ジョーの不思議な冒険part3 彼の日の約束?
家紋武範様主催「約束企画」参加作品です。
家紋武範様、皆様、宜しくお願い致します。
「よーお! お待ちどう!」
幼女……いや童女だったかが。
もンの凄く太々しくテキトーに右手を上げる。
発展途上な? 世界では上等な宿とされる所での事だった。
おれはジョー!
何を言ってるのかわからねーと思うが
ありのまま起こった事を話すぜ!
其の童女ってのは
「神聖”神の手”帝国」だかいうアブねえ国の
戦争を止めに行ったのだが!
其れから……!
一月はしねえで帰って来たんだ!
「……行くの止めたのか?」
其うも思うだろうっ?
だってえ「帝国」とやらは
ココの隣りの隣りの隣りの……!
どん位だっけ?
兎に角遠い国だったんだからなっ!
然し太々しい童女ときたら!
「バカが何言ってんの?
「帝国」ブチのめして損害賠償請求して!
一通り片付けて来たに決まってんダロ?」
スッゲー冷ややかな目で言ったっ!
おれは今やつの話をほんのちょっぴりだが聞かされた!
い…いや…聞かされたというよりは
まったく理解を超えていたのだが……!
子ども騙しだとか誇大妄想だとか
そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ…!
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…‼
「……もうネタは良いか?」
童女がよく分からん事を言う!
「ネタって?」
「くっくっくっ!
知りたい方はネット検索で~!
なーんて?」
「おれネットとか分からないってえ言ってんだろっ?」
だというのに!
此の童女は魔法で? ネットみたいな事?
出来るだとかいうじゃあねえか!
もう無茶苦茶だろっ?
理解出来ねえよなっ?
いや然し!
おれ達はソレを当てにして
態々外国くんだり迄童女を頼って来ているんだが!
ネットみたいな魔法? で調べられるとかいうんで
知識量が半端ないんだよ!
童女なんだがなっ!
然しナリは童女なんだが
イイ年の日本人、
男性!
の記憶があるらしい?
フツー、
日本人の生まれ変わり!
と言われるし本人も思う所だろうが
コイツは否定していてな?
処か
「生まれ変わりなんか信じているヤツはバカだ!」
なんて嘲笑しやがるから
生まれ変わりとか言い難くてよう?
うん!
嘲笑だ!
此の童女、
見るからに性格が悪いんだ!
けど知識は欲しい!
スッゲー悔しいぜっ!
「ジョーが自分で調べられれば
此処迄来なくて良いのになあ?」
童女は又言って
悪い笑みを浮かべる!
クっ! ソっ! ガっ! キゃあぁあ……っ!
「抑も魔法ってオカしいだろうっ⁈
だって其んなモン無い世界? の日本人の記憶を持っていて!
何で魔法だとか!」
「ん~?
自分の「魔法」ってのは基本
「道具の代わりになるもの」であって
科学知識が大いに関わっている! んだぞ?」
話の途中だが!
此のクソガk……童女、
一人称が「自分」!
なんだ……!
えぇえぇえ~……?
だよな?
名前……純粋に親から貰った名前は「ちい」!
だそうだが
世間じゃあ
武神! ドラゴンスレイヤー! 只乃山椒‼
で通っているのだとか?
自称! ……じゃあねえんだよ!
世間で通っているんだってよ!
恐ろしいだろ?
実際勝負してみれば
殴り合いでも武器戦闘でも敵わないんだぜ?
其の上魔法使いだとか……!
反則過ぎるだろっっっ!!!!
斯く言うおれも
システマだかいう軍隊格闘技? 教わっちまってな?
其れも試合の片手間でだ!!!!
お陰で仲間内でのおれの評価も上がって……
って煩えよっ!
感謝なんかしていないんだからねっ!
……クソガk……ちいがおれに教えたのなんか
本当に片手間でな?
コイツ自身は空手を使うらしい?
スマンおれ詳しくないんだよ!
けどクソガキときたら……!
武器も本当に何でもいいらしくて
初めて会った時は双剣……両手に剣を一本ずつ持って?
かと思えば
太刀……戦場用の長い刀だとかを使ってみたり?
無茶苦茶だよなっっ……?
コレを何とか出来るとかいうヤツ居たら手を上げろ‼
……で!
此んなヤツに何を頼ったか? だが!
先ずはコメ作りなんだなー?
ヤツはムギが大変嫌らしくてよ?
随分熱心なんだ!
何でもグルテンとかいう成分が悪いそうでな?
然も水稲……イネを田んぼで育てれば
収穫量も多く連作障害? も防げるんだとか?
畑で同じ作物作り続けると
段々悪くなってくるんだってよ?
ちいがイイ事ばっかり言うモンだから
コメ作り始めてみたら……
全然簡単じゃねえっっ……!
「文句有んのか?
結局幸せってえのは腹いっぱい食える!
って事ダロ?」
はいはいっ!
