17 ニャ!ニャ!ニャ!
もうなんか今回すみません。魔王のキャラ崩壊してます・・・。
いや元々・・・なのか??
魔王城の中庭に集められた兵士ーー多種多様の魔物たち。彼ら彼女らの顔は、一様に緊張に彩られていた。
魔物1「なんだろう…重大発表って……」
魔物2「ついにNo.2様が新魔王になるのかな…」
魔王「あー、親愛なる魔王軍の諸君。今日はよく集まってくれた。発表とは、他ならぬ私自身のことなのだ」
魔物たち「ごくり…」
魔王「私は今日1日、語尾に"にゃ"を付けてしゃべろうと思う!」
魔物一同「ま、魔王様!?」
魔物「そんな、あんまりだ」
魔物「早まらないでくれ、魔王!」
魔物「魔王様だけにそんな負担を強いるわけには参りません! わたくしもお供致します!」
魔王「みんな……にゃ」
魔物一同「魔王様ーー!! にゃ!!」
勇者「なにこの茶番劇」
部下A「またぞろ、例の占い師ですよ。魔王様、ゲン担ぎとか好きなんですよね」
部下B「星占いも欠かさずチェックしてるって、本当かよ」
部下A「魔王軍の最高機密です」
部下B「うはぁ……」
*
魔王「というわけで魔王ですにゃ」
勇者「あふれでるこの下っ端感。魔王の威厳も地に落ちたな」
部下B「ネームプレートを「獣人C」に変えといたら誰も気づかないかも」
魔王「そうかにゃ。ちょっとやってみよう」
→獣人C「魔王ですにゃ」
勇者「おのれ、魔王の名をかたる不届き者!!」
部下B「外見いつもの魔王様なんで、すごいギャップ」
部下A「猫耳つけてみませんか?」
魔王「にゃにをする! やめろ……にゃ!!」
猫耳魔王「……語尾が変わったくらいでこのもてあそばれよう……にゃんて恐ろしい…にゃ」
勇者「さて、満足したから帰るか」
魔王「…あれ? もう帰るの?」
勇者「ふん……語尾が"にゃ"の魔王など俺が相手をする間でもない……。そこいらの英雄気取りの冒険者にでも倒されるといい」
魔王「私に にゃさけをかけるのかニャ!」
勇者「さらばだ」
魔王「待て! 勇者ーー! ニャ」
部下A「そろそろ聞いていて辛くなってきました」
部下B「俺も……」
*
魔王「魔王ですにゃ」
勇者「まだ続ける気なのかにゃ。飽きにゃいにゃぁ」
部下A「部下Aですにゃ」
部下B「部下Bだにゃ」
王様「王様ですにゃ」
勇者「いたのか、国王」
王様「だっていつまで経っても勇者殿が魔王と戦わないから…。国民が税金の無駄遣いだってワシをいぢめるの…」
王様「だからワシがちょっと行ってパパーって倒して来るからって酒の席で言っちゃって…」
魔王「よかろうニャ。相手をするニャ!!」
まおうのこうげき!
王様に1のダメージ!
勇者「魔王、弱い…?」
部下A「語尾がニャなので呪文が詠唱できないんです」
勇者「ニャんだってーー!? 語尾程度のことで世界は救えたのかッ!!」
王様はかくへいきをつかった!!
魔王に50のダメージ!
部下A「何か今、放射能物質のマークが見えました…」
勇者「魔王ーー! 呪文を使えー!」
王様はアサルトライフルをつかった!
魔王に102のダメージ!
部下A「なんで核兵器よりダメージ入るんですか…」
勇者「仕方ない。魔王、この剣を」
魔王「装備できないニャ。そのくらい分かれニャ」
勇者「いい加減そのニャー外せ! 呪い装備かバカーー!!」
王様は拳銃をつかった!
パァン
勇者「魔王、魔王ーー!」
部下A「勇者さん、人間どもの前で魔王様の心配するのって立場的にどうなんです?」
勇者「貸した100ゴールド返してから逝けーー!」
ドタドタドタ
魔物兵士「魔王様ニャ!!」
魔物兵士「今お助けするニャ!!」
王様はグレネード・ランチャーで辺りを一掃した!
まもののむれはふきとんだ!
勇者「えげつねぇ、王様。」
魔王「…フン、人間どもの頭よ、その程度なのか…ニャ」ゴウッ
部下A「あぁあああ、魔王様が第二形態に」
勇者「それでも語尾を忘れない辺りすげぇな」
魔王「くらうがいいニャ!! 猫パーンチ!!」
まおうのこうげき!
王様はふきとんだ!
勇者「…王様、王様ーー?」
へんじがない。ただの王様のようだ。
勇者「息はしている」
勇者「今日はコレ連れて帰ります。もっと魔王城の警備、厳重にしとけよ」
魔王「任せるニャ」
*
魔王「はーー、占い師の言うことを聞くと、それまでにない未知の体験ができるな」
部下A「前向きにも程があります……」
*
*
*
魔王「ナマステー、魔王です」
勇者「アンニョン・ハセヨー、勇者です」
勇者「ところで、俺は褒められていいと思わないか。日々、世界を救うために頑張っている」
魔王「はーい、よくできまちたー」
勇者「魔王が…、俺を…、褒めた…だと?」
魔王「…なに、ハナマルとか欲しいのか?」
勇者「くれ」
魔王「…いや、その、なぁ?」
勇者「よこせー! 俺にハナマルをよこせー!!」
魔王「ゆ、勇者? 今日、疲れてないか?」
勇者「いいや、体調は万全だ! さぁ、遠慮なくハナマルを!!!」
部下A「ハナマルがゲシュタルト崩壊してますよ…」
魔王「誰か赤ペン買ってきてー」
勇者「赤ペン、ないのか、魔王城に」
魔王「世界征服に必要なアイテムに見えるか?」
勇者「見えんな」
部下A「ほら、魔法で召喚しましたよ、12色入りサインペン」
勇者「おー、さすが部下A、気が利くな。ほら魔王、まず青な」
魔王「俺に何さす気だよ…」
勇者「さあ!! 12色のハナマルを俺のほっぺたに描くんだ!」
魔王「…………。」
勇者「さあ!!」
部下A「…わぁ。魔王様が勇者さんにいたずらしてますー」キュキュキュ~
魔王「誤解招く、つってんだよ!!」
*
勇者「魔王に怒られた勇者です」
魔王「…いや。もう、嫁に行けない…」
勇者「ハナマル描いたくらいで落ち込むなよ!!」
魔王「お前のせいだぁあああ!? …なんで俺様が勇者に花丸など……!」
部下A「わぁ、よく描けてますね。だけど勇者さん、それ油性ですけど…」
勇者「魔物の血で拭いて落とそう」 ゴシゴシ
魔王「ちょ…、その血どっから」
勇者「そこのファイヤー・ドラゴンLv.52」
魔王「3日がかりで魔界から呼び出したのに!」
勇者「すまん、気が利かなくて」
あとがき
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