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第71話:きさらぎ駅のトイレと恐怖の便器

俺、佐藤太一、18歳。




この呪われたトイレに振り回される生活、もう何度も「もう限界だろ」って叫んでる。




最近は世界各国の料理にハマってて、それが腹痛の原因になってるのは分かってるけど、やめられねえ。




昨日は青木ヶ原樹海で静かすぎて心が凍えたし、もう静かすぎる場所はマジで勘弁って思ってた。騒がしくて活気ある場所に行きてえよ……って願ってたけど、このトイレは毎回予想を異界にぶち込んでくる。




今日は昼に食った日本の「コンビニおにぎり」が胃の中でモヤモヤしてて、ツナマヨの旨味と米の重さが腹をギュルギュル鳴らしてる。




夜食っぽい気分で食ったのが運の尽きだ。トイレに駆け込んで、ドアをガチャッと開けた瞬間――。




「うおっ、きさらぎ駅のトイレ!?」




目の前には、深夜の「きさらぎ駅」のトイレ。




錆びた鉄扉が「ギィ」と揺れてて、薄暗い電灯が「ジジッ」と不規則に点滅してる。




壁は湿気で「ジメジメ」してて、遠くで電車の「ゴトンゴトン」って音が霧に消えて聞こえる。




で、俺はいつものように便器ごと、その異界のトイレのど真ん中にポツンと出現。狭い空間に便器が「ドカッ」と収まってる。




「いや、マジかよ……きさらぎ駅のトイレでトイレって、静かすぎて怖すぎだろ!」


すぐ横では、壁が「ポタポタ」と水滴を落としてて、どこかで「カタカタ」と何かが揺れてる。




距離とか分からねえくらい閉鎖的だ。




コンビニおにぎりのツナの匂いが鼻に残ってても、カビと錆の臭いに負けて感覚がバグってくる。




この不気味な場所で座ってるだけで、心臓がバクバクだ。




Tシャツが汗でじっとりして、寒さと恐怖で全身が震えてる。




「見えてるのは俺だけで、向こうからは見えない」ってルール、信じたい。




でもこの近さ、水滴の「ポタッ」って音や、風の「ヒュウウ」って唸りが耳にガンガン入ってくるんだぞ! トイレの空気が静かで重くて、便器が古いタイルに「ズブッ」と馴染んでる。




こんな異界で用を足すとか、羞恥心がきさらぎ駅の伝説より深い。静かすぎて、心が恐怖で締め付けられてる。




腹の中じゃ、コンビニおにぎりのツナと米がグチャグチャ暴れてる。




時間がない。こんな場所でミッションとか、心が静寂と羞恥で爆発しそう。




俺が腹に力を入れようとしたその時――。




「ガチャッ!」




トイレのドアが揺れた。




何者かが外から「ガチャガチャ!」って開けようとしてる。「うおっ!?」って心臓が跳ね上がる。




やばい、見つかる!? 俺は慌てて息を止めて固まる。




ドアが「ギィッ!」って軋んで、「ドンドン!」って叩く音が響く。




でも、ドアは開かねえ。見えてねえよな……よな?




「誰だよ!やめろって!」って叫びそうになったけど、声が出ねえ。




ドアの向こうで「タッタッタッ」と足音が遠ざかった気がした瞬間、俺は必死に腹に力を入れる。




「おっ、おっ、おっ……頼む、出てくれ!」




その時、電灯が「バチッ!」って消えて、真っ暗なトイレに冷気が「スーッ」と流れてきた。ドアがまた「ガチャッ!」って揺れて、「カサカサ」と何かが這う音がした。「うっ!」って声が出そうになったけど、汗だくで堪えた。




異界の何かに見られてる気がして、背筋が凍る。




トイレの静寂に紛れて、俺の腹が「ぐぅうう」って鳴った。




ドアの向こうで「カサッ」と反応があった気がした。




やばい、完全にバレる!?




ぷすっ。




「……ミッションクリアー、通常トイレに戻ります」




光がパッと弾けて、俺はアパートの狭いトイレに帰還。




換気扇のブーンって音と便器の安定感が、いつも以上に現実に戻してくる。




全身汗だくで、コンビニおにぎりのツナの匂いが鼻に残ってる。




心がまだきさらぎ駅の恐怖で震えてる。息を整えながら、俺は呟いた。




「きさらぎ駅のトイレって……ドア揺らす何かの前でトイレとか、怖すぎて心が消えるだろ……」




考えてみれば、何かいたとしても俺のこと見えてねえよな? ドアが開かなかったし…。




でも、あの異界でやった事実は消えねえし、何者かがドアをガチャガチャした感触が頭から離れねえ。




俺のメンタル、もうきさらぎ駅の霧に飲み込まれてるよ。




「ったく、次はどこだよ……もう静かすぎるとこはマジで勘弁してくれ」




コンビニおにぎりは二度と食わねえと思いながら、俺はトイレのドアをそっと閉めた。




でも、次に開けるのがやっぱり怖いんだよな、これ。あのドアの向こう、何だったんだ…?



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