちょっと減らしたね。増税分以上に」
魔王「へー! 中身をね。軽くしたのかな?」
巨乳「だねー。軽くなっちゃったな。あとはまあ、プライスカード(値札)を工夫してね。本体価格の下に、カッコで税込み価格を書くようにしてる」
魔王「うんうん。本体価格とか、税込み、税抜き価格とか、わけわかんないよな」
巨乳「だねー」
魔王「ところでお前の商売って、……何だっけ?」
巨乳「ひっでーな、忘れたのかよ!? うわ、サイテー……」
魔王「やー、ゴメン、ゴメン。魔王何年もやってるとさ、やっぱ、いっぱい来るわけよ。あのね……、アレ、ああいうやつが」
巨乳「ああ。いっぱいいるよな。俺もあれなんなのかって思う」
魔王「お前も? へー。そういうもんかな?」
巨乳「だってさー。さすがに多すぎない? 俺ももう、見てると、誰が誰だか分かんなくてさ……」
魔王「まあねー。俺が強いし、そこは仕方ないのかなって思う。だってさ、質で劣ってたら、数で勝負するしかないじゃん?」
巨乳「えー? でもさ。中には、怖いのいるよ? お前気をつけろよ? ああいうの危ないから」
魔王「心配してくれてありがと。へーきだって。だって俺、魔王だし(笑)」
巨乳「バッカじゃねえの!? お前の心配なんかしてねぇし! ところでさ、俺、酔っちゃったから家まで送ってくれる?」
魔王「は? 何言ってんの。送らねーし! 歩いて帰れ! バーカ、バーカ!!」
巨乳「……」
Thank you for your Read !




