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「ども、魔王です」「こんにちは、勇者です」  作者: 魔王@酒場
魔王様は玉座にて待つ。宅配便とかを。
6/162

6  手乗り魔王、あります。

 ひゅうっーーと、耳元を鋭い風切り音が打つ。

「魔王、覚悟ッ!!」


 魔王城の最深部にたどり着いたその青年は、ためらいもなく、陽の色に光り輝く剣を振るう。

 薄暗い広間。


 彼の剣が弧を描くたび、風圧が床石を、石壁を削る。

 それを難なくかわしながらーー魔王ーーお人よしの人間好きの、変わり者のーーは、思案する。


 コイツに命をくれてやるのは面白いだろうか?



 ジョークの類ではない。

 真面目に、そう考えていた。

 彼にとって命は軽い。

 他人が、他者が、木や花が生きているということは理解できるし、それは尊いことだとも思う。


 しかし、自身には『イノチ』がない。

 それは、布でできた人形のようなものなのだ。

 先代の魔王という人形のかけらから再構築された、ただのーー魔力で動く人形。ただ、それだけでしかない。


「俺の故郷をーー幼馴染を、国王を、老騎士団長をーー、そして、散っていった仲間たちのためにーー」

 勇者とやらは、渾身に叫ぶ。

「お前を倒すっ!!」


 ひゅっ

 風が、陽の色の刃が、魔王のローブの胸元を切り裂いた。

 ーーありえない。

 たかが人間がーー


「この私を倒す、だとーー?」


 知らず、笑みが浮かぶ。


「--ははは!」

「何が可笑しい?」

 勇者が目をすがめる。

「これが笑わずにいられようか? お前に、お前たちに力を与えるソレは何なのだ。

 敵いもしない相手に挑む。叶いもしない願いを祈る。適いもしない居場所を望む。

 ソレはーー何なのだ」


 金の刃が、魔の胸を貫く。

 勇者は静かに、ささやくように、魔王の耳元に告げた。

「希望、っていうんだ」



> continue?


むくり。



??「・・・・は~、疲れた。なれないことはするものじゃないな、ども、とりあえず魔王です」

勇者「とりあえず勇者です。ほら、魔王魔王、例のアレ」


魔王「よくぞここまでたどり着いたな、褒めてやろう。

 勇者よ、私と手を組むつもりはないか? 世界の半分をお前にやろう」

勇者「イエースッッ!」拳をおおきくふりあげて

勇者・魔王「ゲーム・オーヴァァアー!!」ハイタッチをパン、と。


   ◇


魔王「ずどらーとヴぃちぇ、魔王です」

勇者「ご・だーぐ、勇者です。いきなりあれですね、今回の冒頭は何なのよアンタ」


魔王「いや、魔王だからたまには倒されてみないと、やられ方分かんなくなるじゃん。あれよお前、魔王つったら、死に際まで頑張らないといけないわけ。人間どもに呪いかけてさ、『ワシを倒しても、幾千幾万の刻ののち、また第2第3の魔王が現れるだろう・・・。ワシには見えるのだ』」


勇者「うっひゃー、カッコいい! 今のそれ、すごく魔王っぽかった!」

魔王「・・・・・・・・。」

勇者「ん? どうしたの、生理?」

魔王「何そのセクハラ」


勇者「いやすまん、ついなんとなく」

魔王「・・・まあいい。私は魔王ーーそう、魔族の王なのだ。何があろうともそれは変わらぬ」

勇者「何があった?」

魔王「・・・資格試験ってあるじゃない」


勇者「あるねー」

魔王「魔王一級の資格の試験問題を書店で見つけたから、ま、楽勝だろうと思って解いてみたわけ」

勇者「ふむ」

魔王「そうしたらさ、何あの問題! 『人間どもが逃げ惑っています。あなたの取るべき行動は? ①蔑む ②罵る ③踏み潰す』・・・」


勇者「・・・・・・。正解は?」

魔王「(目をそらす) ・・・言えねーよそんなん恐ろしくて」

勇者「・・・お前、あれだろ。ホラー映画とか怖くてみれないタイプ?」

魔王「! うっせええ!! いいだろちょっとくらい怖がりでも! 第一ホラー映画なんてなぁ、真昼にアイス食べながら見たら台無しなんだよ!」


勇者「そ、そうか・・・? 涼の取り方としては別に間違っていないような」

魔王「むきゃーっ! 俺はホラーなど認めん! 俺の日常が実はスプラッタだなんて言えない! それを思い出して眠れなくなるからだなんて言えないーー!!!」


勇者「魔王・・・」

魔王「なに、勇者」


勇者「勇者だって大変なんだぞ・・・? 命乞いする魔物を斬り捨てなきゃならん時だってある」

魔王「そ、そうだったのか・・・」

勇者「うむ。魔物だって生きているからな・・・・」



魔王「・・・・。」

勇者「・・・・・・・・。」



魔王「あ、オレンジジュース飲む? 冷えてるよ」

勇者「飲む」

魔王「アクア・ウィターエ飲む? MP MAXまで回復するよ」

勇者「飲む」

魔王「ポーション1年分とか要る? 株主優待で届いて使い途がない」

勇者「株主優待て」


魔王「色々あるよな。お歳暮が知らない人からもらえる感覚? 割引とか、商品の詰め合わせとかさ」

勇者「株て」

魔王「大事だろ、株。全面的に高い時期に買うと大変なことになるけど」

勇者「下降カーブを描いて値下がる一方」


魔王「もう底だろうと思いきや二重底!」

勇者「日経平均上昇!」

魔王「利益確定、売却だ!」

勇者「・・・魔王って何してる人?」

魔王「・・・いや、お金っていいよね」


   ◇


魔王「最近は暑さも引いてきたな」

勇者「セミの声が、過ぎ行く夏を耳に思い起こさせる」

魔王「うだるような熱風が、--実は夏はもう去り際なのだと知らせてくれる」

あとがき


この時点で、トータルの文字数が 大真面目に書いたファンタジー、「女王陛下のダンス・パーティー」の 1/2の分量になっていて吹きました。何事だっ!? 寝食忘れて書いてたモノとコレが同一かと思うと、創作の悲哀を想わずにはいられません。

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