71話 闘芸祭開催!!
最近、主人公がまたお散歩できていない気がする……。イベントと試練が重なってしまったとはいえ、これでは、タイトル詐欺では?!? イベント後にお散歩せねば!
新装備を貰ってウキウキしながらログアウトした次の日。今日からいよいよ秋イベントだ! いやあ、ワクワクしすぎて、昨日はあんまり寝られなかったよ。気づいたら空が明るくなっていて、小学生かよっ!って、思わず自分で突っ込んでしまったwww。
とりあえず、景気付けにとチンするご飯とカツ丼の具で、ちゃちゃっとカツ丼を作って朝ごはん。ついでにコーヒーを飲んで目覚ましだ! いよっし、気合い充分!! 予選の開始時間まではまだ時間はあるけど、もう待ち切れないしログインしちゃおうか!
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ログインしたのは、いつものフロストリザードマンの里。まだ時間はあるのでマイルームでゆっくりしようとポータルから歩き始めると、不意にポータルが淡く輝いた。誰か来たのかな?と思って振り返ると、そこ現れたのはスカーレットさん。
「あっ! おはよう! プラナさ……ん…??」
「おはようございます、スカーレットさん。?どうかしました??」
「えっと、装備が変わっていたから、びっくりしちゃいました! カッコいいですね!! あ、あのぅ。一緒に写真撮っても良いですか?! 是非、是非お願いします!」
そういえば、昨日新装備に着替えたままだったよ。うぅ、昨日の撮影会?で多少慣れたとはいえ、この綺羅綺羅しい王子様ルックをまじまじと見られるのは恥ずかしいな。とはいえ、こんなに期待に満ちた目で言われると断りづらい。…。結局、掲示板とかには載せない事を約束して貰って、一緒にスクショを撮った。そして、ニッコニコのスカーレットさんとちょっと立ち話。
「こんなに早くからログインしてるってことは、プラナさんもイベントが気になって早起きしちゃった感じです? 私も!」
「ええ、張り切りすぎて眠れませんでしたよ。そういえば、スカーレットさんは闘技大会の方には不参加だったのでは?」
「うーん。そういうつもりだったんですけど、直前になったらなんだか出てみたくなってしまって。モブ田さんとモブ田さんの従魔ズと一緒にパーティ部門に参加する事にしたんです!」
「そうなんですね! お互い頑張りましょう!」
「はい!! やった〜⭐︎ プラナさんに応援してもらっちゃった! 憧れの人に応援してもらったからには全力で頑張らなくっちゃ! フルパワーでいってきまーーす!」
「あははは……」
スカーレットさんは自分のファンらしく、こうして少し話すだけでも凄い喜んでくれるのだが、配信とかした事のない自分にとっては、真正面から賞賛されるのはちょっと小っ恥ずかしい。
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その後、スカーレットさんとは分かれてマイルームへ。ゲーム内は体感時間延長があるから、予選開始まではまだまだ余裕がある。はやる気持ちを抑えつつ、ゆっくりと戦法を考えたり、武器の手入れをしたりした。ふふふ、武者震いが止まらないな! そんなこんなしていたら、いよいよ開始時間近くになってきたので、マイルームを出て歩いて行くとなんとポータル前でフリージア様が佇んでいたよ。
「おや、プラナもピーリア様の作りし闘いの場へゆくのかえ?」
ピーリア様が作った闘いの場?? えっと、もしかして今回のイベントエリアの事かな? なるほど、各イベントエリアはこの世界の創生神であるピーリア様が作っているって設定なんだな。あと、自分もって事は、スカーレットさん達が先に行ってるのかな?
「はい、今日と明日は闘いの場で行われる闘技大会に出てくるつもりです。自分なりに精一杯頑張ります!」
「うむうむ。良い意気込みじゃな! お主は我が認めし者。その力を存分に奮ってくるがよい!」
「ありがとうございます! 行ってきます!!」
フリージア様から激励して貰って、さあ! いざ行かん! イベントエリア!!
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ポワン
ポータルからイベントエリアに転移してきた。いつものイベント用ポータルの前は結構ひらけていて、普通のポータル広場より広い空間になっていた。更には幅広い大通りと脇に並ぶ幾つかの出店やカフェやレストランっぽい店。店員はみんなポワポワ光る丸い玉であるナビが担当しているみたいだ。そして大通りの先に見えるのは大きな大きなコロシアム! あそこが闘技大会の会場かあ。確か闘技大会の様子は、コロシアム内でも観戦できるけど、イベントエリア内にあるカフェやレストラン内でもスクリーンで見れるんだっけな。
初めて見る今回のイベントエリアの様子を、ゆっくり観察していると……。ざわざわと見られている感じ…。うん、分かってたよ。この綺羅綺羅しい格好の今から仮面舞踏会に踊りに行くんですか?的な装備と青白い尻尾と鱗を晒してるんだしな。まあ、注目されるよなぁ……。くっ、あんまり目立つのは好きじゃないけど、闘技大会に出ると決めた時に腹は括った! 装備が予想以上だったけど、どうせ注目されるなら同じことだ! 見たいなら見るが良いさ! フロストリザードマン、おすすめだぞ!!
