第80話:実家リビングの母とヤンデレと静かな便器
俺、佐藤太一、18歳。
この呪われたトイレに振り回される生活、もう何度も「もう限界だろ」って叫んでる。
最近は世界各国の料理にハマってて、それが腹痛の原因になってるのは分かってるけど、やめられねえ。
昨日は噴火中の桜島で騒がしすぎて心が焼けたし、もう騒がしすぎる場所はマジで勘弁って思ってた。
静かで落ち着いた場所に行きてえよ……って願ってたけど、このトイレは毎回予想を実家にぶち込んでくる。
今日は昼に食った「母の手作りお好み焼き」が胃の中でモヤモヤしてて、キャベツの甘さとソースの旨味が腹をギュルギュル鳴らしてる。
実家気分で食ったのが運の尽きだ。
トイレに駆け込んで、ドアをガチャッと開けた瞬間――。
「うおっ、実家のリビング!?」
目の前には、実家のリビング。
母ちゃんが「美咲ちゃん、太一のことよろしくね」と笑ってて、ヤンデレ幼なじみの佐々木美咲が「はい、お母さん!太一くんは私の彼氏だから大事にします!」ってニコニコしてる。
テレビが「ザーッ」とニュース流してて、お茶が「コポコポ」と湯呑みに注がれてる。
遠くで近所の犬が「ワンワン」と吠えてて、窓から風が「サアア」と入ってる。
で、俺はいつものように便器ごと、そのリビングのど真ん中にポツンと出現。
「いや、マジかよ……母ちゃんと美咲がくつろいでる中でトイレって、静かすぎて怖すぎだろ!」
すぐ横では、母ちゃんが「太一も幸せ者だよ」とお好み焼きを勧めてて、美咲が「太一くんとずっと一緒ですから!」って目を輝かせてる。
距離、母ちゃんまで2メートル、美咲まで3メートルくらい。
お好み焼きのソース臭が鼻に残ってても、リビングの畳と茶の匂いに混ざって混乱だ。
この穏やかな場所で座ってるだけで、心臓がバクバクだ。
Tシャツが汗でじっとりして、場違い感がやばい。
「見えてるのは俺だけで、向こうからは見えない」ってルール、信じたい。
でもこの近さ、母ちゃんの「美咲ちゃん優しいね」って声や、美咲の「太一くんは私だけでいいよね?」って呟きが耳にガンガン入ってくるんだぞ!
リビングの空気が静かで温かくて、便器が畳にドカッと浮いてるのが気まずい。
こんな家庭的な場所で用を足すとか、羞恥心が美咲の嘘より重い。
静かすぎて、心が緊張で締め付けられてる。
腹の中じゃ、お好み焼きのキャベツと生地がグチャグチャ暴れてる。
時間がない。
こんな場所でミッションとか、心が静けさと羞恥で爆発しそう。
美咲が「太一くんのために頑張ります!」って母ちゃんに抱きつく中、俺は必死に腹に力を入れる。
「おっ、おっ、おっ……頼む、出てくれ!」
その時、美咲が俺のすぐ横まで来て、「太一くんの匂いがする気がする…」って畳に顔近づけた。
やばい、見つかる!?
俺は慌てて息を止めて固まる。
でも美咲、俺をスルーして「彼氏の気配感じますね」って笑って離れた。
見えてねえよな……よな?
でもその瞬間、母ちゃんが「ガタッ!」と湯呑みを置いて、衝撃で便器が「ガタッ」と揺れた。
「うっ!」って声が出そうになったけど、汗だくで堪えた。
リビングの静けさに紛れて、俺の腹が「ぐぅうう」って鳴った。
美咲が一瞬「ん?太一くんの声?」って顔して首傾げた。
やばい、音でバレる!?
ぷすっ。
「……ミッションクリアー、通常トイレに戻ります」
光がパッと弾けて、俺はアパートの狭いトイレに帰還。
換気扇のブーンって音と便器の安定感が、いつも以上に現実に戻してくる。
全身汗だくで、お好み焼きのソース臭が鼻に残ってる。
心がまだ実家の静けさと美咲の狂気で震えてる。
息を整えながら、俺は呟いた。
「母ちゃんと美咲のリビングって……静かな実家の前でトイレとか、怖すぎて心が崩れるだろ……」
考えてみれば、母ちゃんも美咲も俺のこと本当に気づいてなかったよな?
「太一くんの声?」は幻聴だろ。
でも、あの穏やかさの中でやった事実は消えねえ。
美咲が彼氏って嘘ついてるの、母ちゃん信じてるし…。
俺のメンタル、もうお好み焼きみたいにグチャグチャだよ。
「ったく、次はどこだよ……もう怖すぎるとこはマジで勘弁してくれ」
お好み焼きは当分食わねえと思いながら、俺はトイレのドアをそっと閉めた。
でも、次に開けるのがやっぱり怖いんだよな、これ。




