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僕の返事を他所にフォックスは鍵を差し込み回すとドアノブを捻りながら引くと新しい案を出してきた。

「ワガママな奴だな…そうだ『アース』ってのはどうだ?」


フォックスがドアを開けると幾つもの電線から裸で下げられた電灯が青白く光っており地下でありながら眩しいくらいだった。


「何で『アース』なんですか?」

僕は唐突につけられた名前の理由が知りたかった。


フォックスの背を追って部屋の中へと足を踏み入れると足元には空瓶やティッシュのゴミが散らかっていた。


「いや殴られて地面に這いつくばってたのと、エレボスの住民だし底辺って意味も込めて地面、アースがしっくり来てだな…」


フォックスの悪口とも取れる命名を聞きながらも破れたソファに色褪せたローテーブル、ハンダゴテと鉄屑が乗った作業机、端には汚れの着いた洗い物が山積みのシンクが目に入った。


「フォックスさん…酷すぎません?」

僕はシンクとゴミに対して言ったのかフォックスの発言に対して言ったのか…自分でもわからなかった。


フォックスは鞄から紙箱2つと小さな巾着を取り出すと大事そうに作業台の上に置いた。


その後、僕の方に向きベッドの上に持っていた鞄を放り捨て、僕につい先程まで無かった自由を提示した。

「ま、好きな所に座れよ」


実際には座るスペースは無かった為、僕はゴミを拾い集めながら返事した。

「…はい」


フォックスは作業台に向いて手を擦り合わせると紙箱の中を覗きながら口を開いた。

「さてと…美人さんであってくれよ〜」


「それ何ですか?」

僕はフォックスが大切そうに扱っていた箱の正体に興味津々だった。

何故ならピアノ線を持ち歩きラフな服装で歩き回る生活に困らないこの男…フォックスの職業が気になっていたからだ。


「あー…コレはゴミだ」

フォックスは暫くすると大切そうに持ち帰ってきた紙箱二つを壁に向けて投げ捨てた。


紙箱は破れて中からヘッドギアの様なゴーグルの様な物が飛び出していた。


「そんな勿体無い…自分で買った物じゃないんですか?」

僕はそう口にしながら箱から飛び出したヘッドギアの様な物を箱へと戻して部屋の片隅に置いた。


「買う?…食う事もできねー石ころやゴミをか?」

フォックスは作業台のひきだしからルーペを取り出すと小さな巾着袋から宝石の様な物を取り出した。


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