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第88話:親友の告白失敗と切ない便器

俺、佐藤太一、18歳。


この呪われたトイレに振り回される生活、もう何度も「もう限界だろ」って叫んでる。


最近は世界各国の料理にハマってて、それが腹痛の原因になってるのは分かってるけど、やめられねえ。


昨日は美月の魔法使いごっこで気まずすぎて心がグチャグチャになったし、もう気まずすぎる場所はマジで勘弁って思ってた。


気まずくなくて楽しい場所に行きてえよ……って願ってたけど、このトイレは毎回予想を告白にぶち込んでくる。


今日は昼に食った「コンビニのサンドイッチ」が胃の中でモヤモヤしてて、ハムとマヨの重さが腹をギュルギュル鳴らしてる。


軽い気分で食ったのが運の尽きだ。


トイレに駆け込んで、ドアをガチャッと開けた瞬間――。


「うおっ、告白現場!?」


目の前には、学校の裏庭。


俺の親友、高橋翔太が「ずっと好きだったんだ!」って真剣に告白してて、女子生徒が「ごめん、私…無理だよ」って目を逸らしてる。


風が「サアア」と木々を揺らし、遠くでチャイムが「キーン」と鳴ってる。


翔太の肩が「ガクッ」と落ち、女子の足音が「タッタッ」と遠ざかってる。


で、俺はいつものように便器ごと、その告白失敗のど真ん中にポツンと出現。


「いや、マジかよ……翔太が振られてる場面でトイレって、楽しいどころか切なすぎだろ!」


すぐ横では、翔太が「そっか…分かった」って俯いてて、拳を「ギュッ」と握ってる。


距離、翔太まで3メートルくらい。


サンドイッチのマヨ臭が鼻に残ってても、土と草の匂いに混ざって混乱だ。


この静かな場所で座ってるだけで、心臓がバクバクだ。


Tシャツが汗でじっとりして、場違い感がやばい。


「見えてるのは俺だけで、向こうからは見えない」ってルール、信じたい。


でもこの近さ、翔太の「ハァ…」ってため息や、風の「ヒュウウ」って音が耳にガンガン入ってくるんだぞ!


裏庭の空気が静かで重くて、便器が地面にドカッと浮いてるのが気まずい。


こんな切ない場面で用を足すとか、羞恥心が翔太の失恋よりデカい。


切なすぎて、心が緊張で締め付けられてる。


腹の中じゃ、サンドイッチのハムとパンがグチャグチャ暴れてる。


時間がない。


こんな場所でミッションとか、心が静けさと羞恥で爆発しそう。


翔太が「俺、バカだな…」って呟く中、俺は必死に腹に力を入れる。


「おっ、おっ、おっ……頼む、出てくれ!」


その時、翔太が俺のすぐ横まで来て、「誰かいるのか?」って辺りを見回した。


やばい、見つかる!?


俺は慌てて息を止めて固まる。


でも翔太、俺をスルーして「いや、誰もいねえか…」って頭かいて離れた。


見えてねえよな……よな?


でもその瞬間、風が「ビュウ!」って吹いて、葉が「ザザッ」と便器に当たった。


「うっ!」って声が出そうになったけど、汗だくで堪えた。


裏庭の静けさに紛れて、俺の腹が「ぐぅうう」って鳴った。


翔太が一瞬「ん?何だ?」って顔して首傾げた。


やばい、音でバレる!?


ぷすっ。


「……ミッションクリアー、通常トイレに戻ります」


光がパッと弾けて、俺はアパートの狭いトイレに帰還。


換気扇のブーンって音と便器の安定感が、いつも以上に現実に戻してくる。


全身汗だくで、サンドイッチのマヨ臭が鼻に残ってる。


心がまだ翔太の切なさで震えてる。


息を整えながら、俺は呟いた。


「翔太が振られるって……切ない裏庭の前でトイレとか、心が崩れるだろ……」


考えてみれば、翔太も俺のこと本当に気づいてなかったよな?


「何だ?」は偶然だろ。


でも、あの告白失敗の中でやった事実は消えねえ。


翔太に何か言ってやりてえけど…。


俺のメンタル、もうサンドイッチみたいにグチャグチャだよ。


「ったく、次はどこだよ……もう切なすぎるとこはマジで勘弁してくれ」


サンドイッチは当分食わねえと思いながら、俺はトイレのドアをそっと閉めた。


でも、次に開けるのがやっぱり怖いんだよな、これ。



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