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第75話:ヤンデレの包丁購入と狂気の便器

俺、佐藤太一、18歳。


この呪われたトイレに振り回される生活、もう何度も「もう限界だろ」って叫んでる。


最近は世界各国の料理にハマってて、それが腹痛の原因になってるのは分かってるけど、やめられねえ。


昨日は草津湯畑で穏やかすぎて心が茹で上がったし、もう穏やかすぎる場所はマジで勘弁って思ってた。


騒がしくて活気ある場所に行きてえよ……って願ってたけど、このトイレは毎回予想を狂気にぶち込んでくる。


今日は昼に食った「唐揚げ」が胃の中でモヤモヤしてて、ジューシーな肉と油の重さが腹をギュルギュル鳴らしてる。


ガッツリ食ったのが運の尽きだ。


トイレに駆け込んで、ドアをガチャッと開けた瞬間――。


「うおっ、包丁売り場!?」


目の前には、ホームセンターの包丁コーナー。


1歳下の幼なじみでヤンデレの佐々木美咲が包丁を手に持って「これなら太一くんを…」って呟いてる。


刃が「キラッ」と光ってて、店内のBGMが「♪~」と穏やかに流れてる。


遠くで店員が「包丁お試しできます!」って呼び込み、客が「カチャカチャ」と商品を手に取ってる。


で、俺はいつものように便器ごと、その美咲が包丁を買おうとしてる場面のど真ん中にポツンと出現。


「いや、マジかよ……美咲が包丁買ってる最中でトイレって、騒がしくはないけど怖すぎだろ!」


すぐ横では、美咲が「太一くんのために切れ味いいのがいいよね…」ってニヤニヤしながら刃を眺めてる。


距離、2メートルくらい。


唐揚げの油臭が鼻に残ってても、店内のプラスチックと金属の匂いに混ざって混乱だ。


この不穏な場所で座ってるだけで、心臓がバクバクだ。


Tシャツが汗でビショビショで、場違い感がやばい。


「見えてるのは俺だけで、向こうからは見えない」ってルール、信じたい。


でもこの近さ、美咲の「太一くん、私だけでいいよね?」って呟きや、包丁の「シャキン」って音が耳にガンガン入ってくるんだぞ!


店の空気が穏やかで静かすぎて、便器がタイルの床にドカッと浮いてるのが気まずい。


こんな狂気的な場所で用を足すとか、羞恥心が包丁の刃より鋭い。


怖すぎて、心が緊張で締め付けられてる。


腹の中じゃ、唐揚げの肉と油がグチャグチャ暴れてる。


時間がない。


こんな場所でミッションとか、心が恐怖と羞恥で爆発しそう。


美咲が「これに決めた!」って包丁をカゴに入れる中、俺は必死に腹に力を入れる。


「おっ、おっ、おっ……頼む、出てくれ!」


その時、美咲が俺のすぐ横まで来て、「太一くんの匂いがする…」って辺りをキョロキョロした。


やばい、見つかる!?


俺は慌てて息を止めて固まる。


でも美咲、俺をスルーして「近くにいるのかな…」って呟いて離れた。


見えてねえよな……よな?


でもその瞬間、近くの客が「ガチャン!」と包丁を落として、衝撃で便器が「ガタッ」と揺れた。


「うっ!」って声が出そうになったけど、汗だくで堪えた。


店の静けさに紛れて、俺の腹が「ぐぅうう」って鳴った。


美咲が一瞬「ん?太一くんの声?」って顔して首傾げた。


やばい、音でバレる!?


ぷすっ。


「……ミッションクリアー、通常トイレに戻ります」


光がパッと弾けて、俺はアパートの狭いトイレに帰還。


換気扇のブーンって音と便器の安定感が、いつも以上に現実に戻してくる。


全身汗だくで、唐揚げの油臭が鼻に残ってる。


心がまだ美咲の狂気で震えてる。


息を整えながら、俺は呟いた。


「美咲が包丁買うとこって……狂気の前でトイレとか、怖すぎて心が切れそうだろ……」


考えてみれば、美咲、俺のこと本当に気づいてなかったよな?


「太一くんの声?」は幻聴だろ。


でも、あの場面でやった事実は消えねえ。


美咲が包丁を何に使う気なのか考えたくもねえし…。


俺のメンタル、もう包丁の刃みたいにズタズタだよ。


「ったく、次はどこだよ……もう怖すぎるとこはマジで勘弁してくれ」


唐揚げは当分食わねえと思いながら、俺はトイレのドアをそっと閉めた。


でも、次に開けるのがやっぱり怖いんだよな、これ。



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