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第六十四話

ショッピングモールに着いた俺たちはまずスタバで喉を潤すことにして俺はカフェモカ、神崎は抹茶クリームフラペチーノを頼んだ。


「優也さん、まずはなにします?」


「お前が出掛けたいって言っただろ?なにがしたいんだ?」


「うーん、一緒に出掛けたかったっていうか、それが目的だったんでやりたい事とか考えてませんでした。」


「まあ適当にブラブラして気が向いたとこに入ってみるか。」


「そうですね。そうしましょう。」


スタバを後にしてモール内を歩いているとある店の前で神崎が立ち止まる。


「優也さん、ここに入ってみましょう。」


その店はお洒落なメンズブランドショップだった。


「ここはメンズショップじゃないか。俺の服見ても仕方ないだろ?」


「そんなことないですよ。優也さんがよりイケメンに見えるコーデとか探しましょうよ。」


「俺はイケメンに見られたいとか思ってないから却下だ。眼鏡も外さないからな。」


「そんなに嫌がらなくてもいいじゃないですかー。今日のところは諦めます。次行きましょう。」


次はゲームセンターに来た。


「優也さん、ここで遊びましょう。」


「いいけど俺あんまり来たことないからよくわからないぞ。」


「そーなんですか?実はクレーンゲームが得意でなにか取ってくれたりしないんですか?」


「ほとんどやったことないから難しいな。」


「こんな時に物語の主人公ならあっさり取れたりするんですよね。」


「主人公ならな。まあとりあえずなんかやってみるか。」


二人で大量にあるクレーンゲームを見て回る。

いくつか神崎が興味がありそうな景品があったのでその中の一つのぬいぐるみが入っているクレーンゲームをやってみる事にした。


「優也さん、この猫のぬいぐるみが欲しいです。」


「いいけど俺に取れるかはわからないぞ。」


「それならそれでいいですよ。やってみましょー。」


とりあえずやってみることに。

テレビなんかでもたまにやってるのを見たことがあり数回かけて落とし口に近付けたりするというのは知っている。

まず一回やってみると一度持ち上がったがすぐに落ちてほとんど最初の位置から動かなかった。


「次、アタシがやってみます。」


神崎がやってみたが俺のとほとんど変わらない結果だった。


「全然取れそうにないですね。」


「前に見たけど少しずつ動かしていって落とすらしいからやってみるぞ。」


俺はそう言ってお金を入れて挑戦する。

四回ほどやって落とし口近くまで持ってくることが出来た。


「次で落とせそうだな。最後はやっていいぞ。」


「えっ?そんな美味しいとこ取りみたいなことしていいんですか?」


「いいぞ。」


「じゃあお言葉に甘えて。」


神崎がお金を入れて挑戦する。

ぬいぐるみの端のほうを持ち上げて落とし口に倒そうとしているようだ。

が、アームから外れたぬいぐるみは反対方向に転がりほぼスタート地点に戻ってしまった。


「……………」


「あっはっは、戻ってんじゃねーか。」


俺は思わず笑ってしまった。


「……笑うことないじゃないですかー?じゃあ今度は優也さんがやってみて下さいよー。アタシが落とし口近くまでやりますから。」


そう言って神崎はお金を入れる。

五回ほど挑戦してさっきと同じところまで持ってきた。


「じゃあ優也さん、やってみて下さい。」


「わかったよ。」


俺はお金を入れてアームを動かす。

さっきの神崎のを見ている俺は落とし口に近いほうにアームがかかるように操作する。

そのまま持ち上がりそうなところでアームが外れたが今度は落とし口の方にぬいぐるみが転がる。


ポトッ


転がったぬいぐるみは見事に落とし口から取り出し口へと落下した。


「えっ?取れました?」


俺はぬいぐるみを取り出しながら「お前の見てたから落とし方がわかったよ。」と答える。

取ったぬいぐるみを神崎に渡す。


「ほらよ。」


「いいんですか?」


「俺はぬいぐるみとかいらないしな。お前のために取ったんだからやるよ。」


「ありがとうございます。大切にしますね。」


「別に大切にするほどのもんでもないけどな。」


「せっかく優也さんが取ってくれたんだから大切にします。」


「そうか。」


「えへへ。じゃあ次はプリ撮りましょう。」


次はプリントシールを撮ることになった。


「優也さん、笑顔ですよ。」


「わかってるって。」


数回撮ったところで神崎があっ!となにかを思い出したような顔をした。


「せっかくだからこのコも一緒に撮りましょう。」


神崎はさっき取ったぬいぐるみも一緒に撮りたいらしい。

それから神崎の言う通りのポーズをしながら撮影が進んだ。

撮り終わって神崎は嬉しそうにシールを眺めている。


「優也さんはバッグ持ってないし帰ってから半分渡しますね。」


「りょーかい。」


その後も興味のある店を見つけると立ち寄ったりしながらモール内を歩いて回っているといつの間にか夕方になっていた。


「そろそろ帰らないとご飯が遅くなりそうですね。」


「もうこんな時間なんだな。帰るか?」


「ですねー。料理作る時間もあるんで帰りましょう。優也さん、今日はありがとうございました。楽しかったです。」


「なんかここで別れるみたいな言い方だけど、まだ帰って一緒に飯食うんだよな?」


「今のはデートのお礼ですよ。料理は腕によりをかけて作りますからね。」


「それは楽しみだな。腹も減ってきたし帰ろうぜ。」


「ですね。」


神崎はまた腕を絡めてきたが今度は俺もなにも言わなかった。

家に着くと早速神崎は料理を始めた。

鼻唄を歌いながら料理をする神崎を見ていると俺も楽しい気分になってくる。

出来上がった料理を二人で食べたが今日はいつもより一層旨く感じる。

これが一日中神崎と遊んでいたからなのか、腹が減っていたからなのか、理由はわからないがこれからも神崎の料理を食べたいと思わせる味だった。

読んでいただいた方ありがとうございます。

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なるべく多くの方に読んでいただきたいです。

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