9話 野良パーティで再戦!
戦闘シーン難しいです……
やっとデスペナが解除された。待っている間は、武器・防具の修理や道具の補充。それから、運良く入店できたカフェで一息つくことができたので、充分リフレッシュできたと思う。
気分新たにポータル広場までやって来た。まだ、エリアボス攻略のパーティ募集はやっているようだな。さて、良さそうなパーティは……。
お、あのパーティが良さそうだ!ビーストマンの槍と弓持ちの2人に加えて、ローブを着て杖を持った、如何にも魔法使いなエルフが2人。これは近接職を必要としている筈だ!
「あの、すみません。こちら、エリアボスのパーティ募集やってますか?」
「は、はい!野良パーティ募集中です!私達も今集まったばかりで……」
「おっ、剣と盾のオーソドックスな近接タイプじゃん!ちょうどいいな」
「良かったぁ!集まったは良いけど、バランス悪いかもって話してたんです」
「お兄さん、声かけてくれたって事は〜、パーティに加わってくれる感じで大丈夫です〜?」
「はい。宜しければ是非」
パーティ申請が飛んできたので受諾する。無事にパーティに加われたようだ。良かった良かった。……もし、これがリアルだったら、多分こんなスムーズに行かなかっただろうな。
「よっし!これで5人。直ぐにボスのとこまで移動して大丈夫か?」
気さくな感じのビーストマン(犬)の槍持ち。この人がリーダーかな?因みに男性アバターだった。名前は『ハセガワ春巻』。
「「私達は大丈夫です!」」
エルフのお二人は、元から知り合いなのかな?女性アバターで名前は『カルメラ』と『マカロンマカロン』。
「お兄さんも平気〜?」
「ええ、大丈夫です。自分の事は普通にプレイヤーネームで呼んでもらって良いですよー」
「ありがとうございま〜す!じゃあ、プラナさんも気軽にメンマって呼んでくださいね〜」
ニコニコ笑って話してくれたのは、ビーストマン(猫)の弓使い。こちらも女性アバターで、名前は『おつまみメンマ』。
……自分以外、プレイヤーネームが全部食べ物系なんだが?これ野良パーティでいいんだよな??全員知り合いとかじゃ無いんだよな?
* * *
ほどほどに話しながら、再度ラージスライムの元までやって来た。あらためて見ても、でっかいなー。
ちなみにおなじ男性アバター仲間の『ハセガワ春巻』さんとは、道中でそこそこ仲良くなって、春巻さんと呼ばせてもらうことになった。
「それじゃあ、エリアボス戦に入りますよ!打ち合わせ通り、俺とプラナさんが先ず突っ込みますんで、他の3人は後ろから攻撃お願いします。酸攻撃には気をつけて!」
「「はい!」」
「りょうか〜い」
「よろしくお願いします」
リーダーの春巻さんが、エリアボス戦のポップを許可すると、インスタンスエリアに入った。
すかさず、自分と春巻さんが武器を構えて突っ込む。自分は、少しでも体勢が崩せるようにノックバック効果のある【スラッシュ】を使って斬り込む!
春巻さんも槍にエフェクトが掛かってるので、何らかのアーツを使ったようだ。少し後ろにのけぞったラージスライム。
そこに放たれるエルフ2人の魔法とメンマさんの矢。エルフ2人は、それぞれ【火魔法】と【風魔法】のようだった。
後続の攻撃当たると、かなりのダメージが入ったのか、ブルブル震えながら、ビョンっと飛んで後ろに下がった。
すると、体の一部が僅かに盛り上がる。確かソロで戦った時に見た挙動だ。酸攻撃が来る!あの位置からだと……メンマさんが狙いか!?
急いでメンマさんの前へ。射線を遮っちゃうけど、ごめんなさい!ラージスライムから酸が飛ばされるが、そんなに早くないので盾で防ぐ。
「ありがと〜!」
メンマさんからお礼を言って貰った。立ち回りとしては、大丈夫だったみたいだ。後ろからなにやらエフェクトが掛かった矢が俺を避けて曲がりながら飛んでいく。曲射的なやつかな?
春巻さんが、追撃しているので自分も前に戻って前衛に加わろう。
* * *
戦闘開始から十数分後、無事にラージスライムを撃破する事ができた。途中、最前線を張っていた春巻さんが吹っ飛ばされて、後ろにいたカルメラさんが巻き込まれたり。マカロンマカロンさんの風魔法が俺を掠ったり(システム的にフレンドリーファイヤは無効で助かった!)。
色々あったが、なんとか勝利することができた。まあ、最初のエリアボスだからな、あんまり強いボスでは無かったようだ。
『おめでとうございます!エリアボス「ラージスライム」を撃破しました。以降、この場所は戦闘不要で通り抜け可能です。再戦したい場合は、エリア前で「再戦する」をご選択下さい』
よしよし。勝利後のポップも出たので、本当に終わったみたいだな。因みにドロップ品は『スライムの粘液』が10個だった……。
勝利の余韻に浸りつつ、せっかくだから次の町までこのパーティで行こうとなったので、橋を渡って向こう岸へ。
街道を進むと、同じプチスライムやプチラビでもファスの町周辺のより手強いのが出たり、名前からプチがとれた「スライム」が現れたりしたが、パーティを組んでいるからか、大して苦戦せずに進む事ができた。
そして、目の前に現れる外壁に囲まれた第二の町。
――遂にたどり着いた!
主人公は気の知れた友人や家族以外とは、基本的に「よそ行きモード」で話します。そのため、ゲーム内でも初対面の他プレイヤーや住人NPCとは敬語。
ナインには、最初からタメ口だったって?ナインは、ヒト型では無かったし、子供声の親しみやすい感じだったので、つい「よそ行きモード」が崩れてました。
魔性の人たらしAI、それがナイン!