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第五十四話

一月五日、今日は里佳との約束がある。

里佳から連絡があり、元日に村田さんと待ち合わせたのと同じ時間に同じ駅で待ち合わせだ。

自分で言うのもなんだがイケメンスタイルで行く約束なので髪をセットしないといけない。

眼鏡も外せば見れる顔にはなると思うがお洒落な服はあんまり持ってないのでいつもの大学に行くときに近い格好だがスポッティに行く予定なのでお洒落より動きやすい格好をしてきたと言えばなんとかなるだろう。

約束の時間の少し前に着くように駅に向かう。

もうすぐ浴に着くというタイミングで反対から里佳がこっちに向かっているが見えた。

里佳は大学ではスカートをよく履いていた記憶があるが今日はパンツスタイルだった。


「あっ、優也おはよう、それとあけおめー。」


「おめでとう。タイミングよかったな。」


「そうね。行きましょ。」


二人で電車に乗る。


「そういえば優也って初詣行った?」


「ああ、元日にバイトの後輩と行ったよ。里佳は?」


「私は三日に帰省してない友達と行ったわ。優也ってどこでバイトしてるんだっけ?」


「駅の近くのリサイクルショップだよ。」


「えっ?そうなの?ちょっと待ってよ。」


急になにかを考え出す里佳。

俺が働いているリサイクルショップがどうかしたんだろうか。


「ねぇ、初詣に一緒に行ったのって女の子?」


「ああ、そうだけどどうかしたのか?」


「……いや、なんでもないわ。そんなことより優也ってスポーツ出来るの?」


明らかに話題を変えようとしているのがわかったがやぶ蛇になりそうな気がしたので乗っかることにした。


「どうかな?身体を動かしたり鍛えるのは好きだけどあんまりスポーツはやったことないからな。」


「珍しいわね。普通、学校でやってるでしょ?」


「あんまり学校行ってなかったからな。」


「不登校だったの?」


「そんな感じかな。」


なにかを察したのか深くは聞いてこなかった。

目的の駅に着いて歩いてスポッティに向かった。


「スポッティの中の自販機って高いからコンビニでなんか買っていこうよ。」


「持ち込みありなの?」


「もちろんよ。スポーツドリンクぐらいは持っていくのが普通だしね。」


「ふーん。行ったことないから知らないな。」


二人でコンビニに立ち寄って俺はスポーツドリンク、里佳は紅茶を買った。


スポッティに着いて受付をする。


「優也、どれぐらい遊ぶ?」


「俺は来たことないから里佳が決めていいよ。」


「それじゃ三時間ぐらいにしましょ。」


受付を済ませ中に入った。


「まずはなにをする?」


パンフレットを見たが卓球やボウリングなどはわかるが俺にはよくわからないものも多い。


「なんか名前見てもわからないから決めてくれ。」


「じゃあまずはトランポリンで体をほぐしましょ。」


里佳の言う通りにトランポリンで遊ぶことにした。

俺は初めてのトランポリンで最初は要領がわからなかったが慣れると遊び方がわかってきて楽しんだ。

次に卓球をやったがこれは高校でやったことがあり里佳と勝負したが俺の圧勝だった。

その後もボーリングなどで遊んだが小腹が空いたのでフードコーナーで反対から軽く食事をすることにした。

俺は牛丼、里佳はナポリタンを食べた。


「それにしてもやっぱり優也っ運動神経いいわね。正直、そこまで凄いとは思ってなかったわ。」


「そんなでもないだろ。」


「そんなでもあるわよ。やったことないのでもすぐ出来るようになるしビックリよ。」


「まあ器用なほうではあるかもな。」


「もっと遊びたいんだけど時間延長していい?」


「いいよ。」


「じゃあちょっと受付で手続きしてくるわね。」


延長してさらにいろんなコーナーで遊んだ。

結局、十一時頃から五時までの六時間スポッティに居たことになる。

帰りの電車で里佳は座席に座り疲れきった顔をしている。


「よく遊んだわね。私はもうクタクタだけど優也は余裕がありそうね。」


「体力には自信があるからな。」


「ほんとに凄いわね。もし寝ちゃったら起こしてね。」


「ほいよ。」


と返事をしたものの里佳は寝ることなく俺たちの家の最寄り駅に到着した。


「優也、ご飯食べて帰ろうよ。」


「いいけどどこに行く?」


「安めの居酒屋にしましょ。」


二人でリーズナブルなチェーン店の居酒屋に入った。

二人ともビールにして後は適当に食べ物を頼んだ。


「しかしなんで優也って隠キャなフリしてんの?この格好で大学に行ったらモテるでしょ?」


「モテたいと思ってないからなぁ。大学生活は目立たないようにしたかったんだよ。」


「いつもの優也は地味だけどもう目立ってるけどね。なんでそんなにキャラ変えてるの?」


「それを言うなら里佳もじゃないか?最初の合コンのときは漫画好きの大人しい子かと思ったけど実際は完全に陽キャだったよな。」


「あははっ、ぶっちゃけるとあれは慈愛の女神様が仲良くしてる隠キャってのが気になってたからオタクっぽくしてたのよ。」


「マジかよ。」


「あっ、でも漫画好きなのはほんとよ。オタクではなくて見ての通り陽キャだけどね。」


そんな会話をしているといい時間になったので解散することになった。

今日はスポッティでしっかり身体を動かしたのでゆっくり歩いてアパートまで帰った。



■ ■ ■



優也と別れた里佳は考え事をしていた。


(まいったわね。早苗が一緒に初詣に行ったのは間違いなく優也よね)


里佳にとって優也は気になる相手だがまだ完全に好きと言いきれるわけではなかった。

妹の早苗が元日に着る服を悩んでお洒落をしていたのは知っている。

間違いなく優也を異性として意識しているんだろう。

姉妹で同じ相手を……なんてことはしたくない。

しかし優也が気になっているのも事実だ。

それに鈴音とも仲良くなったが鈴音が優也をなんとも思っていないってこともないだろう。


(本気で優也を好きになったら早苗と鈴音との関係はどうなるだろう。まだ優也に彼女は居ないから問題はないはずだけど……)


里佳は答えのない疑問に頭を悩ませるのだった。

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