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第62話:無菌室とクールな便器

俺、佐藤太一、18歳。




この呪われたトイレに振り回される生活、もう何度も「もう限界だろ」って叫んでる。最近は世界各国の料理にハマってて、それが腹痛の原因になってるのは分かってるけど、やめられねえ。




昨日は草津温泉の湯揉みで熱すぎて心が茹で上がったし、もう熱すぎる場所はマジで勘弁って思ってた。涼しくて清潔な場所に行きてえよ……って願ってたけど、このトイレは毎回予想を無菌にぶち込んでくる。




今日は昼に食った日本の「冷やしそうめん」が胃の中でモヤモヤしてて、つゆの冷たさと麺の軽さが腹をギュルギュル鳴らしてる。涼しい気分で食ったのが運の尽きだ。




トイレに駆け込んで、ドアをガチャッと開けた瞬間――。




「うおっ、無菌室!?」




目の前には、真っ白な無菌室。




白衣の研究員が「ピペットで慎重に…」って呟きながら試験管を扱ってて、空気が「スーッ」と冷たく澄んでる。




機械が「ピーッ」と低く鳴ってて、蛍光灯が「ジー」と静かに光ってる。




で、俺はいつものように便器ごと、その新薬開発中の無菌室のど真ん中にポツンと出現。




「いや、マジかよ……無菌室でトイレって、涼しすぎて逆に気まずいだろ!」




すぐ横では、研究員が「この化合物が鍵だ」と顕微鏡を覗いてて、もう一人が「データ記録して」とノートに書き込んでる。




距離、3メートルくらい。冷やしそうめんのつゆの匂いが鼻に残ってても、無菌室の無臭な空気に完全に負けてる。このクールな場所で座ってるだけで、心臓がバクバクだ。Tシャツが汗でじっとりして、冷たい空気が肌に刺さってくる。




「見えてるのは俺だけで、向こうからは見えない」ってルール、信じたい。




でもこの近さ、研究員の「ふむ…」って呟きや、機械の「カチッ」って音が耳にガンガン入ってくるんだぞ! 無菌室の空気が静かで冷たくて、便器がタイルの床にドカッと浮いてるのが気まずい。




こんな清潔な場所で用を足すとか、羞恥心が新薬より純粋に濃縮されちまう。涼しすぎて、心が緊張で締め付けられてる。




腹の中じゃ、冷やしそうめんの麺とつゆがグチャグチャ暴れてる。




時間がない。




こんな場所でミッションとか、心が静寂と羞恥で爆発しそう。




研究員が「成功したら歴史に残るぞ」と呟いてる中、俺は必死に腹に力を入れる。




「おっ、おっ、おっ……頼む、出てくれ!」




その時、研究員が俺のすぐ横まで来て、「サンプルはここだ」と試験管を棚に置いた。




やばい、見つかる!? 俺は慌てて息を止めて固まる。




でも研究員、俺をスルーして「次は培養だ」と離れた。見えてねえよな……よな? でもその瞬間、空調が「スーッ」と強まって、冷気が「ヒヤッ!」と便器に当たった。




「うっ!」って声が出そうになったけど、汗だくで堪えた。




無菌室の静寂に紛れて、俺の腹が「ぐぅうう」って鳴った。




研究員が一瞬「ん?空調か?」って顔して首傾げた。やばい、音でバレる!?




ぷすっ。




「……ミッションクリアー、通常トイレに戻ります」




光がパッと弾けて、俺はアパートの狭いトイレに帰還。




換気扇のブーンって音と便器の安定感が、いつも以上に現実に戻してくる。




全身汗だくで、冷やしそうめんのつゆの匂いが鼻に残ってる。




心がまだ無菌室の冷たさで震えてる。息を整えながら、俺は呟いた。




「新薬開発の無菌室って……涼しい清潔さの前でトイレとか、クールすぎて心が凍るだろ……」




考えてみれば、研究員、俺のこと本当に気づいてなかったよな? 「空調か?」は偶然だろ。




でも、あの無菌の中でやった事実は消えねえ。俺のメンタル、もう試験管みたいに透明で揺れてるよ。




「ったく、次はどこだよ……もう涼しすぎるとこはマジで勘弁してくれ」




冷やしそうめんは当分食わねえと思いながら、俺はトイレのドアをそっと閉めた。




でも、次に開けるのがやっぱり怖いんだよな、これ。

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