第85話:弥生人の米感動と楽しい便器
俺、佐藤太一、18歳。
この呪われたトイレに振り回される生活、もう何度も「もう限界だろ」って叫んでる。
最近は世界各国の料理にハマってて、それが腹痛の原因になってるのは分かってるけど、やめられねえ。
昨日は美咲の闇鍋パーティーで怖すぎて心がドロドロになったし、もう怖すぎる場所はマジで勘弁って思ってた。
純粋に楽しい場所に行きてえよ……って願ってたけど、このトイレは毎回予想を弥生時代にぶち込んでくる。
今日は昼に食った「弥生時代の米」が胃の中でモヤモヤしてて、素朴な米の甘さが腹をギュルギュル鳴らしてる。
歴史気分で食ったのが運の尽きだ。
トイレに駆け込んで、ドアをガチャッと開けた瞬間――。
「うおっ、弥生時代!?」
目の前には、弥生時代の集落。
弥生人が「うまい!これが米か!」って感動しながらおにぎりを食べてて、笑顔が「ニコニコ」溢れてる。
釜が「グツグツ」と煮えてて、風が「サアア」と茅葺き屋根を揺らしてる。
遠くで子供が「もっと食べたい!」ってはしゃぎ、鳥が「ピーッ」と飛んでる。
で、俺はいつものように便器ごと、その感動の場面のど真ん中にポツンと出現。
「いや、マジかよ……弥生人が米に感動してる中でトイレって、楽しいすぎて気まずすぎだろ!」
すぐ横では、男が「これなら毎日食える!」って米をかじってて、女が「神様に感謝だね」って目を潤ませてる。
距離、弥生人まで3メートルくらい。
おにぎりの米の匂いが鼻に残ってても、土と藁の香りに混ざって混乱だ。
この素朴な場所で座ってるだけで、心臓がバクバクだ。
Tシャツが汗でじっとりして、場違い感がやばい。
「見えてるのは俺だけで、向こうからは見えない」ってルール、信じたい。
でもこの近さ、「うまいぞー!」って歓声や、釜の「ポコポコ」って音が耳にガンガン入ってくるんだぞ!
集落の空気が温かくて静かで、便器が土の上にドカッと浮いてるのが気まずい。
こんな楽しい場面で用を足すとか、羞恥心が弥生人の米より多い。
楽しいすぎて、心が緊張で締め付けられてる。
腹の中じゃ、おにぎりの米がグチャグチャ暴れてる。
時間がない。
こんな場所でミッションとか、心が楽しさと羞恥で爆発しそう。
弥生人が「もう一個!」って手を伸ばす中、俺は必死に腹に力を入れる。
「おっ、おっ、おっ……頼む、出てくれ!」
その時、子供が俺のすぐ横まで来て、「何か変な音した!」って地面を見た。
やばい、見つかる!?
俺は慌てて息を止めて固まる。
でも子供、俺をスルーして「鳥かな?」って笑って離れた。
見えてねえよな……よな?
でもその瞬間、風が「ビュウ!」って吹いて、茅葺きから藁が「パラッ」と便器に落ちてきた。
「うっ!」って声が出そうになったけど、汗だくで堪えた。
集落の静けさに紛れて、俺の腹が「ぐぅうう」って鳴った。
男が一瞬「ん?腹の音か?」って顔して首傾げた。
やばい、音でバレる!?
ぷすっ。
「……ミッションクリアー、通常トイレに戻ります」
光がパッと弾けて、俺はアパートの狭いトイレに帰還。
換気扇のブーンって音と便器の安定感が、いつも以上に現実に戻してくる。
全身汗だくで、おにぎりの米の匂いが鼻に残ってる。
心がまだ弥生人の楽しさで震えてる。
息を整えながら、俺は呟いた。
「弥生人が米に感動って……楽しい集落の前でトイレとか、気まずすぎて心が崩れるだろ……」
考えてみれば、弥生人たちも俺のこと本当に気づいてなかったよな?
「腹の音か?」は偶然だろ。
でも、あの純粋な喜びの中でやった事実は消えねえ。
俺のメンタル、もう弥生時代の米みたいにシンプルにグチャグチャだよ。
「ったく、次はどこだよ……もう気まずすぎるとこはマジで勘弁してくれ」
おにぎりは当分食わねえと思いながら、俺はトイレのドアをそっと閉めた。
でも、次に開けるのがやっぱり怖いんだよな、これ。




