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第百十話

俺はマンションのインターフォンを鳴らした。


『どちら様?』


「俺だけど。」


『俺なんて知り合いは居ませんけど。』


「なんかだいぶ前にもこのやり取りした記憶があるな。」


『……ちょっと待ってて。』


玄関の鍵を開けて顔を出したのは鈴音だ。


「いらっしゃい。入って。」


「おう。」


中に入るとコーヒーを入れてテーブルに置いてくれたのでその前に座る。


「久しぶりね。旅行以来だから十日ぶりぐらいね。」


「そうだな。」


「結論が出たってこと?」


「ああ。」


「そっか……うん。覚悟は出来てるから教えて。」


「覚悟ってなんだよ?」


「私はあんたと親友でいるつもりだったのよ。親友ならずっと近くに居られると思ってた。でもそれじゃ我慢できなくなったのよ。ごめんね。だからはっきり言ってくれていいわよ。」


「ん?なんか勘違いしてるだろ?」


「なにがよ?」


「なんで俺がフる前提で話してるんだよ?」


「だって伊佐ちゃんはいいコじゃない。あんなコに告白されて断る男なんて居ないわよ。私なんて親友って立場を利用してただあんたのそばに……」


俺は席を立つと鈴音の腕を掴み、無理矢理立たせると強く抱き締めた。


「…いっ…」


言葉を失う鈴音におれは語りかける。


「俺は鈴音が好きだ!俺は誰よりも中里鈴音を愛している!親友の立場を利用してたのは俺だよ。お前がそばに居てくれるとわかってたからそれに甘えて自由に遊んでた。なにをやってもお前は離れないと思い込んでた。でも違うんだよな。旅行が終わってずっと考えてた。俺の人生で一番考えた時間だった。子供の頃は生きることに必死で考える余裕なんてなかったし高校大学なんて授業内容を覚えてテストを受けるだけ。初めて真剣に考えた。俺が誰を好きなのか、誰かと付き合ったらどうなるのか、その内容次第ではお前と離れることになるだろ?」


「それは……」


「その可能性を考えたときにわかったよ。これから卒業して就職して社会人になったときにお前が居ないなんて我慢できない。お前の居ない人生なんて考えられなかったよ。」


「ほんとにいいの?あの二人は好きじゃないの?」


「友達としてなら好きだけど恋愛じゃなかった。伊佐は家族のことでトラウマがあったから支えてやりたいと思ってたけどそれはちょっと俺に似た境遇だったからで友達としてだ。彩乃も夢に向かって頑張ってる姿がやりたいこともない俺には眩しかった。だから応援したいと思ってるけどそれも友達としてでしかなかった。結局俺がずっと一緒に居たいのはお前だったよ。」


「もう親友だからって我慢しなくていいの?」


俺は抱き締めた鈴音を解放して顔を見つめる。


「もう親友止めよう。鈴音、愛してる。俺と付き合ってくれ。」


「うん!」


鈴音は返事と同時に俺に抱き付くとキスをしてきた。

俺は鈴音を抱き止めて受け入れた。

それから時間も忘れて何度もキスをした。

日本の常識も知らなかった俺をずっと支えてくれた鈴音と付き合うことになった。

俺はこれからは鈴音を幸せにできるように努力する。

いや、努力ではなく必ず幸せにすると心から誓うのだった。

これで完結にさせていただきます。

素人の投稿した小説を最後まで読んでいただいてありがとうございました。

他にも異世界物やもっとラブコメ要素の多いのを書いてみようと思ってのである程度書き貯めたら投稿開始します。

いつか主人公の過去や後日談、女性sideなども書くつもりなので興味がある方は気長にお待ちいただけたらと思ってます。

本当にありがとうございました。

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