第9話「生活指導の鬼襲来!サッちゃんと反省室の攻防」
屋敷への来訪者と朝食の時間
朝の朝比奈家・ダイニング。
ユウト「ん……眠い……」
メグミ「ほら、ユウト、パン焦げてる。目玉焼きは黒煙上がってるし」
サッちゃん「“爆炎フライ”ですっ!焦げではありませんっ」
ユウト「いや、それ煙が出てる時点で失敗だから」
リナ「まったく、朝から騒がしいのはいつも通りね……ミルク取って」
サッちゃん「リナには特製ホットミルクを──あっ、沸騰しすぎてカップ溶けましたっ」
リナ「どこの次元で調理してるのよ……」
メグミ「ていうか、この家、毎朝こんななの? ユウト、普通に生きてるのが奇跡だわ」
ユウト「うるさい……これでも平均的な朝だよ……」
KAIN《ご主人様、門前に“須賀カオリ先生”の姿を確認しました》
ユウト「……!? なんで学校の生活指導の鬼が家に!? なんか悪いことしたっけ俺!」
サッちゃん「き、教官が……来たんですね……!」
リナ「懐かしい顔……まさか生きてたとは」
ABEL「警戒モードに移行。全ルートスキャン中」
カオリ先生(インターホン越し)「おはようございます。今日は貴方たちの“戦後処理”──いえ、“生活指導”に伺いました」
ユウト「いや、言い直したけど逆に物騒さ増してるんですけど!?」
◆屋敷内面談と爆裂歓迎
カオリ先生が屋敷に足を踏み入れた瞬間──天井から飾ってあった花瓶が落下してくる。
サッちゃん「教官っ! これは“歓迎用爆発トラップ”ですっ」
カオリ先生「……歓迎と破壊の区別くらい覚えろ、サッちゃん」
リナ「ふふ……教官の眉間のシワも健在ね」
メグミ「ていうか普通こんな来客対応ないからね!? 生活指導の先生って本当は何者なの……」
ダイニングにて全員で改めて朝食を囲む。
カオリ先生「しかし、君たちがこうして一つ屋根の下で暮らしているとは……訓練施設以来ね」
ユウト「どういうことなんです先生……俺、毎日サバイバルなんだけど」
サッちゃん「ですが! ご主人様の健康と安全は私が命に代えても守り抜きますっ!」
リナ「それがむしろ原因なんじゃ……」
メグミ「というか、朝から部屋のどこかしらが壊れるのってどうかしてるよ……」
カオリ先生「ふむ、現場確認が必要なようだな。では“指導”を開始しよう」
ユウト「“生活指導”って物騒な響きすぎる……」
◆戦闘教官 vs 元教え子メイドズ
カオリ先生「では──サッちゃん、リナ。久しぶりに“訓練”といこうか」
サッちゃん「光栄ですっ!」
リナ「ええ、全力で応えるわ」
リビングの空気が一変。三人が向かい合い、緊張の静寂──のち
爆音。サッちゃんの拳が床を砕き、リナが華麗に飛び回る。
家具が吹き飛び、棚が砕け、ユウトの悲鳴が響く。
ユウト「うわっ!? 家具、家具がぁぁ!!」
メグミ「また壊してるし……リナ、花瓶は避けてって言ったじゃん!」
カオリ先生「動きは鈍っていないようだな……だが詰めが甘い!」
背後からの手刀がサッちゃんに迫るが──回避して壁を貫通。
KAIN《損壊箇所:リビング95%、被害見積額:1,230,000円》
ユウト「なんでそんなに具体的なんだ!?」
地下物置が即席反省室へ。
ABEL「反省室、稼働開始。音響干渉・心理圧迫完備」
ユウト「完備しなくていいから!」
カオリ先生「では、ここで“精神矯正プログラム”を──」
メグミ「待って、先生。……本当は、サッちゃんとリナのこと、心配で来たんでしょ?」
カオリ先生(目線を逸らして)「……口の減らない生徒だ。私は二人がメイドとして機能していないなら連れ帰るつもりだ。どうだユウト君。二人に振り回されて困っているんじゃないか」
ユウト「いや、確かに困ってますけど……あの…」
カオリ先生「ふっ、はっきりしないな。まあ若い男子には夢のような状況だろうから簡単には連れていかれたくあるまい」
メグミ「ユウトやっぱりそうなの⁉」
ユウト「いやっ、そういうわけじゃ…」
サッちゃん「教官、今の私たちのことを見てください!あの頃より成長してるんです」
◆屋外訓練モード(メイド力バトル)
カオリ先生「そこまで言うなら次は“メイド力”を見せてもらおう」
リナ「うわ、まだやるの?私は連れて帰ってもらってもいいけど」
サッちゃん「素直じゃないんだから、私は残らせてもらうわ!」
課題は「破壊されたリビングの原状回復」──
サッちゃん「任せてくださいっ!」
リナ「まいいわ、設計図起動。部材展開」
カオリ先生「手順、速度、仕上がり──すべてチェックする」
掃除ロボvs魔導補修vs建築シミュレーター。三者三様の復旧作業。
しかしサッちゃんが床材と天井を間違えて貼り、逆重力現象が発生。
ユウト「また屋根が浮いてるぅぅぅ!!」
KAIN《形状復旧率:100%。生活快適度:マイナス80%》
カオリ先生「……まあ、“らしい”な。訓練はここまでだ」
夕暮れ、訓練を終えた屋敷。
カオリ先生「お前たちは、昔と変わらず真っ直ぐだな」
リナ「それ、褒めてるの?」
サッちゃん「もちろんですっ! ご主人様のもとで、私はもっと強くなりますっ」
ユウト「強くなる方向性間違ってない……?」
カオリ先生「だが──油断は禁物だ。朝比奈家が何者かに狙われている可能性がある」
ユウト「……えっ?」
カオリ先生「詳細は不明だ。だが、裏で動いている連中がいる。二人とも、しっかり備えておけ」
サッちゃん「了解ですっ……!」
リナ「面倒なことになりそうね……」
カオリ先生(ユウトに向き直り)「ユウト、お前も──いずれ自分自身で戦う日が来る。その時のために、少しずつでも強くなれ」
ユウト「……俺に、できるかな」
カオリ先生「できるかどうかじゃない。やるしかない時が来る」
沈黙の中、赤く染まった夕陽が全員の影を長く伸ばしていた。
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◆次回予告
KAIN《次回、“伝説の家政婦”登場。サッちゃん、家事能力で最終決戦へ!?》
サッちゃん「次は絶対負けませんっ!(たぶんっ)」
【第9話・完】




