第19話「チャイナメイド最後の切り札」
朝比奈邸のリビングに、ありえない角度から“人”が落ちてきた。
「……っしゃあぁぁぁぁーっ!!」
天井の換気口がガタンと外れ、長身の影がくるりと一回転してソファの背もたれにピタッと着地する。黒ジャージにポニーテール、腰には苦無のホルダー。腕には新聞部(仮)
その姿勢だけは満点だが、換気口は見事に曲がっていた。
「黒百合第参偵察班、くノ一─風間ノア、任務により参上!」
ユウト「はい天井弁償確定〜ってか昨日の今日で懲りない奴だな」
サッちゃんは目を輝かせて拍手を送る。
「ノアさん! 今日も登場から全力ですねっ!」
ノアは胸を張り、真顔で言い放った。
「二名の脱走メイド──コード“ハリケーン・ドール”と“朱雀”の連れ戻し命令。従わない場合は、強制送還と言われている」
「脱走じゃなくて“円満退職”よ。昨日解決したんじゃなかったかしら」とリナが即座に訂正した。
ノア「ぐぬぬ…わたしも好きで来たわけではないのだ」
どうやら、ノアは本気で連行しに来たわけではなかったらしい。
彼女が取り出したのは、黒と紅の紋章が押された招待状だ。
「本日、黒百合本部にて“儀式試合”が執り行われる。
そこで、お前たちの現状を“公式に”確認する。ついてこい」
リナが封を開け、さらりと目を通す。
「……要するに“黒百合OB・研修お披露目会”。
こっちの身柄を勝手に引き戻せる権限は、書いてないわね」
「ぐっ……細かい……」ノアが眉をひそめる。
サッちゃん「でも、儀式試合自体はちゃんと公式イベントみたいですよ? ご主人様の安全が確保されるなら、見学はアリかと!」
「“安全が確保されるなら”の部分が怪しすぎるんだけどな……」とユウトがぼやき、
その背後でKAINが淡々と付け足す。
《黒百合本部からの回線接続確認。主催責任者:灰島ツバメ。安全管理監督:須賀カオリ》
リナ「……ツバメさんとカオリ先生がいるなら、最低限のヘルスチェックは担保されるわね」
ユウト「行くのかよ。何されるかわからないぞ」
「行きますっ!」とサッちゃんの返事は早かった。
黒百合本部・円形闘技場
朝比奈邸からヘリコプターで2時間目隠しをされて到着したのは、地下に広がる円形アリーナ。
中央には丸い演武台、その周囲をぐるりと観客席が取り囲んでいる。
天井からはリングライトと布飾りが下がり、全体は派手だが、通路にはしっかりと避難誘導灯が並んでいた。
ユウト「本格的な地下闘技場じゃないか、怖すぎる」
「いらっしゃい、朝比奈チーム」と出迎えたのは、落ち着いた笑みの灰島ツバメ。
完璧なエプロン姿に、今日は黒百合の徽章をさりげなく差している。
ユウト「前にうちに来たメイドさん、関係者だったのか」
ツバメ「本日の家事……じゃなかった、儀式試合の全体監督を任されています。
あなたたちが“今の場所”を選んだこと、黒百合側も正式に確認したいの。他意は全くないわ」
その隣で腕を組んでいるのは須賀カオリ先生だ。
「私は安全担当だ。今日の儀式試合を無事に終わらせるのが仕事。
お前らが屋根を吹き飛ばす気配を見せたら、その前に止める」
ユウト「発言がピンポイントすぎるんですよね……フラグじゃないですか」
さらに、ステージ裏からひょこっと顔を出したのは、
ふわふわのツインテールにマカロン色のフリルドレス、しかし目つきは鋭い。
「黒百合広報兼パティシエ、マリー・マカロンよ♥
今日はノアと“タッグ任務”なの。
元同僚の評価と、“連れ戻し”のチャンス、両方ゲットしちゃう予定〜」
