この子は一体誰ですか?
二時間半ほど経って、講習は終わった。
「あんたら終わったかい?ん?」
外で待っていてくれていたおばちゃんが、
俺の隣の少女を見て、不思議そうな顔をする。
「どうしたんだい?その娘は?」
順を追って説明しよう。
俺達が少女に出会って、話を聞いたのだ。
どうやら、少女の名前は 千世 16歳の女子高生らしい。
彼女は夕方、学校から帰っている途中に、
急に穴に落ちて、この世界の民家の屋根の上に落ちてきたらしい。
そして、そこの家の住民の人から、この場所を教えていただいたそうな。
この娘の事情はさておき、
ついでに、受けた説明についても、話そう。
説明が始まる前に、彼女が泣き止んで、
彼女も話の冒頭だったらしく、一緒に聞くこととした。
「この世界は、貴方達がいた世界。チキュウとは、異なります。
ここは、聖ゼガイ帝国。中央大陸カトザルギアの北西にある国です。」
ここは違うとこらしい。でかい方なのか?
「この世界にはステータスというものがあります。もうご覧になられました?
そして、このLvが上がると、能力値が一定数ずつ増加します。」
どこかで見たことあると思ったよ。
夢であれ。
「この国では、犯罪を犯すと身分がひとつ下がりますので、決して罪を冒さないように、これは異人とて、例外ではございません。」
最下位まで下がったら死刑らしい。
「政府の方から、金貨1枚。チキュウでの100万円相当の金額をお渡し致しますので、最初はこれで生計を立ててください。」
おやおや太っ腹。これ他の異人を装った人とか来ないのかな?
「就職に関しては、異人介助がありますので、御安心を、
後、偉大なる主より一言、皆様にご注意があります。
『あまり、知識をひけらかさず、成長、発展を見守ってほしい。』
との事ですので、皆さんよろしくお願い致します。」
確かに、道理で中世チックなわけだ。
「最後に、前世、地球でのことを清算したい場合は、一応、新しい名前で戸籍登録を致します。どうされますか?」
ご丁寧な説明の後に、教えてくれた。ありがたい。
「いやぁ僕は別に──「頼みます。」
「佐倉ええん?名前変わっちゃうんやで?!」
まぁそりゃあ驚くか……
「いや、いいんだ。過去の清算。俺にはピッタリだ。」
「ついでに、俺の名前も考えろ。」
呆れたような顔をしてこっちを見た蓮は、
ため息をゆっくりとついて、
「アクレギア。」
そうとだけ言って見せた。
意味に気づき、俺はあいつに笑ってみせる。
非常に嫌な笑顔をしやがる。
私も変える。そう隣で声が響いた。
一瞬錯乱したが、その声は隣の少女。千世のものだった。
「カレンデュラ、でお願いします。」
カレンデュラ……。金盞花ねぇ……。
なかなかいい趣味をしている。
この話を最後に、説明は終わった。
また分からないことがあったら、担当の方が対応してくださるそうだ。
「えっと……千世さん?」
「なんですか?」
これまた不機嫌そうに俺に振り向く。
「泣くほど寂しいんでしたら、俺達と一緒に行動しませんか?」
そう尋ねると、彼女は俺の脛を蹴り上げて、
「う……っ五月蝿い!」
顔を真っ赤に目を潤ませた。
これはまた弄りがいがあるやつが来たかもしれない。。
そうして彼女と俺たちは一緒に行動することとなった。
佐倉はアクレギアに改名した テレテレテッテッテー
千世ちゃんが仲間に加わった。 テレテレテッテッテー
千世ちゃんは チセ・カレンデュラに改名した!テレテレッテッテッテー
次は一時間後。
星五評価よろしくお願いします!