ホント嫌なガキだっ!
でも頼らざるを得ない!
泣けてくるよ本当にっ!
「然し何でまた遠い外国に? 戦争止めに行ったんだ?」
おれ達がちいに頼ったのと同じ頃に
又別の外国が頼って来たらしいのだが!
いや遠い国なんだよな?
どういう縁なんだよ本当に!
ちいはやはり太々しい笑みを浮かべて平然と言う。
「モンストール王国と約束していてなあ?
約束を果たしに行ったのさあ?」
……。
「モンストール? 何か聞いた様な覚えが?」
「「「モンストールの怪物」かっっ‼」」
おれが何となくな事を言っていたら
食い気味に言ってきたヤツが二人。
まあ先程から「おれ達」と言っているが旅仲間だな?
おれ達は九人でクソガ……ちいを頼って来た訳だが
元々は四人と五人の二つのパーティー(集団)だったんだ!
言ってきた二人は
其れぞれのパーティーのリーダー格だな!
いや少なくともウチは
明確に決めた気はしないのだが。
リーダーっぽいのがキュート。
え? ソレ名前? という気はするが
ココ異世界なんでな。
うんどう考えても
日本と繋がりが無い世界!
だって「神聖”神の手”帝国」だとか
何時の何処の国だよ⁈ だろ?
兎に角キュートだが女性なんだな!
名前が似合っているか? だが……
声は可愛いな! うん!
見た目は……重戦士なんだよ!
いや冒険者という関係上
鎧は革製なんだが!
武器は両手剣! 両手で持つ長い剣だ!
九人中最大だぞっ!
因みにおれの武器は杖?
見た目は……何の特徴も無い、短めの棒! だ!
ちいに言わせると
コレが色々出来てイイらしいんだが!
仲間からさえ散々見下された
冴えない武器だった訳よ?
けどちいに稽古付けて貰って?
見直される様に?
……ってだからヤツになんか感謝していないんだからねっ?
兎角今なんか
杖でキュートと打ち合いの稽古が出来る迄になっちまった訳よ?
稽古は勿論! 木製の武器でだが
キュートと打ち合えるのはおれだけ! なんだよ?
褒めて欲しい位だぜよ!
今迄練習相手も居なかったキュートは大変喜んでいるが!
正直怖えんだよ!
木製とは言え
当たれば死ねるぞっ? 両手剣!
コレでもキュートは
ちいには敵わねえんだっ‼
改めて彼のクソガ……ちい!
オカしいだろっ?
兎も角……!
もう一人のリーダー格な?
強面でコアモディっておっさんなんだけど!
うーん……名前が何だかな?
いや余計なお世話だから何も言わないぞ? おれは!
で! 二人が叫ぶ「モンストールの怪物」……!
「……遠くで国をも滅ぼしそうな怪物、が出現したんだっけ?」
「何を吞気に言っているのだジョー!」
「討伐に向かった冒険者達も何人犠牲になったのだか……!」
二人に怒られた?
だって遠い国だし?
だが爆弾発言は
ちいから飛び出す!
「ソレ斃したの自分とウチの子達♡♡」
……えー……?
「どうやって?」
「流石に魔法で! だなあ?
超巨大怪物だったし!」
いや超巨大怪物ってあーた……?
「魔法にしてもどうやってだよっ?」
「虫メガネを参考にした!」
「巫山戲てんのおおおっ⁈」
ちいって此ういうクソガキですよ⁈ 皆さん!
「至って真面目だぞ?」
いやニヤニヤしながら言うなよっ!
コイツ相手にしていると溜息しか出ねえ……!
「ムシメガネとは何だ?」
あー異世界人な仲間達は分からんよな!
「手軽に小さいモノをよく見る為の道具……か?」
だよなあ?
ちいは相変わらずニヤニヤと眺めているが!
本当コイツっ……!
「……流石神! を名乗るだけはある様じゃのう?」
おっさんは其う結論した様だ?
えぇえ~……?
おっさんは更に仲間達を諭す様に言う!
「分かっておるか?
国をも滅ぼす様な怪物を斃したと!
いとも気軽に言って退けるんじゃぞ?
わし等が敵わぬのも道理よな」
いや笑えねえからおっさん‼
強面のクセに好々爺然として微笑まんでっ?
得体の知れねえガキだろ⁈ ソレ‼
「で! 怪物を斃して自分は王サマに言った訳だ!
此の後国に危機が訪れた時! 一度だけ助けよう!
ってな!」
ガキは語り続ける……。
御伽噺か何かデスか?
ニヤニヤ語っているし!
「何で一度だけ?」
つい訊いちまったら!
「何度も助けるのはメンドくせえじゃん?
遠い国なんだし!」
「理由がテキトー過ぎねえかっっ⁈」
「いやいやジョー!
他国の神をあんまり当てにするのも
自立心が無いに過ぎるだろう」
「怪物に襲われて弱った国を侵略しようと企む者が現れる!
