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やはりジーラはそこに居た。
…暫く食べて無いのだろうか、ジーラは少し頬がこけていた。
幸い彼女の表情からは僕が思っていた程嫌がられては無い様だった。
「ジーラ!また来てゴメン!」
ジーラは小さく微笑み僕の謝罪をすんなりと受け入れてくれた。
「元気そうね」
僕はいいニュースをジーラに聞かせられると考え嬉しくてすぐに男の人の話をした。
「たぶんジーラの知り合いに会ったんだ、でジーラを探してくれって頼まれて…」
僕の話を聞いたジーラは眉間に皺を寄せ今まで見たことの無い様な表情で口を開いた。
「出て行って…」
僕は予想とあまりに反するジーラの態度にパニックになりながら質問をした。
「え!?何で怒るの?」
その問いにジーラは答える事無く荷物を持って外へ出て行った。
僕はジーラが何か勘違いしていると思って後を追いかけた。
「待ってよ!ジーラ!」
ジーラは振り返り軽蔑した目と声で僕を突き放した。
「わたくしの名前を軽々しく呼ばないでくださる?いくら貰ったか知らないけど、汚らわしい…」
僕はこの目を以前にも見た。
中華料理店の店主が僕に向けた目と同じ目だった。
そして、ジーラが視線を前に戻した瞬間…。
「おー、ビンゴ〜!」
「後着けてて正解でしたね、ヒュブリス様」
その声は僕の雇い主の声だった。
ジーラは黙り込み両腕を抱え下を向いた。
「手間かけさせやがって…おい、しょんべん女、早く行くぞ?」
「い…い…いや…」
ジーラは直前までの気丈に振る舞いから一変して震える声を漏らした。
「ああ?親父に習ったろ?しっかり喋れって?」
何か様子がおかしい…あの野犬相手にも怯まないジーラが怖がってる?
僕は仕事を失う可能性も頭に浮かんだが、かろうじて道徳心が勝り恐る恐る口を開いた。
「あの…ジーラ嫌がってませんか?」
男の1人が微笑んで僕に近寄りながら話した。
「おーこっからはもう大丈夫だ」
僕は男越しにジーラを見ながら返事をした。
「いや、なんか変ですよ!」
「ああ…残りの報奨金か?ご苦労様、残りの…報奨金だ!!」
ドスッ!
僕は腹を殴られて呼吸ができず跪いた。




