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第4話 「潜入!メイド喫茶(オムライス爆発事件)」



──午後3時・放課後。


ユウトは屋敷の玄関を開けた瞬間、全身の神経が「嫌な予感」のアラームを鳴らした。


「ただいまー……って、なんで玄関ホールが暗転してんだよ……」


《カチッ》


突如点灯する天井ライト。そして流れる怪しいBGM(戦隊モノの変身シーン風)。


「お帰りなさいませ! ご主人様ぁぁぁっっ♥」


「やめろぉぉぉ!? そのテンション何!? てかなんでスポットライトあるの!?」


玄関中央でポーズをキメていたのは、当然この女──


「鉄拳家事戦士! サッちゃん、只今帰還いたしましたっ!」


「お前の任務ってなんだよ!!」


ユウトがカバンを投げ捨てるようにソファへ座ると、KAINの電子音声が入る。


《ご主人様、本日もお疲れ様でした。なお、メイド殿の様子は本日朝7時より“異常ハイテンションモード”が継続中です》


「お前も何気に毒舌よな……」


「ふふふっ♥ というわけで! 本日は新たなミッションをご用意しておりますっ!」


「お、おう……(嫌な予感しかしない)」


【任務概要:喫茶店 潜入作戦】


サッちゃんが取り出したのは1枚のチラシ。


《激萌え♡メイド喫茶『スイート・ラブリー』本日限定サービス中!》


「なにこれ……まさか、そこ行けって言わないよな……?」


「正解っ♥」


「えぇぇぇぇぇ!?」


サッちゃん曰く──最近そのメイド喫茶に、正体不明の“強化メイド”が出没しているとの報告があるとのこと。


「放っておくと、メイド社会の秩序が乱れますっ!」


「いやそんな秩序初耳なんだけど!?」


【変装タイム】


「というわけで、ご主人様も変装しましょう!」


「なんで俺までぇ!?」


数分後──


ユウト:「これ……似合ってる?(メガネ+黒エプロン姿)」


サッちゃん:「最高ですぅ♥ これが萌え男子の完成系っ!」


「頼むから外ではそのテンションやめてくれぇ……」


【喫茶店『スイート・ラブリー』】


街中の喫茶店に到着すると── 看板からしてピンクのハート、店内は完全に“メイド文化の聖地”だった。


店員「いらっしゃいませ〜! ご主人様、お嬢様ぁ〜♥」


ユウト(ヒエッ……場違い感ハンパない……)


「本日から新人メイドとして入りましたっ! サッちゃんって呼んでくださいね〜♥」


「なんで働いてんの!?」


「潜入とは! 現場に入り込むことから始まるのですっ♥」


「いや変装どころか堂々正面突破じゃねーか!!」


【激震の厨房】


「お帰りなさいませ〜〜っ♥ 本日も愛を込めて、オムライスをご用意いたしますぅぅぅ♥」


「わ、わあ……なんか迫力がすごいね」


「では、ご主人様のために! 爆裂・愛の波動弾を注入っ!!」


\ドゴォォォォンッ!!/


ユウト「爆発してるーーっ!? ケチャップで何したのっ!? 火薬入ってないよな!?」


サッちゃんがオムライスに“愛”を込めすぎた結果、厨房の電子レンジがオーバーヒートして、天井が少し焦げる。


店員「えええ!? え? 消防!? いや、でも萌えセーフ……?」


ユウト「セーフじゃねぇぇぇぇ!!」


【客の反応&ラブコメターン】


お客「メイドさん、もしかして彼氏と来てんの?」


ユウト「は!? ち、違っ──」


サッちゃん「ご、ご主人様は……わたしの大事な……」 (※ほっぺた真っ赤)


サッちゃん「べ、別にそーゆーのじゃないですけど!? いずれ、そうなる可能性があるかも……でもそんな未来が訪れるかどうかは世界の命運と──ああもうううっ///」


ユウト「どっちだよ! っていうか長い!!」


店員(あれ? なんかラブコメ始まってない?)


【椎名リナ、華麗に登場】


「いらっしゃいませ、ご主人様。こちらへどうぞ」


低く美しい声が、店内の空気を切り裂く。


ユウト「……ん?」


そこに立っていたのは、紫のチャイナ風メイド服に身を包んだ美女──椎名リナ。(副店長という設定で潜入中)


「……黒百合の後継。ずいぶん派手にやってるわね」


「え、知り合い? というか誰!? なにその“バトル漫画の強キャラ感”!?」


リナ「あなたの仕草──独学ね。フォームが甘い」


サッちゃん「ふふ……萌えは“魂”ですっ♥ そんな浅い理屈じゃ測れませんよぉぉぉぉ!!」


→ 両者の間にビリビリとした“火花”が走る。


【接客対決スタート】


オーナー「え? なんか……バトル始まってない? まあ面白そうだからいっか」


接客バトルは即席イベントとして開催され、店内は奇妙な熱狂の渦に包まれる。


・リナは洗練された所作と完璧な紅茶サービス ・サッちゃんは全力の愛をこめたハート型ご飯で勝負


\どっちも方向性おかしい!!/


【再びオムライスが爆発する】


「次は……私の“萌えオムライス・奥義”で勝負ですっ♥」


サッちゃんが厨房に突入した瞬間──


ユウト「ま、待て! あれはもうやめたほうが──」


サッちゃん「“魂のケチャップ・ボンバーラッシュ♥”いっきまーす!!」


\ドォォォンッ!!/


まさかの2度目の爆発。


天井が抜け、厨房が真っ白な湯気と煙で包まれた。


客「オムライスってこんな爆発力あるの!?」 店員「いや無いです。絶対に無いです」


リナ「……やるじゃない。狂気の度合いでは負けたかも」


サッちゃん「えへへ……♥(なぜか勝ち誇ってる)」


ユウト「いやそれ、誇っちゃダメなやつだからな!!」


【リナの言葉】


「……黒百合の“意思”、まだ燻ってるようね」


ユウト「……? 黒百合?」


リナ「次は、本気でいくから」


──そう言い残し、リナは喫茶店の裏口から消えていった。


【メグミの観察】


その頃。通りすがりの商店街の角から、こっそり様子を見ていた生徒会長・メグミ。


「……あの爆発音、絶対おかしいでしょ」 「やっぱり朝比奈くんの屋敷、ただの資産家の家じゃない……」


ユウトの秘密に、彼女の好奇心がじわじわと灯り始めていた──。


【オチ&ラスト】


サッちゃん「ご主人様〜♥ 今日の任務、完遂しましたぁ♪」


ユウト「店、壊したけどな」


KAIN《なお、被害総額:110万円。民間和解により“萌え責任保険”が適用予定です》


「そんな保険あるのかよ!!」


ABEL(通信)《ユウト様、次回任務のために車内を“耐火仕様”へ変更中です》


ユウト「もう予告が怖い!!」


サッちゃん「次回は〜、“フライパン爆裂任務”ですっ♥」


ユウト「また爆発すんのかよおぉぉ!!」


──ラブコメは、今日も物理と共に炸裂する。


【第4話・完】





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