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第百五話

翌朝、このホテルも朝ご飯はバイキング形式で七時から食べに行く約束をしているが一時間前に目が覚めた。

昨日の夜に彩乃と話したことを考えていたら明け方になっていて少ししか寝ていないが体調はいいので問題はない。

今日もこのホテルに泊まるから荷物もそのままでいいのでやることもない。

暇潰しにシャワーを浴びてゆっくり準備する。

着替えも終わりなにをしようかと思っていたらスマホに着信が入った。


「もしもし。」


『おっ、起きてた?』


鈴音からだった。


「起きてて暇してたよ。」


『こっちも準備出来てるからもうご飯行かない?』


「みんな起きて準備出来てんのか?」


『ええ、どうする?』


「じゃあすぐそっち行くよ。」


『すぐ出るから部屋の前で待ってて。』


「りょーかい。」


部屋から出ると鈴音たちもほぼ同時に出てきた。


「あっ、優也さんおはよーございます。」


「優也くん、おはよう。」


「おはよ。」


彩乃の様子に違和感もなく表面上は昨日の事を気にしているようには見えない。

俺が変に意識するのもよくないと思うのでいつも通りに接するようにする。


四人でエレベーターに乗り下に降りて朝食レストランに向かう。

このホテルの朝食も和食も洋食もあるので好きな組み合わせで食べることが出来る。

俺は今朝は和食中心のメニューにした。


「あれ、今日は和食なのね。」


「明日もあるだろ?二日あるから今日は和食で明日は洋食にしようかと思ってな。鈴音は今日は統一感ないな?」


「美味しそうなの取ったらこうなったのよ。あんたみたいに今日と明日で変えればよかったかな。」


伊佐は洋食中心、彩乃は和食中心と昨日と同じようなメニューになっている。

ホテルが違うので料理内容も味も違うとは思うが。


「美ら海水族館は何時から開いてるんだ?」


「八時半からみたいよ。」


「意外と早いんだな。でもすぐ出たらちょっと早すぎるな。」


「そうでもなさそうよ。夏休みだし早めに行かないと遠い駐車場に停めないといけなくなるみたい。」


「じゃあ食べ終わって準備出来たらすぐ出るか。」


「そうね。」


食事が終わり一度部屋に戻ったが俺は特に準備も必要がないので部屋で女性陣を待つことにした。

思った以上に彩乃の態度がいつも通りなので昨日の会話が夢だったんじゃないかと思ってしまう。

少ししたら『出れる』とメッセージが来たので合流して車に乗る。

ホテルから美ら海水族館までは車で十五分ぐらいらしくほぼ道なりにいけば着くらしい。

途中、コンビニに寄り飲み物を買ってから少し走ると美ら海水族館に到着した。

開館前だったがそれなりに車も停まっている。

降りて入口に向かうと開館待ちの列が出来ていた。


「もうこんなに待ってるとはさすが人気の観光スポットだな。」


「昼ぐらいだと駐車場待ちで道路が渋滞するらしいわよ。」


「いやー、優也さんが早く起きてよかったですねー。」


「寝起きが悪いのはお前だろ。」


思わず伊佐に突っ込んだがその瞬間、鈴音と彩乃が白い目で俺を見ていた。

暗に「なんで知ってんの?」と言われているような気がする。


「そんなことより早く並ぼうぜ。」


二人の視線には気付かないふりをして俺は足早に列の最後尾に並ぶ。

ありがたいことに声に出して聞いてくれることはなかった。


開館時間になったので順番に中に入り海の生物を見て回る。

そしてジンベエザメのいる大水槽の前に来た。

大きなアクリルパネルから見える水槽の中をジンベエザメなどの色んな海の生物が泳いでいる。

その圧倒的な迫力の水槽を優雅に泳ぐジンベエザメを俺はただじっと見ている。


「やっぱり凄いな。」


「優也くん、そんなに好きなの?」


「好きって言うかあの大きさで優雅に泳ぐのが凄いと思ってね。」


彩乃の言葉に答えると今度は伊佐が聞いてきた。


「でも大きさならクジラのほうが大きくないですか?」


「クジラは哺乳類だろ?たしかジンベエザメって魚類の中では最大なんじゃなかったか?」


「知りませんよ。そんなの。」


「みんな分類まで考えてないんじゃない?珍しいから見たいってだけだと思うわよ。」


鈴音が会話に入ってきたがたしかにそうかもしれない。

実際、日本で見られるのは数ヶ所しかないらしい。

しばらく眺めていたが女性陣も見飽きてそうなので移動することにした。

一通り見て回り出口に着くと無料で記念撮影が出来ると聞いて写真を取ることになった。

小さい写真が無料で貰えるらしく有料で大きい写真が買えるらしい。

旅行で財布の紐が緩むとはよく言ったもので結局四枚買うことにした。


「そういえばマナティー居なかった。」


「あっ、マナティーならこの建物じゃなくて向こうにあるマナティー館に居るみたいですよ。」


彩乃の言葉に鈴音が答えた。

みんなでマナティー館に入ってみたが水族館と違ってマナティーだけの施設だった。

外に出てこれからの事を話す。


「今からどうする?」


「イルカショーがあるけどまだ一時間以上あるわね。」


「じゃあ先に飯でも食うか?」


「そうね。さっきのとこにあるレストランかキッチンカーが見えるから適当に買って外で食べるかどうしよっか?」


相談した結果、キッチンカーで買うことにした。

それぞれで好きなものを買い、そばにあるテーブル席で食べることにした。

俺と鈴音はハンバーガー、彩乃はフルーツをふんだんに使ったスイーツ、伊佐はチョロスとアイスクリームで後半の二人はそもそも食事と言うよりおやつのようだった。

食べ終わりそのままゆっくり雑談して過ごした。

もうすぐイルカショーが始まる時間になりショーがあるプールに移動するとちょうどショーが始まるところだった。

割とコンパクトなプールでのショーだったがしっかり堪能できた。


「他になにか見たいのある?」


三人に聞いてみたが全員もう大丈夫ということだったので水族館を出て車に戻ってきて夜まで時間もあるのでこれから何処に行くか相談して決めることにした。

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