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第二十一話

「ちょっと聞いてんの?」


「あっ、悪い。もう一回頼む。」


「だから三女神を侍らせるつもりなの?」


鈴音は呆れたような表情で聞いてくる。


「はべっ、……侍らせるってなんだよ?」


「周りから見たらそう見えるかもってことよ。最近、()()()()()()と仲良くなったんでしょ?先日は友達が優也に満面の笑顔で駆け寄って話しかける()()()()()()()を見たって言ってたわ。あんた、私だけじゃなく他の二人とも仲良くなって目立たない大学生活って幾らなんでも無理だと思うわよ。」


鈴音はジト目で俺を見ていた。


「だよなぁ。別に狙ったわけじゃないんだぞ。そもそもお前以外の女神様が誰なのかも知らなかったし。」


「まあ優也がそういうのに興味ないのは知ってるけどね。ほぼ同時に二人ともと仲良くなるってのがね。京條さんのほうは前にちょっと聞いたけど、えーっと、小悪魔な女神って名前なんだっけ?」


「神崎だな。」


「そうそう、神崎さんとはなんで仲良くなったの?」


俺は神崎と初めて会ったときの事を思い出しながら話し出す。


「コンビニで働いてた神崎とぶつかったんだけどその時にチンピラと揉めそうになってな。神崎がどんな子かは見てなかったけどそのチンピラたちの態度ががムカついたから矛先を俺の方に向けさせたんだよ。そしたら懐かれた感じかな。」


「そのチンピラたち大丈夫なの?」


「なんでそっちの心配してんだよ?」


「優也が手を上げたらそいつら終わってるってことじゃん。」


「実力行使はしてないから大丈夫だ。」


「ならいいけど。」


鈴音はホッとしたのかゆっくりため息をつきながら安堵の表情を浮かべる。

こいつは俺をなんだと思ってるんだろう。

一応手加減ぐらいは出来る。


「それでこれからどうするつもりなの?大学では他人のふり?」


「さすがにそんなことはしない。偶然とはいえせっかくできた縁だから無下にするつもりはないけどさらに親しくなるかは向こう次第かな。」


「ふーん。女神と繋がりたい男はごまんと居るからね。優也経由で繋がろうとする男も出てくるんじゃない?」


「俺がそんな奴の相手するわけないだろ。」


「そうだろうけどこれからは優也に恨みや妬みを向けてくるようなのも出てくるかもね。隠キャムーヴのあんたなら特にね。この際だからイメチェンしたら?」


「嫌だよ。俺がどう思われようと何を言われようとどうでもいいよ。ただお前らが『なんであんな隠キャと』とか『あんな隠キャと関わらないほうが』とか言われそうだな。」



「私は言われ慣れてるしどうでもいいけど他の二人はわからないわね。まあそれで距離を置くようならそれまででしょうけど。」


ご飯を食べ終えて片付けをする。

いつもは俺が手伝おうとしても「邪魔になるからいいわよ。」と言われるのだが今日はなぜか断られることなく二人で片付けることになった。

俺が食器をシンクに運び、それを鈴音がスポンジで洗う。

運び終わった俺は洗った物を水で洗い流す。

洗い終わった鈴音は俺の流した物をタオルで拭き取る。

片付けを手伝ったのはかなり久しぶりだったがなかなかに息の合った連携プレーだった。

片付け終わった鈴音は「もうちょっと飲むでしょ?」と缶ビールを手渡してくる。

鈴音は反対の手に缶酎ハイを持っている。

俺がその手を見ていると「酎ハイの方がいい?カクテルもあるけど。」と言ってきたが「いや。ビールで。」と答えた。


「で?実際どうなの?どっちかと付き合ったりするの?」


()()()()()はそんな感じじゃないな。」


「今のところなのね。」


「そりゃ、男と女なんだから絶対ないってことはないだろ?」


「かもね。その二人の事、私はあんまり知らないんだけどどんな子なの?京條さんは銀髪の童顔でお人形のような見た目で大人しいって聞くけど神崎さんはけっこう遊んでるみたいな噂を聞くけど。」


「彩乃…って京條は容姿のイメージが強いだけでそんなに大人しいって感じじゃないような気がするな。神崎も小悪魔的で遊んでると思われてるみたいだけど男を手玉に取るような事をするタイプじゃないだろうし。さすがに女神って言われるだけの整った容姿だとは思うが噂なんて所詮噂だ。お前だって噂なんかで人を見たりしないだろ?」


「そりゃそうよ。噂なんてあてにならないわ。それより優也はこれから大学でもその二人と接するんでしょ?」


「まあな。避けたりするつもりはないよ。多少周りが騒がしくなるかもだけど俺はいつも通りにするだけだ。」


「そうね。優也は周りがなにを言おうとどう思われようとブレないでしょうね。もう一本飲む?」


「いや。そろそろ帰るわ。今日もご馳走さま。ありがとな。」


「お粗末様。学祭の手伝いはまた連絡するからよろしくね。」


「りょーかい。」


鈴音に見送られマンションを後にする。

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