表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
101/110

第百一話

旅行二日目。

寝起きの悪い伊佐を起こして俺たち四人は一階の朝食会場に来ていた。

朝食はバイキングスタイルのようだった。

それぞれで好きなものを取ってきた。

鈴音と伊佐はパンを中心とした洋食メインで彩乃は白米で和食メインだった。

俺はどっちも取ってきている。


「「いただきます。」」


バイキングのいいところはそれぞれで好きなものを自由に好きな量食べれることだろう。

ただこの後、海に泳ぎに行く予定なので食べすぎないようにしないといけないが。

食事を終えて部屋に戻ると海に行く準備をする。

ホテルの目の前が海になっていてプールからそのまま海に行くことも出来る。

昨日、プールの側に更衣室があるのを見ているので全員が更衣室で着替えてプールで集合してから海に向かう。

昨日と同じように先にプールで待っていると三人が出てきたのでさっそく海に向かった。


「海ー!海で泳ぐなんて久しぶりですよ。」


伊佐のテンションが妙に高いがまあ気持ちはわからなくもない。

そもそも俺も海で泳いだことはあるが海水浴として遊ぶために海に来たのは初めてだ。

ホテルで借りてきたビーチパラソルを立ててからしばらく四人で遊んでいたが女性陣は休憩するとビーチパラソルのところに戻っていった。

俺は旅行中あんまり身体を動かしてなかったので沖まで遠泳することにした。

しばらく全力で泳いでいると防護ネットのところまで来ていたのでまた全力で泳いで戻る。

砂浜に上がりビーチパラソルのほうに向かっていると三人の近くに男が三人見えた。


「…だからツレが居るって言ってるでしょ。」


「君たちみたいに可愛い子を置いてどっか行くようなのほっとけばいいじゃん。」


「俺たちと遊ぼうよ。なんでも奢るよ。」


予想通りナンパのようだ。

明らかに拒否している相手にしぶとく言い寄る連中は頭がおかしいんじゃないだろうか。

遠目に見ても一人の男がイライラしているのがわかったので急いで戻る。

その男が鈴音の腕に手を伸ばそうとしていたがギリギリ俺が間に合ってそいつの腕を掴んで捻り上げる。


「うおぉ、いだだ、なんだ、いてーよ!」


「俺の友達にちょっかいかけるな。」


鈴音たちは俺が戻ってきたのを見て安心した表情になった。


「なんだ、てめー。女の前だからってカッコつけてんじゃねーぞ、このガキ……」


男は俺の顔を見て黙った。


「……ケッ、ちょっとイケメンだからって調子に乗るなよ。こっちは三人だぞ。」


三人だからどうしたというんだろうか。

それでビビるようなら最初から間に入ったりしない。


「謝るなら今のうちだぞ。」


「おい、そいつヤバイぞ。」


「なんだよ。あの身体。ありえねーよ。」


前に居る男はともかく後ろの二人は明らかにビビっている。


「おい、止めようぜ。」


「こいつ絶対ヤバイって。」


俺が手を離すと男は数歩下がって俺を見る。

すると男三人はなにかボソボソ喋って足早に去っていった。


「なんなんだあいつら?なんかビビってたな。」


「そりゃそうでしょ。」


「ん?」


「優也さんの身体を見て逃げたんでしょ。はっきり言って優也さんのそのバッキバキの身体凄いですよ。」


「まあそれなりには鍛えてるからな。」


「優也くんのはそれなりじゃない。」


「優也、ありがとね。でもなるべく別行動は止めときましょ。」


「だな。悪かったな。ナンパ避けが居ないと面倒が増えるな。」


続けて遊ぶ気分でもなくなったのでホテルに戻ることにした。

ホテルのプールの更衣室でシャワーを浴びて着替えて部屋に戻る。


「みんな忘れ物ないわね。次のホテルは連泊するけどここはもう戻らないからね。」


やっぱり鈴音は姉御肌というか面倒見がいいというかしっかりしている。

旅費に付いてもみんなで鈴音に預けていて支払いも鈴音がやっている。

多めに渡しているので余ったら後日計算してみんなに返す予定らしい。

チェックアウトして車に乗り込む。

伊佐の選んだ店に向かうので助手席には伊佐が座ることになった。


「昼は何を食べるんだ?」


「せっかくだし沖縄そばにしようと思うんですけどいいですか?」


「俺はいいけど後ろの二人は?」


「食べたい。」


「やっぱり沖縄に来たんだし外せないわよね。」


二人とも賛成のようだ。

沖縄料理の定番だから当然かもしれないが。


「じゃあナビ設定しますね。」


「おう、時間に余裕があるからどっか寄りたいとことかあれば言ってくれ。」


言いながら俺は車を出発させた。

途中、彩乃がスマホで調べて見つけた沖縄では定番らしいブルーシールアイスを食べてみたいと言い出した。

俺でも聞いたことがあるアイス屋で他の二人も食べたいというので寄ることにした。

店に入ると沖縄以外では見たことのないフレーバーもありそれぞれで好きなフレーバーを頼んだ。

みんなで味見し合ってみたがどれも旨かった。

アイス屋を出てナビ通りに運転し伊佐の見つけた沖縄そばの店に到着した。

その店は沖縄そばの専門店で沖縄そばとソーキそばの二種類しかなかった。

店員のおばちゃんに沖縄そばとソーキそばの違いを聞くと乗せる肉が違うだけでほとんど同じだということだった。

鈴音と彩乃は沖縄そば、伊佐と俺はソーキそばを頼んだ。

食べ終わった俺たちは再び車に乗りアクティビティの店に向かう。

予約の十分前に着いて店に入ると同意書にサインを求められた。

この手の遊びは事故の可能性もあるので同意書は必須らしい。

サインをするとさっそくアクティビティの説明が始まり一通り説明が終わると次はウェットスーツを着てその上から救命胴衣を着けることになった。

着け終わると店の車でアクティビティを行う砂浜に案内された。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