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「ども、魔王です」「こんにちは、勇者です」  作者: 魔王@酒場
魔王様は玉座にて待つ。宅配便とかを。
25/162

25 勇者と魔王と、はつもうで

 1月18日に短編で投稿した「勇者と魔王とはつもうで」( http://ncode.syosetu.com/n5530bm/ )を連載分に再投稿しました。

 番号振り直すのが面倒だったせいなんです…。

 ずぼらは良くないですよねっ!?



 ちなみにこの話、勇者は振り袖なのか紋付き袴(!?)なのかはご想像にお任せ致します。

 皆様のイメージの中でこの勇者ってどんな顔してるのかな…(笑)

魔王城、最上階ーー

魔王「どうかな」

勇者「良いんじゃね?」


魔王「そうかな」

勇者「しつこいな。俺が良いっつったら良いんだよ。早くしろ」

魔王「仕方ないな。今日が明日になってしまっては意味がないからな」


勇者「そうそう。行くぞ、魔王ちゃん」

魔王「魔王ちゃん言うな。いくら本来の体が修復中とはいえ、貴様ひとりを屠るくらい訳はないのだぞ」


勇者「まじで? ツインテールのロリっ子に殺されんの? 俺。シュールだなあ」

側近「まあまあ。気をつけて行ってきてくださいね。留守は任せてください」


勇者「おう、行ってきます」

魔王「いってら~」


勇者「オマエも来るんだよ!」

魔王「うぎゃあっ! 振袖の裾が絡まって・・・ばたん」


勇者「クチでばたんとか言うな。訳が分からん」


   ☆


魔王「というわけでわたしたちは初詣に来ています」

勇者「お~、人ごみすっげ。俺の必殺技で一掃していいかな。この間新しい技覚えたんだよ。謎の老師様に教わった必殺剣の出番かな」


魔王「時々思うんだが、お前勇者の発想じゃないな、それ」

勇者「なんでよ。いいじゃん。勇者だって人の子なんだよ。人がわさわさいたら必殺剣のひとつやふたつ、使いたくなるんだよ。」


魔王「そういうものかねぇ。人がたくさんいたら楽しいじゃん。わくわくしてこねぇ?」

勇者「それも魔王の発想かな。どうなのオマエ」


魔王「いいじゃん。祭りとかイベントとか好きなんだよ」

勇者「イベント好きの魔王wwwww」


魔王「うっせえなぁ。平和がイチバンだって。やっぱね、俺はいつも思うわけ。分かる? この熱いシンパシィ」

勇者「わっかんねーなー、なら何で魔王なんかやっちゃってんの? 宿屋の主人にでも転職したら? 俺の知り合いに、後継者探してる人いるからさ」


魔王「まじで? いいなぁ、それ。宿屋経営かぁ」

勇者「・・・やっぱやめた」


魔王「なんでだよ、約束だろ。嘘つきめ」

勇者「まだ約束してないからいいんだよ」


魔王「・・・ちっ」


   *


勇者「ぱんぱん、っと拍手を打って一礼、も一度打って、一礼、っと」

魔王「・・・フッ、神だか何だか知らんが、わたしのほうが偉い」


勇者「そうかなー。お前に願い事するやつとかいんの?」

魔王「おう。三つまでだったら叶えてやるぞ」


勇者「願い事を無限に増やしてほしい」

魔王「うっしゃ。よかろう。それでふたつ目の願いは?」


勇者「そうだなー、さしあたり美味いもん食いたい」

魔王「よっしゃ叶えた。屋台で売ってたタコヤキだ。さあ3つ目の願いは?」


勇者「う~んうーん、ちょっと悩むな・・・。そうだ。じゃ、ピアノが欲しい」

魔王「ピ・・・、ピアノ? 弾くの? お前が?」


勇者「・・・うん。ダメかな。憧れなんだよ」

魔王「・・・まあ、いんじゃね? しっかし、勇者がピアノかー」


勇者「なんだよ。『ドレミの歌』くらい弾けるんだぞ」

魔王「そりゃたいていの人は弾けそうだが・・・」


勇者「うっせえな。『猫ふんじゃった』も弾けるぞ」

魔王「まじで? ところであの歌、歌詞覚えてる?」


勇者「猫踏んじゃった、猫踏んじゃった、猫・・・ふんじゃーふんじゃー踏んじゃった、以下繰り返し」


魔王「ああ、だよな。みんなそうやって覚えちゃう。やっぱなあ、原作者の意思を尊重しないと・・・」

勇者「うっせえ」


   *


勇者「わーい、タコヤキ~、リンゴ飴~、焼きそば~、もぐもぐ」

魔王「・・・うむ。射的か・・・」


勇者「おお、お前やってみれば?」

魔王「ようし、見てろ」

勇者「おお、見てるぞ」


魔王「風魔法! 最大出力!!」

勇者「・・・何やってんのお前。屋台がみんな吹き飛んじゃって・・・あーあーあー。竜巻の破壊力しらねぇの? 鉄板なんかべコベコよ。屋根は吹っ飛ぶし壁は削れるし・・・。お前、そりゃすげえのよ」


魔王「まあな。目の前で展開される地獄絵図を見りゃそりゃな」

勇者「やっべ、俺、勇者として災害救助活動してくるわ」


魔王「おお、大変だな、勇者というのも」


   *


勇者「リンゴ飴~、焼きトウモロコシ~、チョコバナナ~~♪」

魔王「・・・よく食うな、お前」

勇者「そりゃ、体が資本だしな」

魔王「・・・なるほど」


   *


勇者「ただいま~」

部下A「お帰りなさい! 勇者さん!! お土産はっ?」

勇者「・・・え」

魔王「あー・・・」


部下A「・・・なっ、無いんですかッ!!? ヒドイ!! それだけを心の支えに今日一日生きてきたのに!?」


魔王「・・・ほら、風船やるから」

部下A「ぺいっ!」バシッ


ふうせんは そらにとんでいった!

魔王「あ~・・・」

勇者「あ~・・・」


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