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第六十三話

日曜日、今日は朝から神崎が来ることになっている。

九時に目が覚めたが神崎が来るのは十時の予定なのでまだ時間がある。

とりあえずシャワーを浴びることにした。

軽く汗を流して風呂場から出るとスマホにメッセージが届いていた。

見てみると神崎からでもうすぐ着くとのことだった。

約束した時に言われた通り鍵を開けておく。

しばらくすると、


コンコン、ガチャ


「おい!いきなり開けるな!」


「おはよーございます!ってノックしましたよ。」


「したけど返事待たずに開けるなよ。」


「返事待てとは言われてませんし、すぐ開けるために鍵開けといてもらったんですよ。」


「まあここではいいけど他所でそんなことするなよ。お前の常識を疑われるぞ。」


「安心して下さい。優也さんちでしかしませんよ。」


「どっかの芸人みたいな言い方すんな。いらっしゃい。」


「お邪魔しまーす。優也さん、眼鏡かけずに前髪で目が隠れてないとほんとにイケメンですねー。」


「あん、普通だろ?これぐらい。ところで今日は荷物少ないな。」


「ここの調理機器もだいぶ揃いましたからね。食材は優也さんと買いに行こうかと思いまして。」


「ある程度、食材買っといたぞ。」


「そーなんですか?ちょっと見てみますね。」


そう言って神崎は冷蔵庫を確認する。


「ほんとに買ってくれてますね。でもこれだけあったらアタシがしょっちゅう来ないと食材ダメになりません?」


「あー、そうかもな。」


「冷凍出来そうな物は冷凍して出来ない物は使い切るようにちょこちょこ来ますね。献立決めずに買っちゃうとこうなるんでこれからはやっぱりアタシが買ってきます。」


言葉には出さないが内心、おかんか!と突っ込んでいた。


「なんか悪いな。」


「ここに遊びに来る口実が出来たんでいいですけどね。ご飯にはまだ早いですし掃除していいですか?」


「いいけど無理にしなくていいぞ。」


「いえ、やります。優也さんちってなんか居心地いいんですよね。これからも遊びにくるつもりだし綺麗なほうがいいんで掃除は任せて下さい。」


「ありがとな。」


俺は神崎に甘えて掃除をしてもらったがさすがになにもしないのは気が引けて二人で掃除した。

掃除が終わると神崎が料理を始めた。


「すみません。優也さん、いきなり掃除始めちゃったからブランチになっちゃいますね。」


「いいよ。朝は食べないこと多いし。」


「朝はちゃんと食べたほうがいいですよ。」


「男の一人暮らしだと食べない奴のほうが多いだろ。」


「そーなんですかねぇ。これからは朝作りに来ましょうか?」


「それは申し訳なさすぎるからいいよ。っていうか俺が惰眠を貪れなくなるだろ?」


「いいじゃないですか?規則正しい生活すれば。よし!ご飯出来ました。海老と卵のオーロラソース和えです。」


俺の食べたことのない料理だがやっぱり神崎の料理は旨かった。


「ところでオーロラソースってなに?」


「マヨネーズとケチャップを混ぜるだけの簡単なソースですけど知りませんでした?」


「やったことはあるけど名前は知らなかったな。」


「それで、これからどうします?買い物は行かなくてよくなりましたけど?」


「このままダラダラしたらダメなのか?」


「えー?ここでゆっくりする時間も好きですけどせっかく時間あるからどっか出掛けたいです。」


「どっかってどこだよ?」


「ショッピングモールでデートしましょうよ。デート!ほら?いつも家事やってるお礼ってことで。ダメですか?」


「……まあいっか。料理もご馳走になってるし行くか。」


「やったー。じゃあ準備しましょう。」


俺は出掛けるために着替えを始める。

何度か目の前で着替えているうちに神崎が居ても気にせず着替えるし神崎も俺の着替えを意識しなくなっていた。

と思っていたが神崎は横目で俺の着替えをチラチラ見ていた。

着替え終わると神崎は洗面所で化粧直しを始めた。

いや、俺が着替えてるときにやっとけよ!思ったが口にはしなかった。


「準備出来ました。あれ?優也さんイケメンスタイルじゃないじゃないですか。」


眼鏡を掛けた俺を見ての発言だろう。


「当たり前だ。あの格好はもうしない。」


「えー?イケメンフォームな優也さんとお出掛けしたかったなぁ。」


「イケメンフォームってなんだよ。今の俺が嫌なら出掛けるのはなしだ。」


「さあ、なにしてるんですか?行きますよ!」


わかりやすい神崎だった。

ショッピングモールまで二人で歩く。

やけに距離が近いと思っていると神崎が腕を組んできた。


「おい、腕を組む必要なないだろ?」


「必要はなくても組んじゃダメっこともないですよね?今日はデートなんですから。」


「デートなのかなぁ。まあいいけど腕を組んでも胸を押し当ててきたりするなよ。」


「そんなことしませんよー。なんですか、それ?誰かがやってきたんですか?」


一瞬、鈴音の顔が浮かんだが表情には出さない。


「やられてないけど漫画とかでよくあるだろ?」


「あー、ありますね。優也さんがやってほしいなら考えますけど?」


「だからやるなって言ってるだろ。」


「やるなはやれってことじゃないんですか?」


「俺はお笑い芸人じゃないからな。」


なんとなく腕を振りほどくことが出来ずそのまま腕を組んでショッピングモールに向かうことになった。


読んでいただいた方ありがとうございます。

もし面白いと思っていただけたら拡散してもらえたらうれしいです。

なるべく多くの方に読んでいただきたいです。

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