第6話「ミケ襲来!屋敷防衛バトルと脳筋の弱点」
──放課後、屋敷前──
ユウト「ふぅ、ようやく静かな一日が……」
メグミ「今日は寄ってもいい? サッちゃんに話もあるし」
ユウト「え? あ、うん。まぁ大歓迎……だけど無事なら、ね」
KAIN《警告:庭に不審な小動物の侵入を確認》
ユウト「は? またサッちゃんが何か持ち込んだんじゃ──」
サッちゃん「ち、ちがいますっ! 私じゃありませんっ!」
メグミ「なんか挙動がおかしい……」
窓から庭を覗くと、そこには──
「にゃー」
小さな三毛猫が、どっしりと芝生に座っていた。
ユウト「猫?」
KAIN《対象:三毛猫♀ 推定体重3.2kg。コードネーム“未設定”》
サッちゃん「き、きき、来ましたね……あの……生物……」
ユウト「お前……まさか、猫が苦手!?」
サッちゃん「ち、違いますっ! “あの個体”が予測不能すぎるんですっ!!」
KAIN《対象、庭柵を無傷で通過。次に台所方向へ向かっています》
ABEL《セキュリティレベル:“警戒モード(小動物)”を起動》
玄関ドアが自動でロックされ、天井から防犯ドローンが飛び出した。
ユウト「やりすぎじゃ──」
《パコンッ》
ドローンがミケのしっぽにちょいちょいされた瞬間、制御不能に。
KAIN《ドローン1、機能停止》
サッちゃん「くぅぅぅっ、これが……猫の力……!」
メグミ「いや、ただの猫では……?」
ユウト「物理的にちょっと触っただけで制御不能ってどうなの」
サッちゃんは額に汗を浮かべ、呼吸を整える。
サッちゃん「いざとなれば……戦いますっ!」
ユウト「やめろ! ペットに戦闘態勢とるなっ!」
サッちゃんは床を蹴って庭へ突撃。
「くらええぇぇっ!! 猫避けグレネードぉっ!!!」
《ぽいっ……カチッ……》
ミケ「……にゃー」
《ボフッ(花の香り)》
サッちゃん「……あれ?」
メグミ「むしろ癒やしてる……」
その後もミケの侵入は止まらない。
──【冷蔵庫襲撃】
KAIN《警告:冷蔵庫開閉センサー作動》
ユウト「えっ、勝手に開けて──」
ミケ「にゃっ」
中に忍び込むと、ハムと牛乳パックの上に器用にちょこんと座るミケ。
KAIN《ミケ様、冷蔵温度を2.3度上昇させています》
サッちゃん「勝手に食糧庫を占拠……!? なんという……高度な占領戦術……」
ユウト「いや、ただ気に入ってるだけだろ……」
──【ユウトの部屋突入】
ミケ「……にゃっ」
《スルッ》
ユウト「うわっ!? こっち来んな! ダメダメそこは──」
ミケ、ユウトの部屋に侵入。机の上のフィギュアをひょいと避け、ベッドにジャンプ。
そして。
《クンカクンカ》
洗濯カゴの中のシャツを確認し──そのままくるっと丸まって寝始めた。
ユウト「やめてぇぇぇ!! サッちゃん、メグミにだけは見せたくないっ!!」
メグミ「え……なんか山積みになってる……」
リナ「服の趣味……案外子供っぽいのね」
ユウト「ぎゃあああああああああっ!!」
サッちゃん「洗濯、すぐやっておきますねっ♥(ガチャッ!爆破洗濯モード起動)」
ユウト「やめろそれはフラグだあああああ!!!」
その日の夜。作戦会議室にて。
サッちゃんは部屋の隅で膝を抱えていた。
ユウト「本当にどうしたんだよ。お前がこんなに萎縮するなんて……」
サッちゃん「……任務中、“猫型ロボット”に敗北した過去が……」
ユウト「猫型……ロボ?もしかして青かったりする?…」
サッちゃん「いいえ、暗黒メイド機関への潜入任務。あそこで私を倒したのが、“猫型防衛メイド・ミオβ”でした……!」
メグミ「……何それ、名前だけで強そう」
サッちゃん「ちょこちょこと動き回り……しっぽを使った連撃……そして最後は……にゃーん♥」
ユウト「なんか致命的にゆるい敗北……」
リナ「なるほど。トラウマね」
サッちゃん「そ、そんなことは……っ!」
リナ「よし、仕留めてあげようか? その猫」
サッちゃん「だめぇぇぇぇぇぇ!!!」
──屋敷・中庭。
リナ「こんな無防備な相手、私の手にかかれば──」
ミケ「にゃ?」
リナ「ふふ……かわいさに惑わされると思ってるの?」
《シュバッ》
リナの手がミケに伸び──
ミケ《スルッ》
《ドテッ》
まさかの“ぬるり”回避からの、木の上ジャンプ→植木鉢スライディング→リナの背後へ瞬間移動。
《にゃーん♪》
後頭部に乗ったミケの“すりすり”攻撃でリナ敗北。
リナ「こ、こんなはずじゃ……ないのにぃぃぃ……」
メグミ「猫、恐るべし……」
その夜、ユウトの部屋では。
ミケが膝の上に乗り、すやすやと眠り始めた。
サッちゃん「ご主人様ぁっ……! 今度こそ……触れ合って……!」
そろり、そろり……
《シャッ!》
サッちゃん、反射で吹っ飛ぶ。
ユウト「どっちが動物か分からねぇ……!」
メグミ「……今日の戦績、猫の圧勝」
KAIN《ミケ様、勝率100%。屋敷掌握完了》
ABEL《ユウト様の心拍数:安定。脅威なしと判断》
ユウト「もう“ミケ”って名前でいいか」
ミケ「にゃー」
サッちゃん「くっ……屋敷の守護を猫に奪われるなんて……屈辱……!」
KAIN《なお次週、外部からの“来客”予定あり。危険レベル:不明》
サッちゃん「猫に続いて何が来るんですかぁぁ!!?」
【第6話・完】




