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心の弱さ。
やっほい。
魔女は生きる気力を無くした男に、昔の男の面影を重ねていた。
魔女と共に生き、自らの命を絶った、男の面影を。
-人の心は弱いものだと思っていたが、私も、その口かね。
自らの弱さに目を向け、自覚しながらも、味わい深いものとして受け入れる。
彼女自身、困った性格だと思っていたのかもしれない。
彼女の苦労は、彼女にしか分からない。
目の前の男の苦労は、その男にしか分からない。
けれども、何か通じるものがある。
魔女は、そう感じていた。
心の傷。
他者に触れ、他者を遠ざけ、けれども他者に依存する。
心の弱さ。
-生きる楽しみが増えたのかもしれないね。
魔女は、生きる気力を失った男を見ながら、自らの心に傷が在る事に気付かされていた。
-神様に感謝しないとね。
やっほい。