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まったりお散歩?VRMMO珍道中  作者: 苺蜂蜜
一章 始まりはまったりと
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1話 キャラクタークリエイト

 フルダイブ型VRMMO、それはVR技術が発展した昨今において、ヒーローに憧れた子供の頃の夢を叶える事が出来るゲームだ。


 人の脳波を感知し、体を動かす事なく、ファンタジックな世界で魔法使いや戦士としてのロールプレイを仲間と共にリアルに体感できる。


 まあ、人付き合いが苦手な人は同じVRゲームでも、オフラインゲームの方が好きかもしれない。しかし、自分はオンラインゲームの方が好きだ!積極的にチームを組むタイプではないんだが、同じプレイヤー同士でわいわいしてるのを見たり、感じたりするのが好きなんだよな。


 そして今、なんと体感時間延長に成功したと話題の最新VRMMO 「アトランティア・オンライン」の初回盤が目の前にある!


 いつも初回抽選には外れる運の無さだったが、今回は幸運の女神が微笑んだようだ!ありがとう女神様!


 正式サービス開始は明日からだが、キャラメイクなどは事前に出来るらしい。ドキドキしながらVRギアを被り、いざゲームの世界へ!



* * *



 意識が浮上するとそこは、真っ白な世界の中だった。周りを見渡していると、突然目の前にピンク色の球体が現れた。


「こんにちは!ようこそ、アトランティア・オンラインの世界へ!私は、本ゲームのナビゲートシステム NO.009 です!お気軽にナインとお呼びください!」


 あ、この球体がナビなのか。声は元気な子供みたいな感じだな。


「よろしくナイン。早速、事前登録したいんだけど」


「宜しくお願いします!登録の前に確認となります。本ゲームの公式サイトはご覧になりましたでしょうか?」


「ああ、サイトの内容は一通り読んだよ」


「ありがとうございます。サイトをご覧になられているとのことですので、簡単モードでの説明をさせていただきます!もし、途中で詳細説明が欲しい場合は、お声がけください」


 なるほど。公式サイトの事前公開情報には、ゲームの世界観や最初に選べる種族、スキルなんかについての基本説明が書いていたからな。読んだか読まないかで最初の説明も変わるわけか。


「では、最初にプレイヤーネームをご入力ください!」


 空中にキーボードが現れたので、あらかじめ決めていた名前を入力する。基本、ゲーム内の名前はコレで統一してるからな。


「プラナさんですね!少々お待ちください、同一ネームが登録されていないか確認いたします。………はい、大丈夫です!」


 良かった、被ってたら末尾に数字でも加えなきゃいけないとこだった。因みに名前の由来は、自分が一番好きな生物であるプラナリアからだ。あの惚けた顔(?)なのに、驚異的な再生能力がある感じが好きだ。


「次に種族設定となります!最初は基本種族である、ヒューマン・エルフ・ドワーフ・リザードマン・ビーストマン(犬)・ビーストマン(猫)の6種類からです!」


 これは、公式サイトにあったやつだな。このゲームでは、最初は6種類の基本種族から始めるが、ゲーム内で別種族の里を見つけて転生の儀とやらをすると、その種族になれるらしい。


 派生種族と言うそうで、公式サイトでは例として兎獣人っぽいのや巨人?みたいなの、片腕がゴツゴツした感じになっている種族のシルエットがあった。ちなみに、選んだ基本種族と近しい種族だったら、転生の儀が出来る条件が緩和するらしい。種族ごとに多少ステータス差もあるし、その辺を考えて最初の種族を選ぶ必要があるって事だ。


 自分が選んだのは、リザードマン。筋力と俊敏力が高く、代わりに知力やMPが低めだ。あとは、寒さに弱いが、水辺や沼地だとより早く動けるらしい。見た目がカッコ良い上に、早く動けるという点で選んだ。


「種族は、リザードマンですね!お次は、性別とアバターの見た目を設定していただきます。基本種族のリザードマンの場合は、鱗の色に選択制限がありますのでご注意ください」


 お、種族によって一部キャラメイクに制限があるってあったけど、リザードマンだと鱗の色にあるのか!確かに、鱗は緑系しか選べないな。


 まあ、リザードマンにも派生種族があるんだろうし、鱗はその種族ごとで変えれるんだろう。問題はない!


