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「ども、魔王です」「こんにちは、勇者です」  作者: 魔王@酒場
魔王様は玉座にて待つ。宅配便とかを。
19/162

19 こたつ魔王はじめました。

部下S「……側近…様。電器店に修理に出していた魔王様がかえってきました」


側近「ようやくですか。それで、かねてから計画していた自爆装置は?」

部下S「搭載しました」


側近「目からビームは?」

部下S「無論です」


側近「背中から大陸弾道ミサイルは?」

部下S「当然です」


側近「よろしい。……クククッ、これで魔王が何をしようとすべてはわたくしの手の内……。アーッハッハッハ!!」


側近「ですが、魔王様のタイプがもう製造中止で、魔女っ子ツインテール・ロリ・タイプしかないと言われた時はさすがにどうしようかと思いました……」


部下S「部品の在庫があって幸いでした…」

側近「全くです」

魔王 inこたつ「は~~・・・、ぬくいわ」

側近 with みかん「まだ入ってたんですか。いい加減、こたつから出て村や町のひとつやふたつ、滅ぼしてきてくださいよ。


 寒くなってからこっち、どれだけ我が軍の侵攻が滞ってると思ってるんです。

 本来なら今頃、聖都レーゲンバウムを攻略して女神神殿の屋根の上に我が軍の旗がひるがえっているはずでしたのに・・・」


魔王「だって寒いのに家から追い出したら人間どもが可哀想じゃん」


勇者 inこたつ「そうだよ。可哀想じゃん。側近ひでぇ」

魔王「そうそう。鬼だよな、側近は。どうやったらそんなに残酷なことが思いつくんだか」


側近「くっ、魔王・・・、魔王めェエエエ!!!」


   *


側近「いつもいつもいつも勇者とつるんでだらだらとッ! あれが魔族の規範たる魔王だろうか!? そもそも長老どもがいけないのだ。瘴気が弱まって強い魔族が生まれないからといって魔力を濃縮した人工物を用意したりするから・・・! そもそも自我も意思もないはずではなかったのか! ええい、忌々しい! ただの道具の分際で!」

部下S「・・・・・・」


側近「いっそコタツごと粗大ゴミの日に出してくれようか・・・」

部下S「まず役所に電話して粗大ゴミを出すことを連絡しておきます。しかし、魔王様は分類上は不燃ごみである可能性が高いです」


側近「次のごみ回収日は!」

部下S「明日です」


側近「ヒャッハァ!! これでわたくしの時代が来ますよ部下S! 前祝いです! 盗んだボジョレー・ヌーボーで乾杯です!」


部下S「権力は人を狂わせます。・・・いいえ、本来もつ資質を、拡大します。側近様だって、堕落しないという保障はないのですよ・・・」


側近「いいえ、わたくしは公約は守りますよ! 選挙に当選した暁には、魔王城周辺のゴミのポイ捨てには罰金を設けます。さらにさらに~、違法駐輪は即日撤去! 環境の美化に努めます!」


部下S「人間どもはいかがなさいますか」

側近「冥王星辺りに捨てましょう」


部下S「予算が合いません」

側近「ケルベロスの餌にしましょう」


部下S「・・・それは致しかねます。私の可愛いケルちゃんがお腹をこわしたら、側近様が代わりに私のペットになってくれますか・・・?」


側近「なぜそうなるのですか。わたくしに首輪を付けて見せびらかしたい気持ちは分かりますがね・・・」フッ


部下S「もふもふじゃない側近様を連れて歩いても、惨めなだけです・・・」

側近「ま、まあいいでしょう。もふもふでないのは認めざるを得ませんからね・・・」


   *


魔王「コタツがない・・・だと?」

勇者「なんかさっき側近が来てスキップしながら片手で持ってったよ」


魔王「勇者、見ていたなら何故止めない!? 貴様、それでも勇者か!!」


勇者「最近自信ないわー。俺ってホントに勇者なのかな。英雄の子供として生まれ、将来を嘱望され・・・、しかし現実は厳しかった」


魔王「悩み出すな、うっとうしい」

勇者「はーー・・・。シルバー人材派遣センターに登録してこようかな」


魔王「なぜいきなりシルバーに行く?」

勇者「まずはハロワか。ああけど最近はなー、ネットで探すほうがぶっちゃけ効率良いわ。ただ、ハローワークって少々代わりダネの仕事とかもあってさ、酪農家の募集とかもあるよ」


魔王「・・・。何だろう、今まで、職の心配はしたことがなかったな」

勇者「魔王といえど考えとかないとな、そこは」


魔王「そうだな。いつかは定年退職するわけだしな」

勇者「年金だけだと厳しいだろ、やっぱ」


魔王「・・・おお、初心者歓迎。SEの募集だ。残業が週にたったの50時間! なかなかいいな」

勇者「どこ見てんだお前。」


魔王「首が3つあるドラゴン、ヒュドラの水耕栽培。初期費用100万ゴールドで、一億ゴールドの年収が見込めます!」

勇者「明らかに怪しいだろ」


魔王「ビニール袋に包んだ白い粉を飲み込んで刑務所に入るだけの簡単なお仕事です。時給一万円」

勇者「やめなさい」


魔王「あれもだめ、これも駄目。お前はどうしろというのだ!」

勇者「とりあえずさ、コタツはなくなったけど魔王の地位は失ってないだろ」


魔王「向こうで側近が部下を集めて演説を始めた」

勇者「総選挙か」


魔王「腹黒い一票をぜひよろしく」


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