第76話:彩花と美咲の喧嘩と騒がしき便器
俺、佐藤太一、18歳。
この呪われたトイレに振り回される生活、もう何度も「もう限界だろ」って叫んでる。
最近は世界各国の料理にハマってて、それが腹痛の原因になってるのは分かってるけど、やめられねえ。
昨日は美咲が包丁買う現場で怖すぎて心がズタズタになったし、もう怖すぎる場所はマジで勘弁って思ってた。
楽しい場所に行きてえよ……って願ってたけど、このトイレは毎回予想を喧嘩にぶち込んでくる。
今日は昼に食った「焼きそば」が胃の中でモヤモヤしてて、ソースの香ばしさと麺の重さが腹をギュルギュル鳴らしてる。
学食の気分で食ったのが運の尽きだ。
トイレに駆け込んで、ドアをガチャッと開けた瞬間――。
「うおっ、喧嘩!?」
目の前には、学校の廊下。
俺が好きな山本彩花とヤンデレ幼なじみの佐々木美咲が「ガン!」と睨み合ってて、彩花が「美咲ちゃん、太一に変なことしないで!」って叫んでる。
美咲が「彩花先輩こそ、太一くんを私から奪わないで!」って言い返してる。
周りの生徒が「オオー!」って野次馬で騒いでて、足音が「ドタドタ」と響いてる。
で、俺はいつものように便器ごと、その喧嘩のど真ん中にポツンと出現。
「いや、マジかよ……彩花と美咲の喧嘩現場でトイレって、楽しいどころか騒がしすぎだろ!」
すぐ横では、彩花が「太一は自分で決めるよ!」って正論かましてて、美咲が「太一くんは私だけでいいよね!?」ってヤンデレ全開で反論してる。
距離、彩花まで2メートル、美咲まで3メートルくらい。
焼きそばのソース臭が鼻に残ってても、廊下の汗と埃の匂いに混ざって混乱だ。
この緊迫した場所で座ってるだけで、心臓がバクバクだ。
Tシャツが汗でビショビショで、場違い感がやばい。
「見えてるのは俺だけで、向こうからは見えない」ってルール、信じたい。
でもこの近さ、彩花の「美咲ちゃん、落ち着いて!」って声や、美咲の「彩花先輩が悪い!」って叫びが耳にガンガン入ってくるんだぞ!
廊下の空気が熱くて騒がしくて、便器がタイルの床にドカッと浮いてるのが気まずい。
こんな喧嘩の中で用を足すとか、羞恥心が二人の怒りよりデカい。
騒がしすぎて、心が緊張で締め付けられてる。
腹の中じゃ、焼きそばの麺とキャベツがグチャグチャ暴れてる。
時間がない。
こんな場所でミッションとか、心が騒音と羞恥で爆発しそう。
彩花が「太一に迷惑かけないで!」って一歩踏み出す中、俺は必死に腹に力を入れる。
「おっ、おっ、おっ……頼む、出てくれ!」
その時、美咲が俺のすぐ横まで来て、「太一くん、私を選んで!」って彩花に背を向けて叫んだ。
やばい、見つかる!?
俺は慌てて息を止めて固まる。
でも美咲、俺をスルーして「彩花先輩なんか嫌い!」って吠えて離れた。
見えてねえよな……よな?
でもその瞬間、野次馬の生徒が「ドン!」とぶつかって、便器が「ガタッ」と揺れた。
「うっ!」って声が出そうになったけど、汗だくで堪えた。
喧嘩の騒ぎに紛れて、俺の腹が「ぐぅうう」って鳴った。
彩花が一瞬「ん?何か聞こえた?」って顔して首傾げた。
やばい、音でバレる!?
ぷすっ。
「……ミッションクリアー、通常トイレに戻ります」
光がパッと弾けて、俺はアパートの狭いトイレに帰還。
換気扇のブーンって音と便器の安定感が、いつも以上に現実に戻してくる。
全身汗だくで、焼きそばのソース臭が鼻に残ってる。
心がまだ喧嘩の騒がしさで震えてる。
息を整えながら、俺は呟いた。
「彩花と美咲の喧嘩って……騒がしい現場の前でトイレとか、心が崩れるだろ……」
考えてみれば、彩花も美咲も俺のこと本当に気づいてなかったよな?
「何か聞こえた?」は偶然だろ。
でも、あの衝突の中でやった事実は消えねえ。
美咲のヤンデレっぷりと彩花の正義感がぶつかるの見てると、俺のメンタル、もう焼きそばの麺みたいに絡まってるよ。
「ったく、次はどこだよ……もう騒がしすぎるとこはマジで勘弁してくれ」
焼きそばは当分食わねえと思いながら、俺はトイレのドアをそっと閉めた。
でも、次に開けるのがやっぱり怖いんだよな、これ。