33 勇者と魔王と側近とネコ
勇者「今日は巨乳について語ってみたいと思う。」
魔王「……。」
勇者「なっ、魔王? 手から半径30cm以内に巨乳があったらとりあえず揉むよな、なっ?」
魔王「なんでこの馬鹿が勇者なんだ!」だんっ!!
勇者「えー、揉むだろ、男だったら、普通」
魔王「勇者詐欺だ! クーリング・オフを要求する!」
勇者「……なにそれ。魔王は俺の乳に不備があると言いたいわけか」
魔王「なんでだよ、なんでそうなる!? 世の中には乳房が6つあって悩んでる人間もいるらしいぞ! 謝れ!!」
勇者「……そうかぁ、魔王は貧乳が好きかぁー、ふんふん」
魔王「なにその、俺は分かってるからねみたいな顔!!」
勇者「俺は分かってるからね」うんうん
魔王「……はあ。もう、どうでもいいか」
勇者「なんだと、魔王! そんなに簡単に夢を諦めるんじゃない! 諦めさえしなければ、夢はいつか必ず叶うん……だ、よ、うん。ほんとだよ?」
魔王「どうしたの、急に元気なくなっちゃって」
勇者「……俺さ、子供の頃、気球になりたかったんだ」
魔王「……ほう?」
勇者「毎日毎日努力したさ! 俺は頑張って気球になろうとした! ヘリウムも吸った! 火に炙られてもみた! ……だけどとうとう、俺は気球にはなれないままだ。……はっ、笑ってくれよ、魔王。こんな人間が勇者なんだ……、笑えるだろ?」
魔王「……まあ、いいんじゃね? 夢は夢のままのほうがいいってこともあるし……、その辺はさ、臨機応変に」
勇者「そうかなー。……ああ、気球になりたい」
☆
兵士A「大変です勇者様! 付近の村から魔王軍が盗んだパンツを被ってハダカ踊りをしていると報告が!」
勇者「マジか! そりゃあ大変だ! 盗んだパンツを穿いてフルマラソンするとどうなるか、俺が思い知らせてやる!」
村人「きゃあぁああ!!」
村人「たっ、助けてくれ……!」
村人「魔王軍だ……!」
部下A「フフフフ……。魔王城でお茶飲んでる僕らを見てるとわからないかもしれませんが僕たちだって立派に魔族らしいことくらいするんですよ……!」頭にボクサーパンツ
部下B「そうだそうだー!」頭にトランクス
部下C「どごーん、ばきぃっ! ぐしゃあ!」顔にブラジャー
側近「……フフフ、ハーッハッハッハ!! そう、逃げ惑い、恐怖と絶望に怯えなさい……! それこそがわたくしたちの望む人間の姿……!! ククク」顔にブラジャー その2
村人「うわあぁああ!!」
・・・・・・。
魔王「……なんで下着かね。しかも被るかね。側近の考えることはよく分からん」
部下A「魔王様ー! 僕、似合ってますか!? 赤いヒラヒラランジェリー!」
勇者「……何してんの。何の祭りだよお前ら。……、許さん。この俺を差し置いて楽しいことするなんて、絶っっっ、対に、ゆるさん」
部下A「勇者さん、怒りのポイントがズレてません?」
勇者「そりゃそうだよ! 街や村を襲い、人々の下着を奪い、あまつさえ被るとは……! そんな蛮行を俺が見逃すと思うのか!? 出てこい、魔王!」
魔王「俺はめんどいからただ見てた」
勇者「それもまた悪ッ!! 斬ッ!!」
魔王「……ふん。甘いぞ、勇者よ。この程度の攻撃で我を倒せると思ったか」
勇者「ぬぅおおおお、可愛いネコたん!」勇者は、ノラネコを装備した!
魔王「……ぐっ! 何……だと? 勇者を攻撃できん……! やめろ! ネコちゃんが可哀相だろ!? そんな持ち方しちゃダメ! ちゃんとクビの後ろを持つのだ!」
勇者「……えー、こう?」ぶらーん
魔王「! ちが……っ! ちげーよ馬鹿!! あああああ、ネコちゃん! もう! 俺に貸せ! ネコの正しい持ち方は、こう!」
勇者「えええ? だからこれでいいんだろ?」ぶらーん ぶらーん ぶらーん
魔王「違う! 尻尾を持ってぶら下げるな!」
勇者「……っるせえ! 魔王は神経質すぎるんだよ! 絶対オマエA型だ!」
魔王「魔王にAもBもOもねえっつんだよ!」
勇者「ああっ! ネコたん逃げたー!」
魔王「そりゃいかん! ネコちゃん! カツオ節あげるよー!」
勇者「マタタビもあるよー!」
魔王・勇者「「ネコ」たん~」ちゃーん、待ってー」
・・・・・・。
側近「……ふぅ」
部下A「側近様がやり遂げた顔してます」
側近「……帰りましょうか、我が家へ」
部下B「このブラジャーどうします?」
側近「戦利品として魔王城の城壁にでも吊しておきなさい」
部下B「このブルマは?」
側近「同上」
部下B「スクール水着」
側近「人間どもに我々の恐ろしさを思い知らせるという今日の目的は達しました。引き揚げますよ」
部下B「ラジャっす!」
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