 ちなみに、リザードマンといっても、完全にトカゲみたいな感じではなく、ヒューマンベースに所々鱗が生えてる+尻尾があるかんじだ。うーん、どういう風にしようかな、あんまり美形にしても、それはそれで負けた感じがするし。


 色々悩んだ結果、性別は男、髪は長めな優男風にしてみた。髪色はグレー、鱗は薄めの緑、目の色は琥珀色。身長はリアルと同じく平均的に!身長がリアルと違いすぎると違和感あって操作に影響が出るからな。


 優男風にした理由として、リアルがちょっと強面で、初めて会う人に怖がられるのがいつも悲しいから、ゲーム内では怖がられない風貌にしてみた。こうするとNPCやプレイヤーとも普通に話せるんだよな、リアルもそうなりたいよ……。


 さて、満足いったのでナインに設定完了を告げた。やっぱ、見た目のメイキングは時間泥棒だな、もう1時間近く経ってる。


「お疲れ様です!このアバターはゲーム開始までは変更可能ですので、再度変更したくなったら、ゲーム起動時にご連絡ください。では最後に、初期スキルの設定です!種族レベル1のセットスキル枠は10枠ですが、初期スキルとして選べるのは、こちらのリストから5個までとなります」


 これも、公式サイトにあった情報だな。自由度の高さを売りにしてるらしく、ジョブ制ではなく、スキル制になっている。セットスキル枠は10レベルごとに1つ増やせるほか、特殊なクエストでも増やせるとか。


 「種族とスキルの組み合わせで、自分だけの個性的なキャラクターをビルドして、広い世界を冒険しよう!」とかがこのゲームの謳い文句らしい。


 さてさて、自分はどうするかな。





 ……30分ほど悩みに悩み、選んだスキルは【剣術】【身体強化】【遠見】【鑑定】【水魔法】だ。


 武器は、基本的な剣から始めたいので【剣術】を、筋力と俊敏力が元々高いので、それを更に活かすために【身体強化】。【遠見】は、敵をいち早く発見したいので取った。【鑑定】については、このゲームはどうやら【鑑定】スキルがないと、初見のアイテムが何なのかわからないし、ステータスの詳細(属性耐性とか)も見れないらしい。それは不便なので、しっかり取った。


 最後に【水魔法】。リザードマンは知力やMPが低いみたいだが、水辺でステータスに恩恵があるということは、水属性にも何か良い効果があるのでは?と思い、取ってみた。もしかしたら死にスキルになるかもしれないが、その時は控えスキルに回そう。


 控えスキルとは、スキルとしては所持しているがセットスキルから外しているスキルの事だ。スキルの効果は発揮しないし、習熟度も入らない状態になるらしい。セットスキルの付け替えは、町中やセーフティエリアで自由にできるみたいだし、あんまり初期スキルで悩まなくても大丈夫だろう。


「よっし!ナイン、初期スキルの選択も完了だ」


「プラナ様、お疲れ様でした!これで登録作業は完了です!初期スキルについてもゲーム開始前までは、変更可能ですので、変えたくなりましたらお声がけください!」


「了解。ナビゲートありがとうな」


「いえいえ!これが私の役目ですから!ではプラナ様、ゲーム開始までお楽しみにお待ちください!」



* * *



 キャラメイクを完了し、ログアウトした。現実に意識が戻り、一息つく。


 これで明日の準備は万全だ。ああ、早く明日にならないかな。待ちきれない思いはあるが、こればっかりはどうしようもない。とりあえず、腹がなったので食事の準備をしつつ、もう一度公式サイトでも見よう。




・ビーストマンだけ基本種族に2種類いる理由


 開発当時、ビーストマンの基本種族を犬と猫のどちらにするか、会議が行われた。しかし、犬派と猫派の双方がどっちも引かず、会議が収集つかなくなってしまったため、結局2つとも実装されたという……。



* * *



 犬派「賢く可愛い上に、主人に忠実な犬こそ、基本種族に相応しい!!」


 猫派「はぁ〜あ?自由気ままで、賢く可愛い猫の方が基本種族に相応しいでしょう?猫耳メイドだって人気じゃない!!」


 犬派「犬耳メイドだって可愛いじゃないか!」


 猫派「うっさいわボケェ!ネコハラしてやろうかぁ?!」


 犬派「こっちもイヌハラしてやんよ!うちのサモエドのまるちゃんの毛皮に埋まるがいい!!」


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 課長「どっちも可愛いから、両方とも基本種族に実装で良いよ。うちもラブラドールとキジトラ居るし」


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