第68話:宗谷岬の大晦日と静かな便器
俺、佐藤太一、18歳。
この呪われたトイレに振り回される生活、もう何度も「もう限界だろ」って叫んでる。
最近は世界各国の料理にハマってて、それが腹痛の原因になってるのは分かってるけど、やめられねえ。
昨日は渋谷109で騒がしすぎて心が崩れたし、もう騒がしすぎる場所はマジで勘弁って思ってた。
静かで落ち着いた場所に行きてえよ……って願ってたけど、このトイレは毎回予想を極北にぶち込んでくる。
今日は昼に食った日本の「お雑煮」が胃の中でモヤモヤしてて、餅の重さと出汁の優しさが腹をギュルギュル鳴らしてる。
大晦日の気分で食ったのが運の尽きだ。
トイレに駆け込んで、ドアをガチャッと開けた瞬間――。
「うおっ、宗谷岬!?」
目の前には、深夜の宗谷岬。
雪が「サラサラ」と降り積もってて、波が「ザザーッ」と静かに打ち寄せてる。
日本最北端の碑が「ポツン」と立ってて、遠くで灯台の光が「チカッ」と点滅してる。
風が「ヒュウウ」と吹き抜け、寒さが「キンキン」と肌を刺す。
で、俺はいつものように便器ごと、その大晦日の宗谷岬のど真ん中にポツンと出現。
「いや、マジかよ……深夜の宗谷岬でトイレって、静かすぎて凍えるだろ!」
すぐ横では、誰もいない。
ただ雪が「ザザーッ」と降りてて、波音が「ゴオオ」と低く響いてる。
距離とか分からねえくらい視界が暗い。
お雑煮の出汁の匂いが鼻に残ってても、冷たい海風と雪の臭いに負けて感覚が麻痺してくる。
この寂しい場所で座ってるだけで、心臓がバクバクだ。Tシャツじゃ耐えきれず、歯がガチガチ鳴って全身が震えてる。
「見えてるのは俺だけで、向こうからは見えない」ってルール、信じたい。
でもこの近さ、風の「ヒュウウ」って唸りや、波の「ザザーッ」って音が耳にガンガン入ってくるんだぞ! 宗谷岬の空気が静かで冷たくて、便器が雪に「ズブッ」と半分埋もれてる。
こんな静かな場所で用を足すとか、羞恥心が最北端の碑よりデカい。
静かすぎて、心が孤独で締め付けられてる。
腹の中じゃ、お雑煮の餅と野菜がグチャグチャ暴れてる。
時間がない。
こんな場所でミッションとか、心が寒さと羞恥で爆発しそう。
遠くで除夜の鐘が「ゴーン」と一回鳴った瞬間、俺は必死に腹に力を入れる。
「おっ、おっ、おっ……頼む、出てくれ!」
その時、風が「ビュウウ!」って強まって、雪が「バサバサ!」って便器に降り注いできた。
やばい、埋まる!? 俺は慌てて息を止めて固まる。
でも雪、俺をスルーして「ザザーッ」と積もってっただけだった。
見えてねえよな……よな? でもその瞬間、便器が「ガチッ」と凍り付く音がして、尻が「キンキン」に冷えた。
「うっ!」って声が出そうになったけど、ガタガタ震えて堪えた。
宗谷岬の静寂に紛れて、俺の腹が「ぐぅうう」って鳴った。
波が一瞬止まって、音がやけに響いた気がした。やばい、海にバレる!?
ぷすっ。
「……ミッションクリアー、通常トイレに戻ります」
光がパッと弾けて、俺はアパートの狭いトイレに帰還。
換気扇のブーンって音と便器の安定感が、いつも以上に温かく感じる。
全身ガタガタ震えてて、お雑煮の出汁の匂いが鼻に残ってるけど、手足が冷え切って感覚がない。
心がまだ宗谷岬の静けさで震えてる。
息を整えながら、俺は呟いた。
「大晦日の宗谷岬って……静かな最北端でトイレとか、寒すぎて心が凍るだろ……」
考えてみれば、誰もいねえから気づくも何もねえよな? でも、あの孤独の中でやった事実は消えねえ。
俺のメンタル、もう宗谷岬の雪みたいに積もって崩れてるよ。
「ったく、次はどこだよ……もう静かすぎるとこはマジで勘弁してくれ」
お雑煮は当分食わねえと思いながら、俺はトイレのドアをそっと閉めた。
でも、次に開けるのがやっぱり怖いんだよな、これ。