……ん? 見られてはいるけど、そんなに騒がれたりしてないな? 最悪囲まれて動けなくなるかもと思っていたんだが?? 不思議に思って広場内を見渡すと、原因はすぐに分かった。自分以外にも目立ちまくっている人達が3グループもいたのだ。コロシアムの大通り側じゃない所にいたから、直ぐに気が付かなかったよ。その人達は互いに離れた場所にいたのだが、周りにそれぞれ人集りが出来ていてワイワイとしていた。自分も近くに行ってみたら、こんな感じだったぞ!
●人集り① 空飛ぶクラゲ
でっかい緑色のクラゲが目線より上くらいを漂っており、傘の上に鞍代わりだろうか丸い絨毯?みたいなのが敷いてあり、更にその上で主らしいプレイヤーが手を広げてドヤ顔で座っていた。周りにはそれを見て喝采しているプレイヤーと従魔達。おお、ミント以外にも騎乗可能な空飛ぶ従魔が出てきたんだな。……またしても鳥系では無いみたいだけど、猫といいクラゲといい、運営は王道を避けているのか?
いや、プレイヤーの育成方法が運営の想定外な方向性にいってるのかな? しかしクラゲかあ、緑色だから多分風属性だろう。でも、移動はクラゲだしゆっくりそう。それとも【風魔法】とかで推進力を得るのかな? あと周りのプレイヤー達の連れている従魔もオーソドックスな犬やらスライムやら以外に、黒いもやみたいなのや凶暴そうな顔がついたトマトに手足が生えたようなものなど色々な従魔がいる。へぇ、従魔も奥が深いなあ。
●人集り② 突発ヒーローショー?
次の人集りでは、おそらくネタパーティにして目立とう的な思惑が被ったのだろう戦隊っぽい格好をした3つのパーティがおり、その3パーティを悪の組織っぽい格好の1パーティが「ネタ被りとは、正義の味方が滑稽な事だなぁ! ハーッハッハッハッ!!」と煽り倒している様子だった。煽っている悪の組織側に対して芝居がかった台詞で言い返している戦隊パーティ。まるでちょっとしたヒーローショーみたいで、周りにいる野次馬プレイヤー達がやんややんやと声をかけていた。……ショーにしては、ヒーロー側がやたら多いけどなwww。ちなみに彼らの内訳はこんな感じだった。
・戦隊1
男性(赤、黄、藍、臙脂、緑)
女性(水色)
・戦隊2
男性(赤、青、赤、緑)
女性(黄、桃)
・戦隊3
男性(赤、青、黒、桃、金&銀)
女性(黄)
・悪の組織?
怪人×1、戦闘員×5
……なんとなく、モチーフにしている戦隊で中のプレイヤーの年代が分かる気がする。装備も丸パクリにならないようアレンジが入ってるけど、ちゃんとモチーフ元が分かる感じになってて、作った人の拘りが垣間見える。それにしても、戦隊1はアクセサリーなのか水色の人の肩にハムスターのぬいぐるみっぽいのが乗ってて、あれ動いたら落ちたりしないのかな?って心配になるし、戦隊2は君達一緒のパーティで良いんかい?!って突っ込みたくなるし、戦隊3は……うん、ごめん、モチーフ元あんまり知らない。めっちゃ背の高いピンクの人はどうやってるんだそれ? 厚底ブーツ的な?? あと6人目の人はインナーとズボンが金色で鎧が銀色?だけど、それはゴールド戦士なのかシルバー戦士なのか……どっちなんだろう?