ユウト「あれっこの間料理番組で対決した人…この人も戦うのか」
サッちゃん「彼女は成績優秀でした。まさか料理ができるとは思わなかったですが…」
マリー「サーシャ、さりげなくディスってんじゃねーよ!こちとら訓練生時代は一回も勝てなかったからな。ぜっっっっっ対に負けん!」
ノア「私は任務遂行。リエゾン任務以上、情け無用よ。
情に流されることなき、黒百合の刃──」
「はいはい、堅い堅い」とマリーが肩をつつく。「笑顔、ゼロ〜。広報映えしない〜ちょっとだけ険悪になったけど、楽しみましょ」
この時点で、ポンコツの香りが大気に漂っていた。
儀式試合は、観客へのお披露目を兼ねた演武ショーとして進行するという。
第1部、「黒百合式・招待メイドの実力拝見コーナー」。
最初のカードは、ノア 対 サッちゃんの“デモバウト”。
「ルールは簡単。観客を一人も怪我させないこと。派手さは歓迎だけど、壊したら自分たちで直してね」とツバメ。
カオリが眼鏡を押し上げる。
「観客の安全を守れないなら、お前らに“居場所”はない。それだけは覚えておけ」
ゴングが鳴る。
ノアは風のように駆け、袖から苦無──ではなく、布製の安全短刀を取り出す。
「“影縫いのノア”の名にかけて、確保する!」
「⁉」「はいっ、確保〜!」
サッちゃんはそのままノアの突進を胸ぐらキャッチ。
重心をさくっと入れ替え、見事な一本背負……になりかけたところで、観客席との距離を見てブレーキをかける。
「うりゃっ、当て身モード〜!」
ぱしん、とノアの肩甲骨あたりに軽い当て身を打つ。
ノアの身体が変な角度で固まった。
ノア「な……なにを……!」
サッちゃん「筋肉が“カチコチさん”になってましたから、ゆるめましたっ♥」
観客席から笑いが起きる。
ノアは完全にペースを崩され、足元でつまづきそうになりながらも、意地で踏ん張る。しかし円形フィールドの周囲の風が気になってしまう。
ノア「ふ、不覚……! だが、任務は任務……!」
「はい、任務優先しすぎてカンペ読んでないタイプね」とマリーが冷静に突っ込む。
その間にも、サッちゃんは転びそうなノアの肘を支え、
客席に向かって手を振る余裕さえ見せる。
ツバメ「皆さま、本日のくノ一さんも安全にイジられてます」
ノア「誰がイジられ枠だ!」
会場はすっかり笑いに包まれて平和な空気になっている。
ノアが観客席の笑いに押されて顔を赤くしたあたりで、第1部は一旦終了した。
ふと、リナが目を細めた。
(……床下の風、妙ね)
演武台の上では、ノアの踏み込みに合わせて、ふわりと“上昇気流”が起きている。
観客には涼しい風に感じられるかもしれないが、もう少し強ければスカートも小物も舞い上がる。
「KAIN、床下の気流をスキャンして」
《演武台中央下に異常な気流パターン。
“受動板”に見せかけた、気流増幅機構と思われるユニット、結晶反応あり》
「……まずいわね。黒百合は把握してないのかしら。それともこれが目的?」
リナは、胸元のボタンに軽く触れ、深く息を整えた。
リナ「ツバメさん。朱雀フォーム、使うわよ」
ツバメが瞬きひとつ分だけ目を見開き、やがて頷く。
「了解。観客席のシールド、上げます。
あなたの“本気”を、正式に見せる時が来たわね」
カオリも腕を組み直す。
カオリ「何を始める気かはわからんが、止める準備はできてる。その代わり、遠慮はするな」
場内アナウンスが流れる。
《黒百合式・招待演武、第2部。OB 椎名リナによる“朱雀演武”を開始します》
照明が一度すべて落ち、暗闇にざわめきが広がる。
