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まったりお散歩?VRMMO珍道中  作者: 苺蜂蜜
一章 始まりはまったりと
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17話 謎のスキル講習


 あれから、暫く掲示板で情報を確認した結果、イベントモンスターについてやイベント武器・防具の性能、大迷宮のチェックポイントの先の情報などは知ることができた。


 特に5つ目のチェックポイントの先にいるという中ボス?の「ラージフラワーフェスプランツ」の情報にはびっくりした。


 もう5つ目のチェックポイントに辿り着いた人達がいるという驚きと、あのマリモもどきが巨大化して待ち構えているというげんなりする驚きだ。


 しかしながら、これだけ調べても【隠密】の情報は全く出てこなかった。かろうじて「忍者を目指せスレ」というところで、隠れる系のスキルに隠密や潜伏と言った名前のスキルが存在するのでは?と議論されていたくらいだけだった。


 念のため、サドンのスキル屋やギルドの講習一覧を確認したが、やはり【隠密】は見つからなかった。


 うーん、こうなったら出たとこ勝負かな? どうせタダらしいし、受けてみよう!



* * *



 サドンの冒険者ギルドにて、他のプレイヤーがいない隙を見計らい、受付に『スキル講習チケット【隠密】』を出しに行った。イベント中のおかげで、通常エリアに人が少なくて良かったよ。


 受付の人は、チケットを見て少し驚いた顔をしたあと、最初の登録時に見た水晶玉をまた出して来て、手をかざすように言われた。


 水晶玉に手をかざすと、登録の時と同じくピカッと光り、それを見た受付の人は安心したように頷いた。なんだったんだろうな? そして、そのままギルド内の部屋に案内された。


「本講習の担当者が参りますので、少しお待ち下さい」


 そう言って、受付の人は部屋を出て行った。部屋はふつうの部屋みたいだな、黒板と机にイスがある普通の講習用の部屋だ。ただ待っているだけというのも暇なので、所持スキルやアイテムの確認をしながら待つ事にした。


 数分後、まだかなと思い顔を上げると、なんと教壇の側に人が立っていた! いつの間に?!


「おや? やっと気づいたかい? いけないねぇ、冒険者たる者いついかなる時も周囲に気を配らなくてはいけないよ?」


 そう、にんまり笑って語りかけてきたのは、くるんとカールしたカイゼル髭に、小洒落たスーツを着て、飴色の艶々なステッキを持った「ザ⭐︎紳士!」というような見た目の男だった。


「ど、どちら様で……??」


「おやおや、もう忘れてしまったのかい? 少し前に楽しい鬼ごっこをしたじゃあないか? まあ、この格好で会うのは初めてだからしょうがないね……。あらためて自己紹介させていただこう! 私は、このサドンの冒険者ギルドを治める()()()()のサーフィルだ。どうぞよしなに」


 そう言って、優雅にお辞儀をしてきたサーフィル?さん。慌てて自分も礼をする。


 え? ギルド長??

 この紳士っぽい人が、ギルド長?!

 ちょ、運営さん?!!


 混乱する自分を他所に、話は進んでいく。



「君はF ランク冒険者の「プラナ」君だね? ふむふむ、今までの働きぶりは申し分ないようだ。特に納品クエストでは、品質の良い薬草などを納めてくれていて、大変助かっているよ! さて、今日はそんな君に【隠密】スキルを伝授させて貰おう。準備は良いかね?」


「は、はい。準備は大丈夫なんですが、一つお伺いしても良いでしょうか?」


「うん? なんだね?」


 許可を貰えたので、疑問に思っていた事を質問する。



「チケットに書かれていた【隠密】スキルについて、ギルドのスキル講習一覧に記載はありませんでしたし、この町のスキル屋にもスクロールは売っていませんでした。なんででしょう?」


「ああ、そのことか。この【隠密】スキルは、モンスターに気づかれにくくなる優秀なスキルなのだが、悪用もしやすくてね。だから、この町では私自身がこれぞ! と見込んだ相手にしか伝えていないんだよ。ついでに犯罪履歴も調べて、問題ない者かどうかもチェックしてるよ」


「犯罪履歴ですか?」


「そうだよ。君も受付で調べられただろう? 水晶で調べるやつさ」


 あの受付の水晶玉って、そんなものを調べてたのか……。



「君は犯罪履歴も無く、あの鬼ごっこで見込みもあると分かった。このスキルを伝授するに相応しい人物さ! さて、他に質問は無いかな? 無ければ、早速講義といこう!」


「はい! 宜しくお願いします!」







* * *



 講習内容は、室内での座学に加え、セカドの森まで行って実際のモンスター相手に実技を行った。


 枝やらなんやら落ちている森の中で、気配に敏感なラビ系モンスター相手に、気づかれずに一定距離まで近づけと言われた時は、いきなり無理だろ! と思ったが、座学で教わった音が立ちづらい歩き方や気配の消し方を必死で思い出しながらなんとかこなす事ができた。


 (何度も何度も失敗して、その度にサーフィルさんがアドバイスしてくれたのがありがたかった。)


 そして、普通の講習より遥かに時間をかけて、【隠密】のスキル講習を終える事ができた!!



「おめでとう。これで【隠密】スキルの基本はバッチリだ! 後は、君自身で【隠密】の道を極めたまえ。ああ、間違えても誤った事にこのスキルを使わないようにね。私もせっかくの生徒を捕縛するのはしのびない」


 そう言って笑うサーフィルさんだったが、顔は笑顔なのに目は全然笑っていなかったので、このゲーム内では絶対に危なさそうな事には手を出さないようにしようと誓った。


 因みに、スキルの詳細はこちら。




【隠密】スキルLV 1

 自身の気配を消し、闇に潜むスキル。このスキルを極めれば、凄腕の暗殺者にも、世紀の大怪盗にもなる事ができる。どう使うかは貴方次第。


 習得アーツ

  ・忍び足 P




 ……いや、暗殺者にも怪盗にもなる気はありませんけどぉおお?!!



 というか、薄々気づいていたが、このスキルどっちかというと、後衛向けだな?! 前衛の自分が持っていても、あんまり意味が無いかもしれない……。


 まあ、セットスキル枠にはまだ空きもあるし、持っていても損はないだろう。


 うーん、スキル説明はともかく、効果は破格そうなんだよな。現状、自分 1人?しか持ってないとなると、このスキルがバレたら面倒くさそうだなぁ。


 一応、黒ローブの事は、お散歩スレに書き込んでるし、スキル取得者がある程度増えるまでは、秘密にしておこう。




・現時点でのプラナのスキル


セットスキル(9/11)

【剣術】【身体強化】【遠見】【鑑定】【水魔法】【採取】【解体】【投擲】【隠密】


控えスキル

 なし



 ……そういえば、盾持ってるのに【盾術】は持ってないですね。どうしようかなあ。


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― 新着の感想 ―
アサシンニンジャと遭遇しそう
>このスキルどっちかというと、後衛向けだな 逃げ隠れじゃなくて戦闘で考えるなら、初手は遠距離有利としても不意の一撃で仕留めきれる火力が無い限りはむしろその後の連撃に繋げられる近接向きな気も?
うーんこのソロ向けスキル、悪いことはしなくても望まない遭遇やらかしそう?
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