表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「ども、魔王です」「こんにちは、勇者です」  作者: 魔王@酒場
魔王様は玉座にて待つ。宅配便とかを。
10/162

10 勇者と魔王と、カーボン竹刀

勇者「魔王、覚悟っ!」


すばやい すり足、そして力強い踏み込み。


勇者「めーーーーんっ!」

魔王「……む。何だその戦闘法は?」


勇者「異世界の武術だ! 見ろ、この新品のカーボン竹刀!」チャキッ

魔王「化学合成品なのか天然素材の竹なのかはっきりしろ」


勇者「だからぁ、軽くて丈夫! ささくれません! ヤスリ掛け不要! お子様にも安心してお使い頂けます。

 さぁこれで魔王を倒す! うりゃぁああ!!」


   *


僧侶「魔王様と勇者がまた たわむれてますよ。何であんなに楽しそうなんでしょうね?」

盗賊「新品のカーボン竹刀だからに違いない。」


僧侶「おぉ! そうですよね。あたしも今日はラスボス戦なんでぇ、おろしたての勝負下着です!」

盗賊「……勝負の意味、違くね?」


僧侶「なんでですか? 今日の魔王戦は、人類の未来の幾末を賭けた一大バトルですよね? それが勝負じゃないって、どういう意味ですか盗賊。これ以上に大事な戦いがあるんですか盗賊? どうなんですか盗賊」


盗賊「……すいません、オレが間違ってました」

僧侶「分かればいいんですえへん! さぁ、魔王を倒しますよメ●ンテ!」


 どっかーーん


盗賊「……けほっ、けほっ。さりげなく自爆すんなこのバカーー!」


僧侶「なんでですか抱きついて自爆は最終決戦のお約束じゃないですか!! それをあたしにさせないなんて、盗賊は魔王の手先だったんですね!?」

盗賊「な、なんでだよ、オレはただお前の身を心配してーー」


僧侶「盗賊……」

盗賊「僧侶……」ミツメアウ フタリ


僧侶「あたしが羨ましいんですね!」

盗賊「は……? はぁっっ!?」


僧侶「自爆できるあたしがうらやましくて盗賊はそんな嘘をーー!」

盗賊「なんでだよなんで嘘って決めつける!?」


僧侶「あたしの頭がもげたって本当は盗賊は痛くも痒くもないんです!! どうしてそんな嘘をつくんですかっっ! ひどい、盗賊さん……」


盗賊「急に『さん』つけんな! …えー、皆さん、そーりょは、最終決戦の緊張のあまり混乱しているようです」


僧侶「してない!」

盗賊「してる!」

僧侶「してない!」

盗賊「してる!」


僧侶「してます~!」

盗賊「してませ……、あれ?」


僧侶「あはははは! や~い、ひっかかったぁ~」

盗賊「……クッ」


僧侶「あはははは! ばーか、ばーか、盗賊ばーか!」

盗賊「(なんだこの屈辱感…)」


   *



勇者「小手ェえええ!!」


審判「小手あり。二本先取で、勇者の勝ち!」

勇者「いゃったぁああ!! これで県大会進出だ!」


僧侶「やりましたよ勇者!! 団体戦で県大会に出場です!」

盗賊「…え。あれ? オレとそーりょは応援だよな。あとの4人って……?」


僧侶「魔王軍高校のチームは、先鋒、部下A。次鋒、部下B。中堅、四天王。副将、側近。主将、魔王!!

 対する我が勇者高校は、ですねぇ、先鋒、勇者。次鋒、勇者。中堅、勇者。副将、勇者。主将、勇者!! 

 どうです!? すごいでしょう!! 絢爛たるメンバー!」


盗賊「片一方だけ個人戦じゃねえか!! しかも4人がかりのとかあるし!!」

僧侶「ふふ~ん、人類最強の名は伊達じゃないんですよ。勇者に勝てる人なんてあたしくらいしか…」モジモジ


盗賊「勝つのかよ」

僧侶「気合いの問題なんですよ。勇者の弱点はーー耳!」


盗賊「おう! ……、耳??」

僧侶「ふふふー、勇者さんたら、耳が弱いんですよー。そこだけ鍛えてないんですね」


盗賊「……どうやって鍛えんだよ、耳筋(耳筋肉)を、よ」

僧侶「それは秘密ですよ。盗賊に教えるなんてもったいないです。

 耳腕立ての方法も、耳腹筋の方法も、耳呼吸の方法も、あたしと勇者だけのひみつです!」


盗賊「すでにそれは耳じゃない……」



インタビュアー「本日の勝利を飾ってみて、どうですか、感想は?」

勇者「そうですね…。私だけではここまでこられなかった! 応援してくれた皆さんのおかげです!」


ワァァアア


   *



僧侶「こんにちは、僧侶です」

盗賊「オレもこのノリに付き合わされるの? 盗賊です」


僧侶「ふたり合わせて~」

盗賊「……やだ、お前とは合わない」


僧侶「なんで目を逸らせるんですか盗賊!? いやぁああ、もう一度こっちを見てェええ!!」

盗賊「……なんで懇願する?」(笑顔)


僧侶「…なんででしょうね? …勢い?」

盗賊「まぁ、そんな所だろうね」


僧侶「ですよねー!(満面の笑顔) こんなふうにクールなところが、盗賊のいい所なんですよ。いっつもいっつもノリが悪くて、あたしのノリ突っ込みとか浮いちゃうんです」

盗賊「それは・・・、すいません」


僧侶「いえいえ~、いいんですよ。その分は勇者さんのするどい切り返しがありますからねっ」



僧侶「ではでは、本日はこの辺でっ!」

   *


次回は、コンビニで魔王。(・・・の予定です)


読んでくださった方、ありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