第73話:サービスエリアの女子トイレと騒がしき便器
俺、佐藤太一、18歳。
この呪われたトイレに振り回される生活、もう何度も「もう限界だろ」って叫んでる。
最近は世界各国の料理にハマってて、それが腹痛の原因になってるのは分かってるけど、やめられねえ。
昨日は異世界の最終戦で騒がしすぎて心が崩れたし、もう騒がしすぎる場所はマジで勘弁って思ってた。
静かで落ち着いた場所に行きてえよ……って願ってたけど、このトイレは毎回予想をサービスエリアにぶち込んでくる。
今日は昼に食った「サービスエリアのソフトクリーム」が胃の中でモヤモヤしてて、バニラの甘さと冷たさが腹をギュルギュル鳴らしてる。
俺が好きな山本彩花が「ソフトクリーム美味しいよね」って言ってたのを思い出して食ったのが運の尽きだ。
トイレに駆け込んで、ドアをガチャッと開けた瞬間――。
「うおっ、女子トイレ!?」
目の前には、高速道路のサービスエリアの女子トイレ。
女の人たちが「早くしてよ!」「混みすぎ!」ってガヤガヤ並んでて、手洗いの水が「ジャージャー」と流れてる。
子供が「ママー!」って泣き叫び、ドライヤーが「ブオーン!」と鳴り響いてる。
で、俺はいつものように便器ごと、その混雑するトイレのど真ん中にポツンと出現。
しかも、列には彩花、その母親、そして彩花の美少女妹・山本美月(16歳)が並んでる!
「いや、マジかよ……女子トイレの混雑で彩花と妹がいるって、騒がしすぎて死ぬだろ!」
すぐ横では、彩花が「長いね、お母さん」と笑ってて、母親が「仕方ないわよ」とため息ついてる。
美月が「お姉ちゃん、太一くんだったら我慢できないね」ってニヤニヤしながら呟いてる。
距離、彩花まで3メートル、美月まで2メートルくらい。
ソフトクリームの甘い匂いが鼻に残ってても、トイレの消毒液と汗の臭いに混ざって混乱だ。
この騒がしい場所で座ってるだけで、心臓がバクバクだ。
Tシャツが汗でビショビショで、場違い感がやばい。
「見えてるのは俺だけで、向こうからは見えない」ってルール、信じたい。
でもこの近さ、彩花の「可愛い声」や、美月の「太一くんってほんとダメだよね」ってからかい声が耳にガンガン入ってくるんだぞ!
トイレの空気が熱くて騒がしくて、便器がタイルの床にドカッと浮いてるのが気まずい。
こんな混雑の中で用を足すとか、羞恥心がSAの駐車場より広い。
騒がしすぎて、心が緊張で締め付けられてる。
腹の中じゃ、ソフトクリームのバニラと乳脂肪がグチャグチャ暴れてる。
時間がない。
こんな場所でミッションとか、心が騒音と羞恥で爆発しそう。
彩花が「やっと進んだ!」って嬉しそうに言う中、俺は必死に腹に力を入れる。
「おっ、おっ、おっ……頼む、出てくれ!」
その時、美月が俺のすぐ横まで来て、「トイレ混むと大変だね」って列を抜けて手洗いに向かった。
やばい、見つかる!?
俺は慌てて息を止めて固まる。
でも美月、俺をスルーして「お姉ちゃん、早く帰りたいな」って呟いて離れた。
見えてねえよな……よな?
でもその瞬間、前の女が「ドカッ!」とドアを勢いよく開けて、衝撃で便器が「ガタッ」と揺れた。
「うっ!」って声が出そうになったけど、汗だくで堪えた。
トイレの喧騒に紛れて、俺の腹が「ぐぅうう」って鳴った。
彩花が一瞬「ん?何か聞こえた?」って顔して首傾げた。
やばい、音でバレる!?
ぷすっ。
「……ミッションクリアー、通常トイレに戻ります」
光がパッと弾けて、俺はアパートの狭いトイレに帰還。
換気扇のブーンって音と便器の安定感が、いつも以上に現実に戻してくる。
全身汗だくで、ソフトクリームの甘い匂いが鼻に残ってる。
心がまだSAの騒がしさで震えてる。
息を整えながら、俺は呟いた。
「SAの女子トイレって……彩花と美月の前でトイレとか、騒がしすぎて心が崩れるだろ……」
考えてみれば、彩花も美月も俺のこと本当に気づいてなかったよな?
「何か聞こえた?」は偶然だろ。
でも、あの混雑の中でやった事実は消えねえ。
美月が俺のことからかってるのも彩花の妹だから余計気まずいし…。
俺のメンタル、もうサービスエリアの行列みたいにぐっちゃぐちゃだよ。
「ったく、次はどこだよ……もう騒がしすぎるとこはマジで勘弁してくれ」
ソフトクリームは当分食わねえと思いながら、俺はトイレのドアをそっと閉めた。
でも、次に開けるのがやっぱり怖いんだよな、これ。




