第70話:青木ヶ原樹海と静寂の便器
俺、佐藤太一、18歳。
この呪われたトイレに振り回される生活、もう何度も「もう限界だろ」って叫んでる。
最近は世界各国の料理にハマってて、それが腹痛の原因になってるのは分かってるけど、やめられねえ。
昨日は江ノ島の撮影現場で騒がしすぎて心が崩れたし、もう騒がしすぎる場所はマジで勘弁って思ってた。
静かで落ち着いた場所に行きてえよ……って願ってたけど、このトイレは毎回予想を樹海にぶち込んでくる。
今日は昼に食った日本の「きのこ汁」が胃の中でモヤモヤしてて、キノコの旨味と味噌の塩気が腹をギュルギュル鳴らしてる。
森っぽい気分で食ったのが運の尽きだ。トイレに駆け込んで、ドアをガチャッと開けた瞬間――。
「うおっ、青木ヶ原!?」
目の前には、深夜の青木ヶ原樹海。
木々が「シーン」と立ち並び、月明かりが「チラッ」と葉の間から漏れてる。
風が「サアア」と低く唸り、どこかで枝が「パキッ」と折れる音が響いてる。
で、俺はいつものように便器ごと、その樹海のど真ん中にポツンと出現。
「いや、マジかよ……深夜の青木ヶ原樹海でトイレって、静かすぎて怖すぎだろ!」
すぐ横では、木の影が「ユラユラ」揺れてて、闇が「ジワジワ」と迫ってくる。
距離とか分からねえくらい視界が暗い。
きのこ汁の味噌の匂いが鼻に残ってても、湿った土と苔の臭いに負けて感覚がバグってくる。
この不気味な場所で座ってるだけで、心臓がバクバクだ。
Tシャツが汗でじっとりして、寒さと恐怖で全身が震えてる。
「見えてるのは俺だけで、向こうからは見えない」ってルール、信じたい。
でもこの近さ、風の「ヒュウウ」って唸りや、葉の「サラサラ」って擦れる音が耳にガンガン入ってくるんだぞ! 樹海の空気が静かで重くて、便器が苔の地面に「ズブッ」と半分埋もれてる。
こんな静寂な場所で用を足すとか、羞恥心が樹海の木々より深い。
静かすぎて、心が恐怖で締め付けられてる。
腹の中じゃ、きのこ汁のキノコとスープがグチャグチャ暴れてる。
時間がない。
こんな場所でミッションとか、心が静寂と羞恥で爆発しそう。
遠くで何か「ゴソッ」と動いた気がして、俺は必死に腹に力を入れる。
「おっ、おっ、おっ……頼む、出てくれ!」
その時、風が「ビュウウ!」って強まって、枝が「バキッ!」って折れた。
やばい、何かいる!? 俺は慌てて息を止めて固まる。
でも音、俺をスルーして「サアア」と消えていっただけだった。
見えてねえよな……よな? でもその瞬間、冷たい空気が「スーッ」と便器に当たって、尻が「ゾクッ」とした。「うっ!」って声が出そうになったけど、汗だくで堪えた。
樹海の静寂に紛れて、俺の腹が「ぐぅうう」って鳴った。闇の中で音がやけに響いて、どこかで「カサッ」と反応があった気がした。やばい、樹海にバレる!?
ぷすっ。
「……ミッションクリアー、通常トイレに戻ります」
光がパッと弾けて、俺はアパートの狭いトイレに帰還。
換気扇のブーンって音と便器の安定感が、いつも以上に温かく感じる。
全身汗だくで、きのこ汁の味噌の匂いが鼻に残ってる。
心がまだ青木ヶ原の静けさで震えてる。息を整えながら、俺は呟いた。
「深夜の青木ヶ原樹海って……静かな闇の前でトイレとか、怖すぎて心が凍るだろ……」
考えてみれば、誰もいねえし、見るも何もねえよな? でも、あの不気味な中でやった事実は消えねえ。
俺のメンタル、もう樹海の苔みたいにじっとりしてるよ。
「ったく、次はどこだよ……もう静かすぎるとこはマジで勘弁してくれ」
きのこ汁は当分食わねえと思いながら、俺はトイレのドアをそっと閉めた。
でも、次に開けるのがやっぱり怖いんだよな、これ。




