サイドストーリー06 屋敷メンバー名鑑②──「メグミの“極秘”観察ノート」
このノートについて
古くてボロい朝比奈邸――正確には“物理破壊型メイドハウス”――に出入りするようになって半月。
爆発・轟音・ラブコメが同時多発する日常を、第三者の私が最も正確に記録しなければ誰がする!? という使命感で、極秘に観察ノートをつけることにした。
学業もあるのに胃痛が止まらない。でも、彼らを放っておくと確実に社会問題化するので、書くしかない。
05:50 ◆早朝チャイムの悪夢◆
KAIN からスマホに緊急 DM――「停電原因の調査協力を要請」。まだ布団の中なのに胃がキュッ。
生徒会長の胃痛メーター:★☆☆☆☆(予感レベル)
07:30 ◆筋肉と登校◆
坂道でユウトと合流。隣ではサッちゃんが**“重り10kg入りバックパック”**を背負ってダッシュ。
サッちゃん「体幹鍛えてこその通学ですっ♥」ユウト「それ学校で怒られるやつだから!」
バックパックがアスファルトにひびを入れた瞬間、先生(通学指導)が絶叫。
胃痛メーター:★★☆☆☆(軽度)
10:15 ◆授業中・天井からのメイド◆
世界史の静寂を破り、天窓からロープ降下する影。
サッちゃん「ご主人様のお弁当届けに来ましたぁ!」
教室騒然、担任失神。黒板のチョークが共鳴して折れる音が地味に痛い。
胃痛メーター:★★★☆☆(中度)
12:45 ◆昼休み・“萌え弁当”試食会◆
屋上に呼び出される。ユウトの前に並ぶ二つの弁当――
A:私お手製の和風ヘルシー弁当(映え重視)。
B:サッちゃん作“爆裂☆愛情ミートボール山盛り弁当”(重力でフタ浮き)。
ユウト「……どっちも美味しそ――ぐえっ⁉」
フタを開けた瞬間、肉汁蒸気が噴火→校舎裏に警報発令。
ユウトは涙目でサッちゃん弁当完食。私のヘルシー弁当まで完食。私はなぜか嬉しくて、なぜか悔しい。
胃痛メーター:★★★★☆(重度)
17:00 ◆放課後・屋敷でお手伝い◆
屋敷玄関を開けた瞬間、**“洗濯物カタパルト”**が作動してタオルが空を飛ぶ。
KAIN「試作 No.3 失敗。遠心力過多」
私はタオルネットを広げて捕獲係。サッちゃんは「次は45°射出で成功です!」とキラキラ。
胃痛メーター:★★★★☆+(限界値手前)
19:30 ◆夕餉の惨劇と甘い匂い◆
ダイニング。サッちゃんがグラタン皿(業務用サイズ)を両腕で強行搬送→床タイル陥没。
けどテーブルには綺麗に着地。ユウトが「ありがと、うまい!」と笑った瞬間、
サッちゃんの顔がオーブンより熱そうに真っ赤。
……なにこれ、少女漫画?
胃痛メーター:★★★☆☆(回復?いや胸やけ?)
21:30 ◆極秘メモ締め◆
屋敷の屋根裏、ミケが膝に乗ってスヤスヤ。窓の外ではサッちゃんが**“おやすみ筋トレ”**で星空バックに逆立ち腕立て。
――正直、日常が常に非常事態。でも、ユウトの笑顔を見ると、私もちょっとだけ楽しい。……いや、これはストレスによる錯覚?
胃痛メーターはまだ高いけど、胸の奥の**“謎の恋心カウンター”**が今日も+1。ノートを勢いで閉じて、私は電気を消す。おやすみ、カオス屋敷。明日もたぶん、平和(物理はともかく心は)でありますように――。
END




