3話 町歩きとギルド登録
町中を探索すると、自分と似たような格好をした多様な種族のプレイヤーの他、NPCらしき人々も町中を歩いていた。
この町のNPCは、ヒューマンが多めで、ビーストマン(犬)が少しって感じだな。武器屋にはドワーフ店主が居てくれると王道〜って思うんだが、どうだろうか。
暫く歩くと、教会っぽい建物が見えた。神父さんらしき人に話しかけると、教会では呪いの解呪やお祈りができるそうな。せっかくなので、お祈りをさせて貰った。この世界の主神である、創生神ピーリアが祀られていたよ。
町歩きを再開すると、人混みが見えた。プレイヤーが集まってるから、多分冒険者ギルドかな?混んでるから後にしよう。
推定冒険者ギルドから少し離れた場所に、武器屋っぽいお店を見つけた。中に入ると、何人かのプレイヤーに加えて、奥のカウンターに立派な髭のドワーフらしき人が!!やっぱり、武器屋はドワーフだよな!わかってるな運営!
ワクワクしながら商品を眺める。初心者シリーズと同じ木製武器に加え、石の簡素なショートソードなどの石製武器が売っていた。石製は、木製に比べて、耐久性は高いが、攻撃力は微増くらいみたいだ。
というか今気づいたが、ステータスだと筋力と耐久力だけど、武器・防具は、攻撃力、防御力、耐久性なんだな。なんとなく意味はわかるけど、こんがらがりそうだ。
さて、商品は見終わったけど、今は初心者シリーズがあるし、初期の所持金は100Gしかない。ウィンドウショッピングで申し訳ない、ドワーフさん!
武器屋の隣に防具屋らしきお店があったが、こちらもまだウィンドウショッピングになる気しかしなかったので、残念だが店先から覗くだけにした。基本的に革・布製品だったよ。
町並みを眺めながらゆったり歩いていくと、何人かプレイヤーが出入りしているお店が。看板から察するに、道具屋さんだろうか?
入ってみると、やっぱり道具屋だった。ファンタジーな道具が棚に所狭しと並んでいて、見ているだけでも楽しい!道具なら幾つか買えるかな?と思い値段もチェックする。
低級HPポーションが10G、低級MPポーションが15G。低級魔物避けポーションが20Gだった。魔物避けポーション?なるほど、戦闘を避けたい時に使えるな。
ポーション系以外には携帯食料や水筒、スコップ、布袋、縄なんかが売っていた。値段はそこそこ。この世界で水筒とかをどう使っているのか気になったので、カウンターの人に聞いてみた。
水筒は、町中の井戸やフィールドの川などで使う事で水を汲んで持ち運びできる。偶に飲めない水もあるので、フィールドで汲む時は注意だそうだ。携帯食料を食べると喉が渇きやすいから、必ず水も用意するよう言われてしまった。携帯食料の説明文にそんなの無かったぞ?詳細鑑定とかすると、そういう裏話的なのもわかるんだろうか。
スコップは、植物を根ごと採取できる道具。土そのものも取れるらしい。スコップは布袋とセットで買うといいそうだ。まあ、土を掬ったら何かに入れとかないとダメだよな……。
縄は色々使えるらしい。物を縛ったり、斜面を下る際の命綱にしたり、モンスター相手に罠としても使えるそうだが、罠はスキルが必要らしいよ。
色々聞いた結果、低級魔物避けポーションと水筒を買った。スコップとかは、まだ要らないだろう。
自分がカウンターから離れたら、話を横で聞いていたのか、プレイヤーらしき人が水筒を複数買っていた。まあ、あんな話を聞いたら買うわな。
さて、フィールドだと飲めない水になるかもしれないらしいから、町中で井戸を探そう。
町の住民に話を聞いて、井戸は無事発見。水筒にたっぷり水を汲んで、また歩き出す。最初の町だからか、井戸から15分ほど歩き回ったら、だいたい見終わってしまった。そろそろ、空いているだろうと思って、最初に見つけた冒険者ギルドに向かうことにした。
* * *
……のんびり歩いて、ギルド前へ。最初に見た時より、だいぶ空いてるな。
ギルド内は、いくつかの受付とクエストボードにエントランスと、よくみる形の内装だった。早速、受付にいって冒険者登録をお願いした。
「はい、登録ですね。こちらの水晶に手をかざしてください。」
受付の人が差し出した水晶玉に手をかざすと、一瞬ピカッと光る。そのあと、受付の人から一枚の金属プレートを渡された。
「そちらがギルドカードとなります。最初はGランクとなっておりますが、各町のギルドでクエストをこなしていただくと、ランクが上がっていく仕組みとなっております。逆にクエストを失敗し続けますと、ランクが下がってしまうこともありますので、お気をつけ下さい。」
プレートを見ると、確かに自分の名前の横にでっかく「G」と記載してあった。
「ランクごとに受注できるクエストも異なりますので、ランクが上がりましたら、前の町のギルドに再度行かれてみると、新しいクエストを受ける事が出来たりしますよ。是非、色んな場所でクエストを見てみて下さい!」
「ありがとうございます。因みに、このギルドカードを無くしたら、どうなりますか?」
「ギルドカードを無くしましたら、すぐに最寄りのギルドまでご連絡下さい。手数料を少しいただきますが、再発行致します。」
良かった。再発行は出来るみたいだ。
他にも質問したい事があったが、後ろに人が並び始めたので、後はヘルプで見ることにして受付を離れた。
へぇ、もうクエスト完了報告とかしてる人がいる。スタートダッシュ勢は凄いなあ。
その後は、ギルドの壁際でヘルプを確認した。どうやら、クエストボードで確認して受付で受注するほかに、ギルド内ならメニューからクエスト確認・受注できるみたいだ。世界観重視なら、前者でやりたいけど、混んでたり急いでいる時は後者かな。
後は、一部のクエスト(特殊クエストやスキル講習)なんかは、受付で受注しなくちゃいけないみたいだ。
スキル講習か……。公式サイトで初期スキル以外のスキル取得には、基本的に各冒険者ギルドでのスキル講習を受けるか、スキルスクロールを使うかで覚えられるってあったな。
スキルスクロールは、お店で買うか、クエスト・イベント報酬で手に入るんだったっけ。この町の道具屋には無かったから、売ってるとしたら次の町からかな?
「基本的に」ってことは、他にもスキルを取得する方法はあるかもしれない。よくあるパターンだと、ある条件下で一定の行動を取るとか?まあ、この辺はゲームを進めたらわかるだろう。
とりあえず、最初のクエストを受注しよう!初めてだから、クエストボードから確認するか。
・草原の魔物退治
プチスライムかプチラビの討伐
報酬:討伐数 ×5G
・プチラビのお肉の納品
プチラビのお肉 ×3 の納品
報酬:200G
・薬草の納品
薬草 ×5 の納品
報酬:30G(状態によって変化あり)
・〜
この辺で出る魔物は、プチスライムとプチラビ(ラビット的な??)なんだな。「プチラビのお肉の納品」だけ、やたらと報酬が高いけど、これレアドロップ的なやつじゃないか?うまそうな話には乗らないのが一番だ。
受付に再度いって、「草原の魔物退治」と「薬草の納品」を受注してギルドを出た。
さあ、いよいよ初戦闘だ!
スコップとシャベルって、地域によって意味する対象が逆になるらしいですね?
このゲームでのスコップは、片手で持てる小さいサイズの物となります。
シャベルは、立って使える大きいサイズの物を指す事にしております。
よろしくお願いします。