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第六十一話

バイト終わりにスマホを見てみると鈴音からメッセージが届いていた。


『ホワイトデーありがとね。ピアス二つとかあんたにこんな甲斐性があるとは思わなかったわ。ありがたく使わせてもらうわ。』


俺は読んですぐに返信した。


『一応、お前に似合いそうなの選んだつもりだからな。』


送ってから帰っていると電話が掛かってきた。


『バイトお疲れ様。あんたが思ったよりセンスがあるからびっくりしたわ。小さいほうは普段使いするけど大きいほうは普段の大学に行く格好には合わないわね。』


「お前なら合う服いっぱい持ってるだろ?」


『あるけど大学に行くときには着ないのよね。』


「まあ出かける時にでも使ってくれ。」


『私のほうが貰いすぎな気がするわね。……そうね……じゃあ今度二人で飲みに行かない?』


「そうだな。久しぶりに行くか。」


『ええ、今日のお返しに私が奢るわね。』


「今日、渡したのはそんなに高くないから奢らなくてもいいぞ。」


『大丈夫よ。今回はそんな気分だから奢るわ。』


「じゃあご馳走になるかな。何時にする?」


『そうね、週末はバイトは?』


「今週はないな。」


『じゃあ金曜日に行きましょ。お店は私が見つけて予約しとくわね。』


「ああ、頼むよ。緊張するから高級店とかは止めてくれよ。」


『わかってるわよ。あんたと行くのにそんな店選ぶわけないでしょ?』


「だな。じゃあ時間と場所をまた連絡してくれ。」


『わかったわ。』


電話を切る。

鈴音とは前はたまに飲みに行っていたが鈴音の家でご飯を作ってもらうようになってからはほとんど行かなくなったので久しぶりだ。

毎週、ご飯を食べているのに飲みに行くとなるとなぜか楽しみになるのだった。



アパートに帰り、風呂とご飯を済ませてゆっくりしているとスマホに着信が入った。

画面を見ると彩乃からだったのですぐにスワイプして通話する。


「もしもし、彩乃?」


『優也くん、もう帰ってる?』


「帰ってゆっくりしてたよ。」


『じゃあ話せる?』


「ん、大丈夫だよ。」


『優也くん、素敵なプレゼントありがと。』


「旨いチョコのお礼だからね。使ってみてくれた?」


『電気を消して使ったら凄く幻想的で良かった。優也くんは試したりしてない?』


「してないからどんな感じになるのかわからないんだよね。」


『じゃあ次にうちに来たときに使うね。凄く雰囲気もよくて最高だよ。』


「気に入ってくれてよかったよ。」


『うん、今日はこれを使ったまま寝ようと思うの。』


「そっか。もう寝るんでしょ?」


『うん、優也くん、おやすみ。』


「おやすみ。」


彩乃は俺が思っていた以上に気に入ってくれたようだった。

お返しの中でも一番なにを渡すか迷っていたのでこれで一安心だ。



翌日、大学に行くといきなり神崎が走って近付いてきた。


「優也さーん、見て下さい。早速使わせてもらってますよー。」


神崎は目の前に来るとバッグから俺が渡したキーケースを取り出した。

似合うかどうか不安だったがキーケースを持つ神崎を見ると似合ってると思う。

あくまで俺のセンスなので他の人がどう感じるかはわからないが俺的には神崎に合っているデザインだ。


「気に入ってくれてよかったよ。そういえば俺もお前に貰った財布使ってるからな。」


俺はズボンの後ろポケットに入れていた財布を取り出して神崎に見せる。


「あっ、使ってくれてるんですね。優也さんに合ってる財布だと思って買ったんですけどいい感じですね。」


「サンキューな。なんかお前には世話になりまくってる気がするな。」


「あっ、じゃあ優也さん、一つお願いがあるんですけど聞いてもらえますか?」


「いや、内容によるだろ。」


「ですよねー。あのですね……土曜か日曜に昼間から優也さんちに行っちゃダメですか?」


「いいぞ。」


「ですよね。やっぱり昼からはさすがに………………えっ?いいんですか?」


「だからいいぞって言ってるだろ。」


「あれ?アタシって平日の夜だけの都合のいい女じゃないんですか?」


「なんでだよ!平日しか来るななんて言ったことないしお前を都合よく使ってるつもりはないぞ。」


「あはは、都合のいい女は冗談ですけどなんか週末にお邪魔するのは申し訳ないと思ってたんですよね。」


「いつも通り先に連絡してくれて俺が大丈夫な時なら土日でも全然来ていいぞ。」


「じゃあ日曜日、朝から行きます。いいですか?」


「いいけど朝早くは止めてくれよ。」


「わかりました。じゃあ八時ぐらいに行きますね。」


「はえーよ。休みの日にそんな時間に起きてるわけないだろ?」


「えっ?普通起きません?」


「そんな平日より早く起きねーよ。来るなら十時より後にしてくれ。」


「わかりました。じゃあ十時に行くんで鍵開けといて下さいね。」


「起きてたら開けとくけどいきなり入ってくるなよ。」


「えー?来るのわかってるんですからいきなり入ってもよくないですか?」


「モラルの問題だ。」


「わかりました。一応ノックはしますね。」


「一応ってのが気になるけどそうしてくれ。」


次の日曜日は神崎が来ることが確定したようだ。

だからといって特に準備することもない……と思ったがおそらくご飯は作ってくれるだろうからある程度食材は買っておくことにしよう。

読んでいただいた方ありがとうございます。

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