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第十三話

俺はコインランドリーにいた。

あのまま帰ってもよかったんだが返事も出来ていなかったのでなんとなく言われた通りパーカーを洗濯した。

スマホでSNSを流し見していたら乾燥まで終わったのでパーカーを着る。

さっきは揉め事になりそうだったので毅然とした態度を取るためスイッチをONにしていたがここで気持ちをoffに切り替えていつものちょっと猫背で自信なげな雰囲気を纏う。

あの程度ならONにするほどでもなかったような気もするが…

それから三十分ほど待っているとようやく入口のから人が入ってきた。


「お待たせしてごめんなさい。遅くなりました。」


入ってきた女性を見てびっくりした。

めちゃくちゃ可愛い女の子だった。

鈴音がよく側にいるので美女は見慣れている。美的感覚は人それぞれだか鈴音は大学でも一二を争うほどに整っていると言っていいだろう。

俺は鈴音以上の美女に会ったことがない。と思っていたが目の前の女の子は負けず劣らずだ。

美女というよりは愛嬌のある可愛らしいタイプだがどっちの上とも言えないレベルだ。


「あのあと大丈夫だった?」


「はい。もう辞めてきたし大丈夫です。」


「えっ?辞めたの?」


「聞いてくださいよー。あの店長アタシが悪いような言い方してきたんでムカついて辞めてやりました。最近始めたバイトだし他にもバイトしてるんで無理に続けなくてもいいと思ったんで。そのことで遅くなっちゃってお待たせしてしまいました。ごめんなさい。アタシの名前は神崎(かんざき)伊佐(いさ)って言います。お名前教えてもらっていいですか?」


「俺は伊庭優也って言うんだけど女の子が初対面で名前とか教えない方がいいんじゃないかな?」


「だって助けてもらいましたし良い人なのはなんとなくわかりますもん。こう見えても人を見る目には自信があります。」


自信満々に「ふん」と鼻息をならしガッツポーズをするように拳を握りしめる。


「伊庭さんは△△大学の学生ですか?」


グイグイ距離を縮めてくることにちょっと引きながらもこれだけ可愛い子に詰められて嬉しくないわけがない。

ここから近いの大学か聞いてきたが素直に答える。


「いや。俺は駅の向こうにある○○大学の二年生だよ。」


「じゃあ先輩ですね。アタシも同じ大学の一年生ですよー。って伊庭さんってさっきのコンビニのときと雰囲気違うような気がするんですけど?」


「いやぁ、さっきは神崎さんに迷惑かからないようにしたくて頑張って去勢を張ってただけだよ。ホントは見ての通りの隠キャだからね。」


「えー?去勢って感じじゃなかったような。絶対あいつらより迫力ありましたし。まぁセンパイにもいろいろありそうなんでそれは置いときます。アタシのことは呼び捨てでいいですよ、って言うか呼び捨てでお願いします。アタシは伊庭さんって呼びますねー。」


「じゃあ神崎、俺も呼び捨てでいいぞ。」


「センパイを呼び捨てはダメですよー。伊庭さん洗濯代払いますね。いくらでした?」


「いいよ。いらない。神崎もバイトしてたんだしこんなことに金使わなくていいからな。」


「それじゃアタシの気が済みません。じゃあお礼も兼ねてご飯行きましょー。明日は予定ありますか?」


「あるよ。」


「えー?じゃあ日曜日の夜はどうですか?」


「それも予定があるな。」


「じゃあ空いてる日教えて下さいね。日にちとお店とか調べて決めたら連絡するんでLINEのID交換しましょー。」


神崎の勢いに押されて連絡先の交換をした。

あんまり交遊関係を広げるつもりはなかったのだが俺は神崎のような押しの強い相手には弱いのかも知れない。


「伊庭さん、今日はホントーにありがとうございました。また連絡しますねー。」


俺とは帰る方向が違うらしく元気に手を振り笑顔で去っていく神崎を見送り帰路につく。

あんまり人と関わらないようしていた俺だったが新たに出来た神崎という今まで俺の周りに居なかったタイプの無邪気で明るい後輩との繋がりに不思議と笑顔になりながら帰路につくのだった。


読んでいただいた方、ありがとうございます。

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