やがて、円形闘技場の中央だけに、赤みを帯びたスポットが灯った。
その真ん中に、チャイナ風メイド服のリナが、静かに立っていた。
マリー「……来たわね、“チャイナメイドの切り札”。総合力ならサーシャよりリナの方が厄介よ」
ノア「……」
ツバメが観客席の後方で、小さく息を呑む。
カオリは腕を組み、じっと演武台を見据えていた。
カオリ「リナ。安全基準は共有済みだな?」
リナ「照明・客席側は絶対に巻き込まない。壊すなら、演武台の上だけにするわ」
カオリ「よし。ツバメ、いつでも止められるようにバリア準備」
ツバメ「了解。非常フィールド、スタンバイ」
リナはひとつ、息を吐いた。
その瞬間、袖口と裾の刺繍がふわりと朱色に光る。
「——“朱雀フォーム”」
足元で、風が反転した。
さっきまでノアが足を取られていたいやな上昇気流が、今はリナのステップと同じリズムで脈打ち、
彼女の動きを“押し上げる”のではなく“押し返す”ように、足裏に力を返してくる。
円を描くように、リナが一歩踏み出す。
スカートのすそが炎の尾のように翻る。
観客から「あ……」という小さな感嘆の声が漏れた。
ノア「なにあれ……」
ぽかんと口を開ける。
マリー「気流を“読む”どころじゃないわね。風と手を組んで踊ってるっていうのが正しい表現かしら」
だが、その風はきれいなだけでは終わらなかった。
演武台の中央あたりから、明らかに異様な圧が上がっていく。
さっきとは比べ物にならない、暴風の芯のような気配。
《床下ユニットからの風量、さらに増加。結晶側が“対抗”してきています》
KAINの声がリナのイヤーピースに届く。
「やっぱり……こっちが主導権を取ろうとすると反発するタイプね」
風が螺旋を描き、リナの足元から真上へと吹き上がろうとする。
普通なら、真上に吹き飛ばされて終了——のはずだった。
リナは、その一瞬の“吹き上げ”のタイミングに合わせて前へと跳んだ。
「っと……!」
まるで見えないステップを踏むように、風の段差に片足を乗せ、
空中で身体をひねって逆蹴りを振り下ろす。
その軌道に合わせて、風の柱が横へずれる。
観客の髪がふわっとなびくが、ツバメの操作した防御フィールドに弾かれて、風圧はそこで殺された。
「客席側、風圧ゼロ。ギリギリね」とツバメ。
カオリ「ギリギリ攻めんのやめろと言った覚えは……いや、あるな。毎回あるな」と額を押さえた。
さらに、上部の照明リグが不穏な音を立て始める。
《警告。照明支柱のひとつに共振。ボルト緩み 62%》
「いやな数字だな……」ユウトがつぶやく。
リナはターンの合間に天井をちらりと見上げる。
リナ「サッちゃん!」
サッちゃん「はいっ!!」
次の瞬間、風が天井の照明を揺らし——
金属音とともに、一本の照明バーが演武台の端へと傾いた。
落ちる——その瞬間には、もうサッちゃんが動いていた。
サッちゃん「メイド式・衝撃吸収〜っ!」
彼女は走り込みながら巨大モップを地面に突き立て、その柄をてこの支点にして自分の身体ごと跳ね上げる。
空中で半回転しながら、落ちてきた照明バーを胸と両腕で抱え込み、ぐるんと受け身を取りながら床を転がる。
サッちゃん「セーフ!!」
観客から拍手と笑いが同時に起きた。
誰も怪我はしていない。照明も、バー部分の曲がりだけで致命傷ではなさそうだ。
カオリ「……お前なぁ。毎回ギリギリで受け止める芸風どうにかならんのか。今のは簡単に処理できただろう」サッちゃんが手を抜いているのもお見通しだ。