●人集り③ アドベルパーティ
夏イベント以来での遭遇となった、有名な攻略組のアドベルパーティ。また会うなんて、面白い偶然だなあ。彼らは有名だから目立っていたのかと思ったらちょっと違ったようだ。なんと、パーティ内のメンバー2人の種族が変わっていたのだ! ざわざわとアドベルさん達を囲んでいるプレイヤーの輪の隙間からなんとか見てみると、種族転生したであろう1人は弓使いの女の人で夏イベの時はビーストマン(猫)だったが、今はダークエルフになっていた。ダークエルフはジャングルの中に隠れ里があるんだっけ? 見た目はまんま黒いエルフで、艶のある皮の軽鎧が似合っている上にボディペイントもしていて、カッコいいアバターだった。センスあるなぁ。
もう1人の種族転生者は魔法使いの女の人で、元々はエルフだったと記憶しているが、今は……今は…何の種族だアレ?! 魔女っぽい帽子とローブ装備からのぞいている顔やら腕やらがなんか透けているし、よく見たら足も地面からちょっと浮いてる? いや、本当になんだろうあの種族。あんな派生種族、掲示板とかで出ていたっけ?? 不思議に思っていると、ふと魔法使いの人と目が合った。更に彼女はニンマリと笑うと、なんとこちらに向かって浮かびながら滑るようにやってきた!! びっくりしている間に、なんと彼女と自分の間にいたプレイヤー達が避けていき、まるでモーセのように…道が出来てしまった。
「初めまして。私は「シスト」貴方は山の人であっているかしら?」
「は、はい」
「うふふ、突然ごめんなさいね。貴方にお礼を言いたくて」
「お礼? ですか??」
「そうよ。ほら私、種族転生してるでしょう? 実はこれ、廃里の派生種族なのよ。前に貴方が掲示板で廃里について書き込みされた時、それを見て以前探索した場所でちょっと気に掛かっていた場所があったのを思い出したのよ。それで再度探索したら廃里を見つけたってわけ。貴方の書き込みのおかげでスムーズにポータルも復活させられたし、この新種族にも転生できたの。だからもし山の人に会ったら、お礼を言いたくて。」
まさかの自分以外の廃里種族! 自分の報告後、新しい廃里の発見報告なんか掲示板で見た事なかったのに、こんなところで発見報告があるなんてびっくりだ!! しかも、あの有名なアドベルパーティ!
「いえいえ、あの情報がお役に立てたのなら良かったです。あの〜因みになんて言う種族ですか?」
「ふふふ、気になります? でもごめんなさい、闘技大会中は出来るだけ情報を絞りたいの。代わりにフレンド交換はいかがかしら? 大会が終わったら珍しい派生種族同士、情報交換しましょう」
「えっ?! 自分とフレンドなんて、良いんですか?」
「ええ、宜しくね」
びっくり仰天、まさかまさかのフレンド申請が飛んできた。あのアドベルパーティの1人とフレンドになれるなんて思いもしなかったよ。もう少し話していたかったが、残念ながら自分の予選の開始時間が来てしまった。今日の予選は数十人くらいでのバトルロワイヤル形式なんだが、参加者が多いため各部門ごとに時間帯を分けて何回か開催されるのだ。10時からパーティ部門とソロ部門のレベル無制限ランクとルーキーランクの計四つの各予選Aグループ、11時からBグループみたいな感じだ。自分は最初のグループだからもうコロシアムに向かわないと、せっかく早めにイベントエリアに来たのに予想外の事ばかりで予想以上に時間が経ってしまったな。
それにしてもグループ分けをしたのに予選に一日中かかるくらい、こんなに参加者がいるなんて、本当にアトオンもユーザー数が増えたもんだと感慨深くなった。最初の頃は初の体感時間延長に成功したゲームという話題だけが話されていたけど、最近だとグラフィックやゲーム性、フィールドや街の作り込みなどでも高評価を得てるんだよな。おかげで、最初の抽選販売後の通常販売でも、どんどん新規ユーザーを増やしており、今までの人気VRMMOトップ3に迫る勢いだとか。しかも、秋イベ後には大型アップデートも控えているし、アトオンは本当に楽しいから色んな人に是非遊んでほしいところだ。
……そういえば、この前リアルのゲーム友達が今やっているVRMMO(人気VRMMOトップ3の一つでロボやら銃やらが使えるサイバーパンクなゲームらしい)を辞めようかと話していたな。辞める理由は、深く聞けなかったけどVRMMO自体を嫌いになったわけじゃなかったら、アトオンに誘ってみようかな? もしリア友もこのゲームをやり始めたら、是非一緒に冒険したい!
そんな事を思いつつ、シストさんやアドベルパーティの人達と別れてコロシアムへ向かった。さあ、いよいよ闘技大会の始まりだ! メンマさん達にこんなに凄い装備を作ってもらって、源三郎さん達やスカーレットさん達に特訓して貰って、更には試練を乗り越えてフロストリザードマンになったんだ。予選だからと舐めてかからず、後悔しないように最初から全力で行こう! いざとなったら【竜人化】もあるしな! 頑張るぞ!!
ちなみに作者が一番好きな戦隊は、初期メンバーが男性(赤、緑、黄)女性(水色、桃色)で、追加?戦士が(金色、真紅、白)です。分かる方いらっしゃいますかね? 変身した後にマント翻して、くるんって回る所が好きでしたわー。
まだまだ寒い日が続き、花粉もバンバン飛んでいる様です。皆様、ご体調にはお気をつけて下さいね! (ハァックショイ!!(作者は花粉症なう))




