表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

71/90

第68話:宗谷岬の大晦日と静かな便器

俺、佐藤太一、18歳。




この呪われたトイレに振り回される生活、もう何度も「もう限界だろ」って叫んでる。




最近は世界各国の料理にハマってて、それが腹痛の原因になってるのは分かってるけど、やめられねえ。




昨日は渋谷109で騒がしすぎて心が崩れたし、もう騒がしすぎる場所はマジで勘弁って思ってた。




静かで落ち着いた場所に行きてえよ……って願ってたけど、このトイレは毎回予想を極北にぶち込んでくる。




今日は昼に食った日本の「お雑煮」が胃の中でモヤモヤしてて、餅の重さと出汁の優しさが腹をギュルギュル鳴らしてる。




大晦日の気分で食ったのが運の尽きだ。




トイレに駆け込んで、ドアをガチャッと開けた瞬間――。




「うおっ、宗谷岬!?」




目の前には、深夜の宗谷岬。




雪が「サラサラ」と降り積もってて、波が「ザザーッ」と静かに打ち寄せてる。


日本最北端の碑が「ポツン」と立ってて、遠くで灯台の光が「チカッ」と点滅してる。




風が「ヒュウウ」と吹き抜け、寒さが「キンキン」と肌を刺す。




で、俺はいつものように便器ごと、その大晦日の宗谷岬のど真ん中にポツンと出現。




「いや、マジかよ……深夜の宗谷岬でトイレって、静かすぎて凍えるだろ!」




すぐ横では、誰もいない。




ただ雪が「ザザーッ」と降りてて、波音が「ゴオオ」と低く響いてる。




距離とか分からねえくらい視界が暗い。




お雑煮の出汁の匂いが鼻に残ってても、冷たい海風と雪の臭いに負けて感覚が麻痺してくる。




この寂しい場所で座ってるだけで、心臓がバクバクだ。Tシャツじゃ耐えきれず、歯がガチガチ鳴って全身が震えてる。




「見えてるのは俺だけで、向こうからは見えない」ってルール、信じたい。




でもこの近さ、風の「ヒュウウ」って唸りや、波の「ザザーッ」って音が耳にガンガン入ってくるんだぞ! 宗谷岬の空気が静かで冷たくて、便器が雪に「ズブッ」と半分埋もれてる。




こんな静かな場所で用を足すとか、羞恥心が最北端の碑よりデカい。




静かすぎて、心が孤独で締め付けられてる。




腹の中じゃ、お雑煮の餅と野菜がグチャグチャ暴れてる。




時間がない。




こんな場所でミッションとか、心が寒さと羞恥で爆発しそう。




遠くで除夜の鐘が「ゴーン」と一回鳴った瞬間、俺は必死に腹に力を入れる。




「おっ、おっ、おっ……頼む、出てくれ!」




その時、風が「ビュウウ!」って強まって、雪が「バサバサ!」って便器に降り注いできた。




やばい、埋まる!? 俺は慌てて息を止めて固まる。




でも雪、俺をスルーして「ザザーッ」と積もってっただけだった。




見えてねえよな……よな? でもその瞬間、便器が「ガチッ」と凍り付く音がして、尻が「キンキン」に冷えた。




「うっ!」って声が出そうになったけど、ガタガタ震えて堪えた。




宗谷岬の静寂に紛れて、俺の腹が「ぐぅうう」って鳴った。




波が一瞬止まって、音がやけに響いた気がした。やばい、海にバレる!?




ぷすっ。




「……ミッションクリアー、通常トイレに戻ります」




光がパッと弾けて、俺はアパートの狭いトイレに帰還。




換気扇のブーンって音と便器の安定感が、いつも以上に温かく感じる。




全身ガタガタ震えてて、お雑煮の出汁の匂いが鼻に残ってるけど、手足が冷え切って感覚がない。




心がまだ宗谷岬の静けさで震えてる。




息を整えながら、俺は呟いた。




「大晦日の宗谷岬って……静かな最北端でトイレとか、寒すぎて心が凍るだろ……」




考えてみれば、誰もいねえから気づくも何もねえよな? でも、あの孤独の中でやった事実は消えねえ。




俺のメンタル、もう宗谷岬の雪みたいに積もって崩れてるよ。




「ったく、次はどこだよ……もう静かすぎるとこはマジで勘弁してくれ」




お雑煮は当分食わねえと思いながら、俺はトイレのドアをそっと閉めた。




でも、次に開けるのがやっぱり怖いんだよな、これ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