其う踏んだのじゃな? 武神サマ」
キュートもおっさんも
何で其んなガキをヨイショしてんの?
「コレ神サマか?」
「おいおいジョー! 無礼が過ぎるぞ?」
キュートこそどうしちまったんだよ!
だってコイツ、
ニヤニヤと嫌な笑み浮かべているじゃねえ?
「武神様は平然としていらっしゃるが
相手が相手なら無礼討ちされるぞ?」
真顔コエえよキュート!
って何ソレ斬り捨て御免deathかっ⁈
「一番恩恵を賜っているであろうに!
分からぬ者も居るものだ」
おっさん何溜息吐いてんの?
其処のガキの所為だよな?
「其ういった縁で遠い国に向かわれたのですね武神様」
何かキュートが話を纏めてしまう?
いやキュートだって一寸前迄「様」付けていなかったじゃね?
言葉ももっと乱暴だったし!
「其れにしても! 侵略者を相手取る等
随分思い切りましたね?」
キュート……! 何時から
其んなおべっか使うヤツになっちまったん……?
ガキは相変わらず太々しく応える!
「何て事ないさ?
まあ流石に一週間じゃあ無理だったが! 此んなモンだ!」
ああ出掛ける前に言っていたな?
事実一月は掛けずに済まして来た! ってか!
ガキが更に言う?
「で?
王サマと話は済んだか?」
「何とかな!」
何の事か? って!
もう一つのコイツを頼った理由だ!
コイツ、何でも医療行為を始めたらしくて?
ウチの国の者が教わりに行って良いか? という話なのだっ‼
民間医療というヤツ……所謂モグリの治療? というヤツは!
はっきり言って治す気無いだろう!!!! という
関わるのも恐ろしいシロモノで!!!!
現代日本の意識が有るなら
絶対!!!!
ンなモノ受けないねっ!!!!
だって首絞められて
放すとスッキリしないか? とか!
怪我したら即切断!!!! とか‼
ウマのクソ食え!!!! とか!!!!
試してみたいヤツ居るかよ?
其れでも発展途上な? 所では
平然と行われるんだぜ?
身も凍る!!!!
って此ういうのを言うんだな!
だがクソガキが始めたのは
勿論本格的なモノらしい?
記憶の日本人、医療関係者だったの?
クソガ……ちいの話じゃあ
現代だからって信用出来るモノでもないというが!
じゃあ凡人はどうすりゃ良いのさ?
ああ
ちいの話じゃ……ってばっかりで悔しいな!
兎も角医者と徹底的に相談しろと!
医者と話す中で
信じられるかどうか判断しろ! ってんだな!
「まあ判断するにもオツム(頭)が要るがなあ?」
だからエラそうに言うのヤメテ?
ムカつくから!
「けど命を預ける相手なんだから下手な遠慮はせず!!!!
然しバカな所は見せない様に! 真剣に‼ 本気で!!!!
相談しなければ成らない!!!!
んだぞ?」
うおっ? 急に真顔になりやがった?
大事な話! って事?
「医者だってニンゲンだ!
バカの相手は疲れるし嫌な相手には全力を尽くしたくもない!
ってなるダロ?
結局バカは損するのだよ!」
だから悪い笑みを浮かべるのはヤメロ!
クソガキ此れが常態だからなあ……!
んで此処の王サマとの話だったが!
まあ国際問題になるからだな!
話しとかないといけなかったと!
然し庶民は思う様には話の機会が持てないのであった!
だから何とか、なんだよ!
何サマだよ! って王サマか……!
面倒くさいねえ?
「んーじゃあ早えトコ話付けないとな!
行くぞっ!」
ガキは其んな事を言い始める!
「え? アポイントメント(会う予約)? とかは?」
面倒くせえが
王サマと会うとかは其ういうのが必要だとか……!
然しガキは言い放つ!
「はっ! 国王とて
武神を門前払いは出来んさ!」
えぇえぇえ……?
本当コイツ無茶苦茶だよお……?
王サマも許しちゃうの?
此んなヤツ!
然しおれ達はコイツを頼らざるを得ないので……?
ああもうムカつくなっ!
「不満そうだなあジョー!」
ぎくっ⁈
やはりガキは太々しい笑みで言うが!
キュートがこそっとおれを怒る?
「武神様は約束は絶対! 守っているだろう!
我々に出来る事は
武神様の機嫌を損ねない様に!
其れだけなんだぞ!
分かっているのかっ!」
うえぇえぇえ……?
コレって其ういう話なの?
クソガキ恐るべし!
やれやれだぜ!
一応すぴんおふ作品デス!
まあ本編は見なくてもご理解は頂けるでショウ!
九人の仲間達も
省いたけど名前有るし!
ヒドいね!(笑)
けど自分だって
必要のないカタカナ名前ごちゃごちゃ出るのは
読めないんだ!
兎角ご覧頂き有難う御座いました!