第86話:彩花と顔見知りのカラオケと楽しい便器
俺、佐藤太一、18歳。
この呪われたトイレに振り回される生活、もう何度も「もう限界だろ」って叫んでる。
最近は世界各国の料理にハマってて、それが腹痛の原因になってるのは分かってるけど、やめられねえ。
昨日は弥生人の米感動で気まずすぎて心がグチャグチャになったし、もう気まずすぎる場所はマジで勘弁って思ってた。
気まずくなくて楽しい場所に行きてえよ……って願ってたけど、このトイレは毎回予想をカラオケにぶち込んでくる。
今日は昼に食った「カラオケのフライドポテト」が胃の中でモヤモヤしてて、塩気と油の重さが腹をギュルギュル鳴らしてる。
カラオケ気分で食ったのが運の尽きだ。
トイレに駆け込んで、ドアをガチャッと開けた瞬間――。
「うおっ、カラオケ!?」
目の前には、カラオケボックスの個室。
俺が好きな山本彩花が「♪君が好きだよ~」ってマイクで歌ってて、顔見知りの田中優奈が「彩花うまいね!」って拍手してる。
もう一人の顔見知り、鈴木梨花が「太一もこれ好きそう!」って笑いながらポテトをつまんでる。
スピーカーが「ドンドン!」と響き、ジュースが「ゴクゴク」飲まれてる。
で、俺はいつものように便器ごと、そのカラオケのど真ん中にポツンと出現。
「いや、マジかよ……彩花と顔見知りがカラオケしてる中でトイレって、楽しいすぎて緊張するだろ!」
すぐ横では、彩花が「♪離さないよ~」って可愛い声で歌ってて、優奈が「次はデュエットしよう!」って提案してる。
梨花が「太一いたら盛り上がるのにね」って俺の名前出して笑ってる。
距離、彩花まで2メートル、優奈と梨花まで3メートルくらい。
フライドポテトの塩気が鼻に残ってても、部屋の汗と香水の匂いに混ざって混乱だ。
この楽しい場所で座ってるだけで、心臓がバクバクだ。
Tシャツが汗でビショビショで、場違い感がやばい。
「見えてるのは俺だけで、向こうからは見えない」ってルール、信じたい。
でもこの近さ、彩花の「♪大好きだよ~」って歌声や、梨花の「太一なら歌下手だよ!」ってからかいが耳にガンガン入ってくるんだぞ!
個室の空気が熱くて賑やかで、便器が床にドカッと浮いてるのが気まずい。
こんな楽しい場面で用を足すとか、羞恥心がカラオケのスコアより高い。
楽しいすぎて、心が緊張で締め付けられてる。
腹の中じゃ、フライドポテトの油と塩がグチャグチャ暴れてる。
時間がない。
こんな場所でミッションとか、心が楽しさと羞恥で爆発しそう。
彩花が「♪君と一緒に~」ってサビを歌い上げる中、俺は必死に腹に力を入れる。
「おっ、おっ、おっ……頼む、出てくれ!」
その時、優奈が俺のすぐ横まで来て、「ポテト取ってくる!」ってテーブルに手を伸ばした。
やばい、見つかる!?
俺は慌てて息を止めて固まる。
でも優奈、俺をスルーして「彩花、次何歌う?」って笑って離れた。
見えてねえよな……よな?
でもその瞬間、梨花が「ドン!」とジュースを置いて、衝撃で便器が「ガタッ」と揺れた。
「うっ!」って声が出そうになったけど、汗だくで堪えた。
カラオケの騒ぎに紛れて、俺の腹が「ぐぅうう」って鳴った。
彩花が一瞬「ん?何か聞こえた?」って顔して首傾げた。
やばい、音でバレる!?
ぷすっ。
「……ミッションクリアー、通常トイレに戻ります」
光がパッと弾けて、俺はアパートの狭いトイレに帰還。
換気扇のブーンって音と便器の安定感が、いつも以上に現実に戻してくる。
全身汗だくで、フライドポテトの塩気が鼻に残ってる。
心がまだカラオケの楽しさで震えてる。
息を整えながら、俺は呟いた。
「彩花と顔見知りのカラオケって……楽しい歌の前でトイレとか、緊張しすぎて心が崩れるだろ……」
考えてみれば、彩花も優奈も梨花も俺のこと本当に気づいてなかったよな?
「何か聞こえた?」は偶然だろ。
でも、あの楽しい中でやった事実は消えねえ。
梨花に歌下手って言われたのも気になっちまうし…。
俺のメンタル、もうカラオケのマイクみたいに熱くなってるよ。
「ったく、次はどこだよ……もう緊張しすぎるとこはマジで勘弁してくれ」
フライドポテトは当分食わねえと思いながら、俺はトイレのドアをそっと閉めた。
でも、次に開けるのがやっぱり怖いんだよな、これ。