サッちゃん「ギリギリだから燃えるんですよっ! 安全燃焼ですっ!」
彼女の笑顔が眩しく光っている。
だが、まだ終わりではなかった。
演武台の下で、風がさらに唸る。
今度は一点集中ではなく、演武台全体を持ち上げるような嫌な揺れ方だった。
KAIN《結晶が、演武台ごと“浮かせよう”としている。
このままだと、台座が傾きます》
マリー「まずい、演武台が傾いたら、観客側へ滑り落ちる……?」場内がざわついた。
「リナ。そっちで抑え込めるか?」カオリ。
リナ「風そのものは抑え込める。……でも、“台座”の方は無理よ」
カオリ「物理担当は?」振り向きながら叫ぶ。
サッちゃんが胸を張る。
サッちゃん「はいっ、物理バカ担当ですっ!!」
「自覚あるんだ……」ユウトはちょっと感心してしまった。
リナの動きが変わった。
それまで流れるような舞に近かった動きが、一気に“打撃”のテンポに変わる。
掌底が床を打ち、足さばきが正確に四隅を刻み、風の向きを一歩ずつ“塗り替えて”いく。
ノア「一体何を…四隅の“節”を取ってる……?」
ツバメ「黒百合内部でも、あれをできるのはリナぐらいよ」
台座の四隅、それぞれに風の渦が立ち上がる。
リナはそこを一つ一つ、掌打で“はじき”、風の芯を中央に集約させていく。
リナ「全部、真ん中に来なさい」
最後の一歩で中央へ踏み込むと、足元の風がぶわっと立ち上がった。
同時に、観客席側から見れば、演武台が一瞬だけふわりと浮いたように見える。
だが実際には——
リナ「今っ!!」
サッちゃんが台座の下に滑り込み、両腕と肩、背中を使って床下の補助梁をガシッと抱え込む。
サッちゃん「あッッッッついですけど! がんばりまーす!!」
カオリ「サーシャ、それ以上持ち上げるな! 支えるだけでいい!」
サッちゃん「了解ですっ!! 支えるだけ支えますっっ!!」
演武台の揺れが、じわりと収まっていく。
リナはその上で、風の柱を真上ではなく、真下へと叩き落としていた。
リナ「“上”は客席。落とすなら、“下の結晶”だけ」
掌が床を打つたびに、風の流れが変わる。
風が下へと流れ込んでいく感覚と同時に、床下から甲高い金属音が響いた。
KAIN《気流増幅板の固定ボルトがせん断。ユニットが露出しました》
リナ「よし……サッちゃん、あと5秒抑えて」
サッちゃん「5秒なら、気合いでいけますっ!!
ワン・ツー・スリー・フォー・ファイヴーーーーッ!!」
どうにか耐え抜いたところで、風が一気に抜けた。
演武台の揺れが止まり、場内に安堵のため息が広がる。
リナは膝をつき、そのまま床板に手を滑り込ませた。
リナ「ツバメさん、床下アクセスお願いします」
ツバメ「開けます」
縁が静かに上がり、メンテナンス用の開口部が姿を見せる。
中には、ひしゃげた金属板と——淡く光る小さな結晶。
リナ「……見つけた」
サッちゃんがすかさず手を伸ばす。
サッちゃん「細いところは、また私の指の出番ですねっ!」
リナ「今度は熱もあるから絶縁グローブに加えて耐熱カバーも——」
サッちゃん「もちろん二重装備完了ですっ♥」
ヒュッ、と指が滑り込み、コツンと音を立てて結晶がつまみ上げられる。
リナが差し出した耐熱ケースの中で、《FLOW-λ》はおとなしく光を弱めていった。
儀式試合は、大きな事故もなく終わった。
観客は立ち上がり、拍手を送っている。
そのほとんどが、「すごかったね」とか「風、ほんとに見えた」などと笑顔で話していた。
ツバメがマイクを取り、穏やかな声で締めくくる。
ツバメ「本日の儀式試合は、これにて閉幕です。
