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サウザンブレスに教えて  作者: アルティメット☆かずき
一章『奇跡の風』
1/3

『再生』

 それは、実に奇妙な感覚であった。

 体の内に秘めた決意が、強く望んでいた夢が、瞬く間に消え失せていくのだ。


 長い眠りから、覚めたというべきなのか。それとも、長い沈黙から解き放たれたと言うべきなのか。


 己が積み重ねてきたものが音もなく崩れた。身に着けてきたものが、意味を無くしていく。

 これが、喪失なのだろうか。これが、破壊なのだろうか。


 体の一部が不意に軽くなる。気付けば、穴が開いていた。

 時を歩み形造られ、完成されていた人の心に、穴が。

 この軽さは、心の形である感情が、まるでパズルのピースのように、開いた穴から音もなく抜け落ちていったのだと解釈すると、妙に合点がいく気がした。


「…………ぁ」


 声が掠れる。感情の発露すら、忘れてしまったからなのか。

 言葉で言い表すことが出来なくなりつつある身体が、全てを物語っている。

 深い眠りと沈黙は、たった一つの現実を切っ掛けに、なにもかもの終わりを告げた。


 その眠りで得たものは、何もない。

 その沈黙で得たものは、何もない。

 故に、残ったものは、価値の見出だせぬ木偶ただ一つだった。

 最初短編で出してしまいました。長編の間違いです。全五章です。よろしく!!!

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