第10話「伝説の家政婦、襲来!サッちゃん最大の試練」
静寂の朝、破られる平穏
朝比奈家のダイニング。
ユウト「……ん〜、眠……って、あれ? なんか今日、静かじゃない?」
KAIN《本日は来客予定のため、サッちゃんが早朝から“ガチ掃除”モードに移行しています》
ユウト「え、そんなモードあったの!?」
メグミ「……ほんとだ、なんか今日はホコリっぽくない。床もツルツルだし……」
サッちゃん「むむむむむ! ここにチリ発見っ! アルティメット拭き拭きっ!!」
リナ「……張り切ってるわね。何があるの?」
KAIN《ご報告:家政連合JMKより査察官様の訪問が予定されております》
ユウト「……なんかまた、ろくでもないことが起きそうな予感……」
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査察官降臨
ピンポーン……
サッちゃん「ご来訪ありがとうございますっ! 本日は……って、ええええ!? あの灰島ツバメ様!?」
灰島ツバメ「初めまして、朝比奈邸の皆様。本日は査察を兼ねた滞在になります。よろしくお願いします」
スラリとした体躯に完璧な身だしなみ、柔らかな微笑。
KAIN《灰島ツバメ、JMK家政ランクS、全項目オールマイスター認定者》
メグミ「めっちゃキレイな人来た……」
リナ「見た目だけじゃないわよ、この人。あらゆる家事スキルにおいて、国家資格を持つリアルレジェンド」
サッちゃん「なぜ灰島様がここに!?(汗)」
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家政バトル三番勝負!
KAIN《本日限定:家政スコア測定システム起動》
【第一戦:掃除対決】
場所:リビング
ツバメは静音掃除機と抗菌クロスを巧みに操り、わずか10分でリビングを「ホテル仕様」の清潔空間へ。
KAIN《ハウスダスト濃度:基準値の1/100。清掃完了までの平均時間:記録更新》
サッちゃん「ならばこちらもっ! テッケン回転掃除機、発進っ!」
──ガガガガッ! バキィィィン!
ユウト「おい、天井砕けたぞォォ!!」
リナ「それ掃除じゃなくて内装破壊よ……」
KAIN《損害推定額:230万円》
【第二戦:料理対決】
場所:ダイニングキッチン
ツバメは出汁から丁寧にとったスープ、低温調理されたチキン、彩り豊かな副菜を添えたワンプレートを披露。
メグミ「カフェみたい……てか、三ツ星並みじゃんこれ……」
サッちゃん「ふんっ! 火力が全てですっ!」
──ドォンッ! ブオォォ!
サッちゃんの料理:丸焦げのトマトと黒煙をまとうナス
ユウト「いや、調味料をロケットで発射すんなぁぁ!!」
KAIN《味覚評価:刺激値過多。判定不能》
【第三戦:洗濯対決】
場所:屋外ウッドデッキ
ツバメの洗濯物は日差しに当たり、風に揺れながらほのかなラベンダーの香りを漂わせる。
ツバメ「紫外線による繊維ダメージも考慮しています」
KAIN《香り指数:A++/皺処理率:99.8%》
サッちゃん「私もやりますっ!」
──ジュゥゥ……バチバチッ……
ユウト「アイロンが服を燃やしとる!?それ炭じゃん!」
KAIN《布地の繊維が消失。分類:遺灰》
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揺れる心、仲間の声
夕方、廊下の隅。
サッちゃん「私って……ただの物理破壊メイド……なのかも……」
リナ「バカ言わないで。家事は“効率”じゃない、“思い”でしょ」
メグミ「ユウトの顔見てみなよ。ちゃんと伝わってるって、アンタの気持ち」
ユウト「……サッちゃん、いつもありがとな、でも査察官様は完璧だな」
サッちゃん「……ぐすっ……リナ様、メグミ様、ご主人様ぁ……」
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お弁当でリベンジ!
翌朝。
サッちゃん「これが、私の……愛情弁当ですっ!」
灰島ツバメ「私も、用意させていただきました」
【ツバメ弁当】色とりどりの野菜、丁寧に巻かれた卵焼き、主菜と副菜の完璧なバランス 【サッちゃん弁当】──タコさんウィンナーがなぜか20匹、型崩れした卵焼き、ユウトの好きな唐揚げが山盛り
ユウト「えっと……どっちも美味しそうだけど……俺、サッちゃんの弁当の方が好きだな」
サッちゃん「ご、ご主人様ぁ……っ♥」
ツバメ「……完敗、ですね」
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理解と感謝と教え
いよいよ別れの時、ツバメが去り際に。
ツバメ「あなたの“家事”……確かに未熟ですが、強い想いが込められている。それは、私にはなかったものかもしれません」
サッちゃん「い、いえ! わたしも、これからもっと努力して──絶対“家事もできるメイド”になりますっ!」
(ツバメがふと振り返る)
ツバメ「それと──ひとつ、メイドの極意を。家事とは、命令や義務ではなく、“生きる人を支える愛”のかたち。忘れないで」
サッちゃん「……はいっ!」
ユウト「最初に戻ってる気がするんだけど……でもまぁ、がんばれ……」
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◆次回予告: KAIN《次回、社会科見学で向かった先は──伝説のゴミ屋敷!? サッちゃん、掃除と爆破でまたもや社会問題に巻き込まれる……!》
サッちゃん「やりますっ! この身に染みついたメイド魂でっ!!」
【第10話・完】