特に、招待メイドお二人には感謝します。
──派手でありながら、誰ひとり怪我させない見事な演武でした」
観客席の一角で、ノアが腕組みをしたまま黙っていた。
やがて、ぽつりと漏らす。
ノア「……負けたな」
隣のマリーがいたずらっぽく笑う。
マリー「何に?わたしなんて出番なしよ。せっかく休日返上で来たのに…」
ノア「プロの“筋”に、だ。
私は任務任務って突っ走って、観客の顔すら見ていなかった」
マリーは肩をすくめる。
マリー「ノアはね〜、“任務”の字を背中に彫ってそうなタイプだから。
でもさ、今日の観客たち見てみなよ。
誰も怖がってない、“また見たい”って顔してる」
ノアは少しだけ躊躇い、視線を演武台に向けた。
リナはまだ中央に立っていた。
観客に軽く一礼して、最後まで背筋を崩さない。
その姿を見て、ノアはやっと認めたように小さく笑う。
ノア「……あれが“プロフェッショナルの矜持”ってやつか」
控えエリアに戻ると、サッちゃんがノアに飛びついてきた。
サッちゃん「ノアさん、さっきの踏み込み、とってもキレがありましたよ!
途中で私に“当て身解除”されちゃいましたけどっ!」
ノア「解除されなければ、完璧だったのだ……!」
サッちゃん「でも、解除されたから観客さんが笑ってくれましたよ?
“任務も大事ですけど、笑顔も戦果”ですからね」
ノア「……笑顔も、戦果」
ノアはその言葉を、ゆっくり噛みしめるように繰り返した。
リナがタオルを肩にかけ、二人のところへ戻ってくる。
リナ「あなたたち、いいコンビよ。
突っ走るノアと、ポジティブ馬力のサッちゃん。
……だからこそ、私みたいな“しっかりブレーキ役”が必要になるわけだけど」
ユウト「自分で言っちゃうんだ。でも…」
「事実だもの♥」とリナは微笑んだ。
ツバメとカオリが近づいてくる。
「総評」とツバメ。
「椎名リナ。
黒百合の名を汚すどころか、安全運用の最高水準を見せたわ。
所属先が朝比奈家であることを、正式に承認する」
カオリも頷く。
「サーシャもだ。
腕力バカだが、ちゃんと“押さえるところ”は押さえている。
今日、誰一人として怪我人が出ていないことが、何よりの証拠だ」
「あ、バカは余計ですっ!」サッちゃんはむっとするが、その顔もすぐに笑顔に戻る。
ノア「……任務報告を訂正する」
一同が彼女を見つめる。
「“脱走メイドの連行”ではなく──
“現任務環境での活動確認、および継続許可”と。
……悔しいが、それが正しい」
マリーが満足げに手を叩いた。
「はい、これで報告書もバッチリ〜。
広報的にも、“黒百合OBが外でプラスの評判を出してる”って超おいしいからね」
帰り際、ノアはそっぽを向いたまま、ぽつりと言った。
ノア「……その……朝比奈邸、今度偵察も兼ねて行く」
「遊びに、ですよね?」サッちゃん。
「偵察も兼ねた、遊びだ。
任務の範囲内だ」
サッちゃん「はいっ、任務に忠実な残念忍者さんも大歓迎ですっ!」
ノア「誰が残念だ!」
笑い声が、さっきまで暴れていた風の名残をやさしく押し流していく。
結晶《FLOW-λ》は、耐火ケースの中で静かに光を弱めながら、
新たな“事件”の予告のように、ほんの一瞬だけチカリと点滅した。
その光に気づいたのは、リナだけだったが——
彼女は、何も言わずにケースを抱え直した。
「……ま、片づけるたびに、私の“仕事”が増えるだけね」
そうつぶやき、きっちり者のチャイナメイドは、
今日もまた一つ、自分の“プロとしての役割”を更新したのだった。
(第19話完)




